
天使なんてあてにしない
今までだって
救ってくれやしなかったもの
■王国の第二王子・エドワルドのメイド長であるシエラ。彼女は奴隷の出身でありながら、平民が仕えることの出来る身分としては最高の位置におり、周囲の人間から一目置かれている。彼女は、メイド長と同時に、常に身の危険にさらされるエドワルドを守るボディーガードも兼任。エドワルドと王位継承権を争う第一王子・ジャスティンや、その侍従者・マーシャル。そして、幼き頃にシエラの運命を導いた悪魔・ミハエル…様々な人物に囲まれながら、シエラの王宮生活が幕を開ける…
今月の一迅社はQuinRose祭り状態で、QuinRose原作の作品が3タイトルも出てます、スゴい。こちらもQuinRoseの恋愛アドべンチャーゲームが原作。殺し屋の訓練を受けたシエラが、王国の第二王子・エドワルドに拾われ、メイド長兼ボディーガードを務めながら、王宮の人々と触れあっていくというお話です。彼女が仕えるのは、王宮の第二王子・エドワルド。第二王子ですが、母親の身分が第一王子・ジャスティンよりも高いため、後継者の第一候補として目されています。そのため彼の存在を良く思わない輩もいるわけで、常に命が狙われているという状態。

現在一番近い所にいるのが、第一王子・エドワルド。ただ彼がかなりの曲者で、一筋縄ではいかなそうな匂いがプンプン。
やり取りする相手は王宮関係の人間だけではなく、殺し屋関連や、魔法使い、果ては悪魔まで、様々。彼女の特殊な出自がそうさせるのですが、いやはや序盤からものすごい数の登場人物たちが出てきます。詳しくはゲームの公式サイトを参照していただきたいのですが、このキャラ達が、すべて1巻にて登場。これは原作プレイ者じゃないと完全に把握することは難しいかもしれません。
QuinRoseの作品の特徴なのかもしれませんが、登場人物たちは皆々変わり者というか、くせ者揃い。どこか内面に、歪みやアンバランスさを持った人物たちが多いです。そこから内面をえぐり出し、恋愛に結びつけていくのだと思いますが、まだまだその段階には至りそうになく、とりあえずは舞台背景を説明しているという状況。一応恋愛アドベンチャーゲームが原作なのですが、現時点で恋愛的な要素は薄く、アドベンチャー的な色が強く出ています。それでもしっかり読むに耐える内容になっているということは、それだけ物語が作り込まれているという事。ちょっとまだ全体像は把握できないですけど、作品にマッチした絵柄といい、なかなか雰囲気は良さげ。誰メインでいくのかも、原作未プレイとしてはまだわからないので(フラグ云々)、まだまだそういった楽しみも残されているのか。個人的にはジャスティンと見せかけてエドワルドじゃないの?という予想を立てておきますか。
【男性へのガイド】
→女性向け恋愛ゲームが原作ですが、男性が読むにも耐えられるだけの物語性はある気がします。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→QuinRose作品はクセが強い上に、原作を知らない人間にあまり親切でないので、オススメはしづらいんですよね。個人的には、結構気に入りましたけど。
作品DATA
■著者:双葉はづき/QuinRose
■出版社:一迅社
■レーベル:ZERO-SUMコミックス
■掲載誌:ゼロサムWARD(平成20年No.006~連載中)
■既刊1巻
■価格:552円+税
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