
…そっか
私になかったのは、“自信”とか“努力”とか
それよりもまず
“好きな人”だ
■佐藤千夏・17歳。恋愛とは無縁だった中学時代を経て、意気込んで高校デビューをしてみたけれど、あれ、状況は変わらない?今までと同じく、彼氏は出来ず、未だHどころかキスも未経験。「このまま一生処女かも…」そんな想いに苛まれるなか、彼女の目の前に現れたのは、いかにもチャラそうな年下の男の子・新平。突然彼に言い寄られ、思わず「慣れてる」フリをしてしまった千夏だったけど…!?
長山えい先生と並んで、今ベツコミでプッシュされている若手作家・八寿子先生の本格連載作です。デビューはしやすいものの、巻数がつくまでが意外と長い小学館で、ついに巻数表記が。これで一歩抜け出したか?ちなみに本格連載と書きましたが、1巻ではまだ本格連載は始まってません。どういうことかというと、1巻時点ではオムニバスの形式をとっており、2巻以降で、その中の一作にスポットを当て、追いかけ続けるというスタイルをとっているから。その一作というのが、あらまし紹介の、千夏と新平のストーリーになります。

いや、恋愛経験に乏しい10代なんて、誰もそんなもんじゃない?…と今では言えるわけですが、確かに当時なんてそんな余裕はなかった気がするなぁ…。
「チェリーなぼくら」というタイトルからもわかるように、基本的に登場する人物たちは、処女&童貞の子たち。周囲の人間が次々と大人の階段を昇っていく中、一人取り残された気分になり焦る彼らの心情と純情な恋心を、テンポ良く、そして時にしっとりと描き出します。帯には「恋とHのまんがです。」と書いてあるのですが、いや、これは誤解を呼ぶんでない?と。セックスがひとつのテーマではあるのですが、行為には至りません。その辺はいかにもベツコミライク。横山真由美先生の作品のようなノリの良さのなかに、オーソドックスでセンチメンタルなモノローグを挟み込んでくるのですが、このギアチェンジには思わず感心。設定的に無理を感じるストーリー(バスケのやつとか)もあったのですが、核になる恋愛描写には影響を与えていないので、これはこれで作風として受け取るべきなのか。とりあえず本格連載が始まる2巻以降に注目。楽しみです。
またあとがきでは、先生自身がはっちゃけております。その中で印象に残ったフレーズをいくつか…
「超えろ、2万部の壁!!」
「大事なのは冊数じゃない、部数だもんな」
「生涯ひとりにでもモテたことのあるヤツは“モテない人”とは認めません!
ファッション感覚で『モテない』ってゆうな!!
全戦全敗こそ真の“モテない人”だッ」
「大事なのは冊数じゃない、部数だもんな」
「生涯ひとりにでもモテたことのあるヤツは“モテない人”とは認めません!
ファッション感覚で『モテない』ってゆうな!!
全戦全敗こそ真の“モテない人”だッ」
頑張ってください。応援してます。
【男性へのガイド】
→意外と男子の心を捉えていると思います。コメディも多めで、結構読みやすいんじゃないかと。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→ちゃんとしたレビューは2巻以降かな。粗さはあるものの、次がとっても楽しみな作品です。
作品DATA
■著者:八寿子
■出版社:小学館
■レーベル:ベツコミフラワーコミックス
■掲載誌:ベツコミ(2009年4月号~連載中)
■既刊1巻
■価格:400円+税
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