
お……
お前らと
ホントの友達に…
なりたい…
■「生徒大募集。先着1名様につき、編入試験及び学費・学生寮費・食費等全額免除。入学お待ちしております」
「悩殺ジャンキー」(→レビュー)の福山リョウコ先生の新作来ました!今度のお話は、ケモノの王子・姫たちとの学園生活を描いたファンタジーです。あらすじ紹介からだと、なぜ呉羽は人間なのにこの学校に入学できたの?という話になるわけですが、人間との共存が最終目標であるこの学校には、3年に一度人間を入れて共同生活し慣らしていく「ラビット」というプログラムが存在し、その生徒として選ばれたというわけ。しかしいきなり人間を放り込むと危険(生徒は全員肉食獣)なので、ウサギ国の姫という設定で、うさ耳としっぽをつけて校内で生活します。そんな彼女をサポートする(というか守る)のが、学年トップ3の、蝶々(オオカミ国第6王女)、茅(トラ国第2王子)、右京(クロヒョウ国第4王子)。良識と理性のある彼らは、本能に負けて呉羽を食らうなんてことはしません。ただし、協調性があるわけでもないので、彼女を全力でバックアップなんてこともないという。全寮制で、彼らとは部屋も一緒。ヒロインの気の強さも手伝って、非常に慌ただしく賑やかな学園生活が描かれます。

なんというツンデレ。ウサギは寂しいと死んじゃうんですよ。そういった意図も込めてウサギにしたのかな、という深読み。
今月の白泉社花ゆめ組は新作ラッシュだったのですが、その中でも一番楽しみだったのがコチラの作品。いやー期待以上にハマりました!ケモノ耳+福山キャラ+学園生活がこんなにハマるとは。設定もさることながら、各キャラ達が非常に立っていて、伸び伸び動き回っています。多少アリエナイことがあっても、「ケモノだし」ということで納得させられますし、それがさらに疾走感を助長させるというか。主軸は“学園もの”なのですが、「ケモノ耳の生徒たちとの、賑やかな学園生活」という説明だけじゃ、全然足りないです。ラビットプログラムの意義や、ポイント制、寮だけボロボロだったりするところなど、多少解せない部分はあるのですが、結果として物語を盛り上げる要素になっているから良いか。また勢いだけでなく、心情を描き出す部分はしっかりと描いてきます。さすが。
1巻ラストでは、呉羽が生徒会長になるなど、これからさらに暴れ回ってくれそうな予感。これはオススメするしかないか。ってあんまり内容について触れてない気が…とりあえず楽しい作品であることは間違いないので、一つよろしくお願いします。
【男性へのガイド】
→どうなんだろ、この雰囲気+女キャラのかわいさはプラスだと思います。あと1巻時点では、恋愛を感じさせる要素が薄い=男キャラのクセの強い部分が出ていないので、そういう意味でも読みやすいと思うのですが、コレ以降はなんとも。
【私的お薦め度:☆☆☆☆☆】
→一風変わった、良作学園ファンタジー。対象年齢は若干低めな気もするのですが、大人も楽しめる作りになっていると思います。個人的にヒットだったので、ここは強めにプッシュしておこうかな。
作品DATA
■著者:福山リョウコ
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめCOMICS
■掲載誌:花とゆめ(平成20年17号~連載中)
■既刊1巻
■価格:400円+税
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