
今日は来てくれてありがとう
じゃ、まず先輩から挨拶があるから
聞き流していいよ
■僕、ワタナ・ベーは、ごく普通の中学生活を送っています。けど、ただひとつ、秘密があるんです。それは、僕がエイリアンだということ。その秘密を知るのは、同じクラスの春山さんと林くんだけ。彼らはとっても良い人たちなので、何も心配いらないのですが、最近悩みの種がひとつあって…。それは、勝手に僕の部屋に住み着いている、先輩エイリアンの先輩・オ・カーダ
少女漫画にもギャグ枠というものがございまして、ページ数の関係でコミックス化がなかなか進まないのですが、想像以上にレベルの高いギャグが繰り広げられていたりします。この作品は、別冊マーガレットのギャグマンが枠のひとつ。普通の中学校生活をおくる宇宙人・べーが、自分の家に住み着いたニートエイリアン・オ・カーダに手を焼くというようなお話。そんな二人に巻き込まれるのが、普通の地球人の中学生・春山さんと林くん。とりあえずオ・カーダ軸で話が展開されます。ニートでありながら、先輩というだけで異様に態度がデカイという、いかにもなダメ宇宙人。そんな彼に、淡々とひどい仕打ちをしていくベー。一見ヒドい後輩のようにも思えるのですが、これはこれで仕方ない気もします。不条理系に見えながらも、実は不条理じゃないというね。

こんな関係。オ・カーダにベーがヒドい仕打ちをし、ここでは描かれていないですが、さらに二次災害的に林くんにとばっちりが。そしてそれを春山さんが突っ込むという。林くんがなんともいい味出してます。気の毒担当というポジションがなんとも。
マーガレットで宇宙人といえば、最近金のティアラ大賞を受賞した片山あやか「Star man」(→レビュー)が挙げられますが、あちらはストーリー枠のコメディなので、直接的なバッティングは起こらない様子。こっちはあくまでギャグですからね。どこか増田こうすけ臭のする、正統派シュール(なんだそれ)路線を貫いています。読み進めていくうちに、若干キャラにブレが見えてくるのですが、それでも面白さのラインはしっかりとキープ。パターンとしてはそれほど幅があるわけではないのですが、それでも飽きさせずに読ませるということは、それだネタの使い方が上手いということなのか。
【男性へのガイド】
→ややダウナーで、シュールなギャグ漫画が好きな方は確実に気に入るかと。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→ギャグ漫画は評価が難しいです。大笑いはしなかったのですが、そもそも方向として大笑い用として作られていないわけで。一定の面白さは保証します。で、そこから先は当人次第という感じじゃないでしょうか。
作品DATA
■著者:ふじまつ
■出版社:集英社
■レーベル:別冊マーガレット
■掲載誌:別冊マーガレット
■既刊1巻
■価格:400円+税
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