
ここは魔法使い派遣会社なんです
その目を持っているあなたこそが
アストラル2代目社長です伊庭いつき様
■5巻発売、完結しました。
極度の恐がりである高校生・伊庭いつきは、7年間行方不明だった父の死亡認定と共に、父が遺した遺産を相続する事になった。詳しい事は何も聴かされず、とりあえず遺産であるそのビルに向かってみると、中にはなにやら胡散臭い人たちが…。話を聞くと、どうやらそこは魔法使いの派遣会社・アストラルで、父がその会社の社長をやっていたのだという。しかも出会った早々2代目社長に任命されちゃったりして!?個性派揃いの社員たちが、得意な魔法を活かし、レンタル先で問題を解決!!…したりしなかったり。果たしていつきの運命は!?
アニメ化もされ、知名度はある程度あるのではないでしょうか?魔法使いの派遣会社・アストラルの社長に、不本意ながら就任してしまった少年・いつきと、その社員たちの姿を描いたマジックファンタジーです。基本的にはそれで説明は済んでしまうのですが、それだけだと面白くありません。さらに説明を加えるなら、主人公のいつきは普通の人間とは違い、呪力を見る事の出来る妖精眼の持ち主だったりします。そこから先を説明するとまた長くなってしまうのですが、そのことが彼の出自に大きな影響を与えており、今もなお影響を与え続けているという状況。普段は気弱で恐がりないつきですが、妖精眼が開くと途端に別人のように強気になります。

ツンデレ好きで、最近ショタの気が出てきた私にとっては、この二人はなんとも美味しい存在。
この作品の見所とも言うべきなのが、登場人物たちのキャラの立ちよう。陰陽道課課長の猫屋敷の適度な身勝手さと絶妙な気配りや、小学2年の社員・みかんのかわいらしさ、そして何といっても穂波の絵に描いたようなツンデレっぷり。みなみな素晴らしいです。このキャラ配置は男からみても、さほど違和感無く入っていけるようになっているんじゃないかな、と。というか、原作のメインの読者層ってどうなっているのだろう。ストーリーに関しては、それなりに作り込まれ、ある程度の複雑さも持ち合わせているのですが、これといって特筆すべき点があるわけではないように思います。ただキャラクター含め、全体的に"魅せる"作りになっており、ただ読んでいるだけで、非常に楽しくワクワクした気分にさせてくれます。ラノベ原作ですが、その良さが上手い事でた良作と言えるのではないでしょうか。ま、原作読んだことないんですけどね。雰囲気的にラノベ色が出ているように感じられたというか。
ちなみに本作は、原作の1~2巻をコミカライズした内容になっています。原作は17巻ぐらいまで刊行されているとか。すげえ…
【男性へのガイド】
→問題無く読めると思います。主人公の情けなさが感情移入の壁になる気もしますが、それさえ問題無ければ。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→Amazonレビューの低評価の内容を見てみると、原作との兼ね合い(特に絵師さんに関して)での低さが目立ちました。原作既読者からすると、優劣をつけざるを得ないのでしょうが、そうでない(原作未読)なら、充分楽しめる内容になっていると思いますよ。アニメに関しては良く知りません。
作品DATA
■著者:三田誠/成宮アキホ
■出版社:角川書店
■レーベル:ASUKAコミックスDX
■掲載誌:ASUKA(2006年8月号~2009年9月号)
■全5巻
■購入する→Amazon