
優しいものは好きです
あたたかいものも好きです
だから人が好きです
■本日7巻発売です。
主人公・夏目は、幼い頃から物怪が見える。そのため周りの者から気味悪がられ、親戚の家をたらい回しにされ、孤独な日々を過ごしてきた。新たに引き取られた家では暖かく迎えられるものの、今度は頻繁に物怪から狙われるようになる。そんなある日、追ってくる物怪から逃げ回っている途中に、何かの封印を解いてしまう。解放されたのは、招き猫を依代にした斑という上級妖怪。斑によると、物怪に狙われる原因は祖母の遺品である妖怪達との契約書「友人帳」にあるという。解放した恩、そして夏目が死んだら友人帳を譲るという約束を交わし用心棒となった斑と共に、妖怪達に名前を返す日々が始まった。
物怪が見える少年・夏目が、用心棒のニャンコ先生(斑)と共に、友人帳を通して物怪達と触れ合い、日々成長していく物語です。物怪といっても多種多様、明確な悪意を持って行動している者もいれば、人間に好意を持っている者、元々ただの動物だった者…。しかしどの物怪にも共通しているのが、その純粋さ。人間よりも、思考や感情が短絡的だからなのでしょうか。彼らのそのまっすぐな想いは、私たちの心の奥深くに、ストレートに突き刺さってきます。そしてどの話に登場する物怪も、みんな情に溢れていて、人間以上に人間臭い。だからなのか、必要以上に親しみを持って読んでしまうんですよね。
少しでも多くこの作品の魅力を伝えたいと思うのですが、書けば書くほどその魅力とはかけ離れてしまっているような気がします。多分一番良い説明は、「いいから一度読め」ってことなんでしょうね。「ダム底の燕」や「アサギの琴」などは、読む度におんおんと泣いてしまいます。型にはまった泣かせ方なんて言われるかもしれませんが、それでも感動させるってのは偉いことなのです。
アニメ化してます。どうやら二期も放送するようで。気になる方はそちらもチェックしてみてはいかがでしょう。
【オトコ向け度:☆☆☆☆☆】
→アニメ2期決定。女性だけでなく、男性の支持もあったからだと思います。男が主人公というのもありますが、それ以上に作品の出来が素晴らしく読みやすいと思います。
【私的お薦め度:☆☆☆☆☆】
→老若男女、マンガ好きも普段マンガを読まない人も、ぜひ一度読んでもらいたい作品です。
作品DATA
■著者:緑川ゆき
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめCOMICS
■掲載誌:LaLa(平成15年7月号~連載中)
■既刊7巻
■定価:1巻~6巻:390円+税,7巻:400円+税
■「このマンガがすごい! 2009
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