
いますぐデビューできる秘訣
教えます!
■麗華はまんが家になることを夢見るお嬢様。そんな彼女には専属でまんがの描き方を教えてくれる執事・瀬場がいるのです。まんがの描き方を全く知らないのに、やけに高飛車な麗華にも、臆すること無く鞭を手にスパルタ指導!!瀬場の適切でありながらも厳しい指導を受け、無事まんが家になることができるのでしょうか!?
車谷晴子先生の連載…というよりも、コーナーですかね。まんが家を目指す勝ち気なお嬢様・麗華と、そんな彼女にスパルタ指導を行うイケメン執事・瀬場とで贈る、漫画家を目指す読者へ向けた、基礎まんが講座となっています。全52回で、ペン選びやトーンの貼り方といった道具の知識に始まり、コマ割りや背景などの描写に関する技法や、キャラ配置にストーリー展開といった話作りに関する話題を経て、最終的には持ち込みや投稿の作法へと話は移っていきます。漫画家を目指す人たちに必要な事が全て描かれているので、まったく知識がない方はこれを活用するも良し、すでに投稿などを行っている方は、項目別になっているので、自分に足りない部分をピックアップする、チェックシート的な役割もこなせるかもしれません。

この二人がメイン。テンポの良い夫婦漫才を見せてくれて、こちらだけでもなかなか楽しめる。ちなみに上のパーセンテージは、トーンの濃さ。
私は絵心がないので、コレから先漫画を描くなんてことはまずないのですが、それでもこれを読んだことで、またひとつ漫画を読む際の楽しみ方が増えたかな、と。描き手的には当たり前の事なのかもしれないですが、描く事にあまり興味のない人間からすると、些細な事でも「おお!」と思う時があるのです。下絵には水色のシャー芯を使うとか、フキダシの配置とか…。それとデスノで話題になったりしていた「指が多い」ってミスは、案外頻発するみたいですね。
大切な所は教えるものの、最終的には「努力あるのみ」というスタンスであるのには、感心したというかなんというか。読者からの質問コーナーの回答は、結構厳しいものも多く、やっぱりそう甘い世界ではないのだな、という雰囲気が伝わってきました。いや、厳しいのは知っているのだけど、10代半ばの子たちにそこまで言うか、と。まぁ少女漫画の場合、そのくらいの年齢でも十分「適齢期」に入っているってのもあるかもしれないですが。
車谷先生はSAIを使ってらっしゃるみたいですね(カラーイラストのみで、普段はアナログ?)。プロはみんなフォトショを使っているのかと勝手に思っていたのですが、そうとも限らないのですね。そういえばろびこ先生もSAIだってブログに書いていたし、SAIの方がむしろ主流なのでしょうか?あ、コミスタとかもあるのか…。
■作者他作品レビュー
車谷晴子「ぜんぶちょーだい」
【男性へのガイド】
→漫画家を目指している方、漫画家の仕事に興味がある方には良いのかも。それとストーリーはあまりないけれど、イイ感じの夫婦漫才が出来上がっているので、そういう話は好きな方にもオススメです。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→車谷先生のキャラは基本好きです。高飛車お嬢様キャラがなんとも。あと漫画家は目指さんけど、どういう風に仕事してるのか知りたいって人には丁度良いかもしれないですね。おおまかな知識を、500円でおつりくるぐらいで知れるわけですから(通常のフラワーコミックスより60円ほどお高いですけど)。
作品DATA
■著者:車谷晴子
■出版社:小学館
■レーベル:Sho-Comiフラワーコミックススペシャル
■掲載誌:Sho-Comi('07年第12号~’09年第18号)
■全1巻
■価格:457円+税
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