
俺が鍵だ
すべての扉は俺で開く
■7巻発売しました。
莫大な報酬と引き換えに、どんな鍵でも開けてしまう男・御厨秋。彼の指にかかれば、どんな巨大な金庫も、どんなハイテクな鍵でも必ず、その内側を真実に晒す!!今日もまた、彼の噂を聞きつけた人々が、鍵のかかった扉の向こうにある真実を欲し、大金と依頼を持って訪れる。千里眼を持つシスター・リンや、オネエ系の情報屋・神林など、個性派揃いの仲間(?)と共に、今日も危険な依頼に立ち向かう…!!
連載開始は平成11年ですが、まだ7巻です。読切りシリーズの不定期連載なので、こういうゆっくりペースなのですが、その分ストーリーは選りすぐりの良作揃いでございますよ。ということで、『KEY JACK』のご紹介です。主人公は、どんな鍵をも瞬時に開けてしまう特殊な能力を持った男・御厨秋。彼はその力を活かし、1000万円という依頼料と共に、寄せられる様々なクサい案件をこなしていきます。鍵を開けるというのは、技術が優れているということではなく、そういう超能力を持っているということです、はい。また彼の回りにも、そういった特殊な能力を持った同じ穴の狢が。それが、なんでも見通す力(透視能力)を持つシスター・リン。ストーリーの軸になるのは、主にこの二人。さらに個性派の情報屋・神林などを交え、寄せられた依頼を解決していきます。方向的には、「シティーハンター」とか、「Luck Stealer」みたいな感じですかね。

とにかくカッコいい主人公・秋。万人受けする魅力を持っていると思うんだけどなぁ。
ウチでは、女性の主人公をヒロインと呼ぶ事はあっても、男性の主人公や相手役をヒーローと呼ぶ事はほとんどありません。それは、ヒロインという単語に比べて、ヒーローという単語が様々な意味合いを持っていることや、単純に使い慣れていないということもあるのですが、それ以上に個人的に、「ヒーロー」という言葉が似あわないと思うキャラが多いことが影響しているんじゃないかと思われます。ヒーローって、なんとなくカッコいいとか強いとか、そういうイメージがあるじゃないですか。「ヒーローもの」でのヒーローは、老若男女関係なく、ほぼ全ての人間から「カッコいい!」と思われているイメージがあるわけで…というか実際そうだと思うんですが。でも少女漫画の場合、メインとなるのは恋愛であって、その場合男に求められるのは、ヒロインに対しての格好良さ=オンリーワンの格好良さなんですよね。だからどうしても“ヒーロー”という言葉を用いるのは気が引けるというか…。
で、前置きが長くなったのですが、このKEY JACKの主人公・御厨秋は、文句なしに「ヒーロー!」と呼んでいい存在だと思います。もうね、カッコいいんですよ、というかカッコよすぎるんですよ、秋さん。女性受けする甘いマスクで、その辺はいかにも女性向け漫画の登場人物という感じなのですが、そのキャラは男から見てもカッコいいです。2枚目なんだけど、時に3枚目な面を見せ、仕事は完璧にこなすものの、情に厚くそちらを優先させる事もしばしば…と。デキルけど、嫌味じゃないというか。また周囲を囲むキャラ達も、クセは強いものの憎めない面々が揃っており、物語を盛り上げます。「本人が鍵」という発想もさることながら、それぞれのキャラクターの描写がまず上手で、その時点で勝ちだったな、という感じがあります。
■作者他作品レビュー
潮見知佳「らせつの花」
【男性へのガイド】
→これは読みやすいはず。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→次でるのはいつになるのか…(笑)それでも楽しみに待ちたいと思います。オススメ。
作品DATA
■著者:潮見知佳
■出版社:秋田書店
■レーベル:きらら16コミックス
■掲載誌:
■既刊7巻
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