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Tag [オススメ] 2009.09.02
07184603.jpg三田誠/成宮アキホ「レンタルマギカ」第1巻


ここは魔法使い派遣会社なんです
その目を持っているあなたこそが   
アストラル2代目社長です伊庭いつき様



■5巻発売、完結しました。
 極度の恐がりである高校生・伊庭いつきは、7年間行方不明だった父の死亡認定と共に、父が遺した遺産を相続する事になった。詳しい事は何も聴かされず、とりあえず遺産であるそのビルに向かってみると、中にはなにやら胡散臭い人たちが…。話を聞くと、どうやらそこは魔法使いの派遣会社・アストラルで、父がその会社の社長をやっていたのだという。しかも出会った早々2代目社長に任命されちゃったりして!?個性派揃いの社員たちが、得意な魔法を活かし、レンタル先で問題を解決!!…したりしなかったり。果たしていつきの運命は!?

 アニメ化もされ、知名度はある程度あるのではないでしょうか?魔法使いの派遣会社・アストラルの社長に、不本意ながら就任してしまった少年・いつきと、その社員たちの姿を描いたマジックファンタジーです。基本的にはそれで説明は済んでしまうのですが、それだけだと面白くありません。さらに説明を加えるなら、主人公のいつきは普通の人間とは違い、呪力を見る事の出来る妖精眼の持ち主だったりします。そこから先を説明するとまた長くなってしまうのですが、そのことが彼の出自に大きな影響を与えており、今もなお影響を与え続けているという状況。普段は気弱で恐がりないつきですが、妖精眼が開くと途端に別人のように強気になります。


レンタルマギカ
ツンデレ好きで、最近ショタの気が出てきた私にとっては、この二人はなんとも美味しい存在。


 この作品の見所とも言うべきなのが、登場人物たちのキャラの立ちよう。陰陽道課課長の猫屋敷の適度な身勝手さと絶妙な気配りや、小学2年の社員・みかんのかわいらしさ、そして何といっても穂波の絵に描いたようなツンデレっぷり。みなみな素晴らしいです。このキャラ配置は男からみても、さほど違和感無く入っていけるようになっているんじゃないかな、と。というか、原作のメインの読者層ってどうなっているのだろう。ストーリーに関しては、それなりに作り込まれ、ある程度の複雑さも持ち合わせているのですが、これといって特筆すべき点があるわけではないように思います。ただキャラクター含め、全体的に"魅せる"作りになっており、ただ読んでいるだけで、非常に楽しくワクワクした気分にさせてくれます。ラノベ原作ですが、その良さが上手い事でた良作と言えるのではないでしょうか。ま、原作読んだことないんですけどね。雰囲気的にラノベ色が出ているように感じられたというか。
 
ちなみに本作は、原作の1~2巻をコミカライズした内容になっています。原作は17巻ぐらいまで刊行されているとか。すげえ…


【男性へのガイド】
→問題無く読めると思います。主人公の情けなさが感情移入の壁になる気もしますが、それさえ問題無ければ。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→Amazonレビューの低評価の内容を見てみると、原作との兼ね合い(特に絵師さんに関して)での低さが目立ちました。原作既読者からすると、優劣をつけざるを得ないのでしょうが、そうでない(原作未読)なら、充分楽しめる内容になっていると思いますよ。アニメに関しては良く知りません。


作品DATA
■著者:三田誠/成宮アキホ
■出版社:角川書店
■レーベル:ASUKAコミックスDX
■掲載誌:ASUKA(2006年8月号~2009年9月号)
■全5巻

■購入する→Amazonbk1

カテゴリ「Asuka」コメント (4)トラックバック(1)TOP▲
コメント

ボンって最近卑怯だよなぁとか思ってる遠藤です、ちはっす。
色々読みすぎているせいでどの漫画でボン描写がきてたか失念してしまったんですが、最近2回程、恥ずかしがった時のボン効果音を見た気がしますw
あぁ確か一つは謎の彼女Xだったっけかな、それの5巻目。

キャラの魅せ方を心得ている作品って他の要素が甘くても良い支えになるなぁってのをレビュー読んで改めて思い起こしました。
まぁ自分は買わんですが(笑)←
何か新たな記事のネタをいただいた気がします・・・w
有難うございますノシ
From: 遠藤 * 2009/09/02 03:39 * URL * [Edit] *  top↑
ボンの効果音ですかw
確かに私も結構好きかもしれんです。

魅せ方を心得ているってのは、ストーリーが良いとか舞台設定が良いとか、そういった要素と対等に渡り合える要素だと個人的には思っているんですよね。少なからず私はそういう楽しみ方をしているので。他の人はどうなのかはわからないんですが…。

買う買わないは自由ですので…(笑)
ネタという違った形でフィードバックしていただけたら、それだけでありがたいですよヽ(*´ヮ`)ノ
From: いづき * 2009/09/02 04:12 * URL * [Edit] *  top↑
> 原作のメインの読者層ってどうなっているのだろう。
 角川スニーカーなので、基本的には男性読者向けの作品だと思います。なので、私としては、むしろAsukaで連載されていることに違和感を感じるくらいです(実際、コンプエース版もありますし)。まぁ、Asuka自体が少女漫画誌と言って良いか微妙な位置付けだと思うのですが。
 ただ、アニメ版のタイアップで発売されたキャラソン集は「男性向け」と「女性向け」が両方発売されていましたし、どちらかというと男性声優陣の方が豪華な面々なので、メディア戦略としては女性ファン層もそれなりに狙っているんでしょうね。
From: 闇霧 * 2009/09/02 12:28 * URL * [Edit] *  top↑
思わぬ解説ありがとうございます(笑)しかもすごく詳しい。

なるほど、あくまでメイン層は男性で、その延長として女性をターゲットとしたアプローチがある、と。なんとなく違和感を感じていたのですが、これでスッキリしました、ありがとうございます。確かにASUKAは少女マンガとは一線を画す位置づけですよね。一応女性向け指定されているのでレビューしているのですが、ものすごく腐の匂いが強いものから、かなり男性向けの雰囲気のある作品まであって、いまだにレーベルの特徴をつかみきれていないです。

しかしキャラソン集のことまで知っているとは…闇霧さん、何者!?Σ(- -ノ)ノ
From: いづき * 2009/09/02 19:35 * URL * [Edit] *  top↑

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