
どん底と思ったらてっぺん
何だか…ジェットコースターみたいだよ
動物病院て
■6巻発売しました。
ここは“ペットを癒してあげる”がモットーの動物病院。針治療もこなす院長に、外科のスペシャリスト、そして小動物担当に、看護士さんで回している。病気の飼い犬に、ケガをした野良猫…日々様々な動物たちが運び込まれてくる。命を扱うこの場所には、たくさんの悲しみと、たくさんの喜びが溢れている…。動物の数ほど、涙あり、感動あり。癒されてジーンと来る動物病院物語!
動物病院の日々を描いたお話です。恐らく皆さんが想像されているような雰囲気だと思います。動物好きなら読んでおけ、そうでない人も読んでおけ、というような、動物たちの命にまつわる感動系のストーリーが展開されます。基本的に1話完結で、壮大な物語が送られると言うことはありません。一つの命について、延々描いても良いのですが、日々幾つもの命が運び込まれる動物病院を描くということ考えると、やはりこういうスタイルのほうが全体で見た時のメッセージ性が強くなるのかな、と。当然ですが、動物のみで展開しても、それほど話は広がらないので、人間との関係の中にドラマを見出していく形。

これがどう受け取るかは人それぞれだとは思うものの、言っていることは至極真っ当。そういえば実家の父が、「ウチの犬は輸入ものの6000円の専用シャンプーを使っているのに、俺は特売の300円のシャンプーを使っている。なんだこの格差は」と言っていたことを思い出した。そんな父は、母が年甲斐もなくやけに高いシャンプーを黙って使っていることを知らない。あれ、関係ない話に…
実際の獣医界・動物病院界を目の当たりにすることがないので、どこまでリアルなのかわからないですが、多分舞台となるM.F動物病院は、一つの動物病院の理想を体現した病院なのだろうな、と思います。台所事情が厳しいまではリアルなのでしょうが、だからといって金策に走ることはしない(物語なのでする必要がない)。綺麗な部分、ツライ部分は見せるものの、汚い部分は見せることはありません。それが魅力ではあるのですが、読む人によってはもの足りなさを感じる人もいるかも。そういえば動物医療もので、業界特有の汚さを出す作品ってほとんどない気も。動物が介在するから、そういう事を描こうと思わないのか、それとも本当に正義感と優しさに溢れたクリーンな業界なのか、はたまた私の思い違いなのか…。なんにせよ、獣医さんってのは大変です。
【男性へのガイド】
→装いは女性向けですが、読みやすいと思いますよ。ストーリーが気に入るかは別として。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→毎回気持ちのよい形で終わるのは、とっても好印象です。
作品DATA
■著者:たらさわみち
■出版社:集英社
■レーベル:オフィスユーコミックス
■掲載誌:officeYOU('07年1月号~連載中)
■既刊6巻
■購入する→Amazon