作品紹介はこちら→高梨みつば「紅色HERO」
高梨みつば「紅色HERO」(16)
あたしの仕事は
偉大な姉を持つ
名センター神村蕾を止めることだ!
■16巻発売しました。15巻より多く刊行されている作品に関しては、基本的にレビューしない方針をとっているのですが、続刊レビューはいいかな、と。16巻はバレーシーン盛りだくさん。いよいよ盛り上がってまいりました!(もう16巻ですけど…)
ようやく身辺も落ち着き、盤石の体勢で冬季大会を目指せる事になったのばら達だったが、直前になって思わぬ事実を知らされる。鬼監督・嶋の退職。実家の母親の体調が思わしくなく、つきっきりで面倒を見るために、故郷に戻るのだとか。そうなると、バレーの指導はおろか、教師を続ける事も難しい。これが事実上の、教師生活最後のチームということになる。「教師生活最後のはなむけに、絶対に嶋を春高に連れて行く!」のばら達の、春高への挑戦が始まった…!!
当初は、桜坂さんの魅力について存分に語ってやろうかと思ったのですが、15~16巻は、とにかくカナコが素晴らしかった。ということで、今回はカナコと嶋の、素晴らしき師弟関係にクローズアップしてみたいと思います…
中学時代ハイジャンプの記録保持者だった野田加奈子。陸上を辞め、どの運動部からの誘いも断っていた彼女が、気まぐれにバレー部に入ったのは、全国出場によって一躍校内で時の人になった祐信に会えるという理由から。祐信への想いは、のばらの真剣な想いを知ることですぐにしぼんでしまうのですが、バレーはそのまま続けます。とはいえ練習熱心でないカナコは、そのポテンシャルの割に、いまひとつ力を発揮できずにいました。
そんなところにやってきたのが、鬼監督・嶋。彼女がもっとも指導に力を入れたのは、エースののばらでもなく、天才セッター・桜坂でもなく、練習嫌いで生意気なセンター・カナコでした。ハイジャンプ記録保持者で、そのポテンシャルは折り紙付き。しかし極度の気分屋で、少しでも上手くいかないと、すぐに投げ出してしまう問題児。そんなカナコに、嶋は人一倍厳しく当たります。

長所もあるが、同時に短所も多い選手であった。その穴を潰すために、基礎からみっちりトレーニングを積む。基本的に口調の厳しい嶋だが、カナコにはより厳しい態度で臨む。それが=期待の表れ。
何度も挫けそうになるも、根は負けずギライのカナコ。のばらとの張り合い・支えあいもあり、日々の厳しいしごきに耐え、急成長を遂げていきます。実力でいえば、のばらには遠く及ばないであろう彼女ですが、その姿勢は常に対等。ロッカーには、「のばらよりすげーアタッカーになる」という文字が書かれた紙が貼ってあります。幾度となくのばらの凄さを目の当たりにしてきた彼女が、それでもなお、のばらに並び、超えていこうという気持ちを保ち続けられるのは、彼女の図太い神経だけでなく、他でない、嶋の存在があったからと言えるでしょう。嶋のしごきによる成長の実感と、嶋に一目置かれているという自負(多分これは嶋が狙ってそういう雰囲気を出しているのだろうと思うのですが)があることで、ライバル関係のみだけでは到底続けることの出来ない張り合いを続けることができたのではないかな、と。たぶんのばらだけだったら、ここまで成長していないだろうし、そもそもここまでバレーを続けていなかったんじゃないかと思います。

ぼろぼろになったシューズとサポーターが、努力の証。カナコが大会までの間、誰よりも頑張ったというのは、部員全員が認めるところ。
最初は敵対していたものの、いつしか不思議な信頼関係で結ばれるようになった嶋とカナコ。これからどんどん上手くなっていく…そういう想いがあったであろう彼女にとって、嶋が教師を辞めるという知らせは、まさに晴天の霹靂でした。思わぬ知らせに、「無責任」と不満をぶちまけ、一層反抗的な態度をとるカナコ。嶋がいなくなるという不安感、辛さ、そして、辞めることを隠されていた怒り、不信感…様々な感情が、カナコをそういった態度にさせていました。しかしある日、嶋のデータノートを見ることで、嶋の気持ちを再確認。そして…

手のかかる選手の方が、後々愛着が湧くもの。スポーツものでは選手同士の関係ばかりが注目される作品というのがありますが、こういった師弟関係というのも、スポーツもののひとつの魅力。カナコは16巻で、嶋に恩返しをするように、次々とブロックを決めていきます。まだ大会は始まったばかりですが、これから一つの軸として、チームを支えていく存在になるはず。これからがますます楽しみだ~。ラストがどんな風になるかはわかりませんが、きっと号泣必死だろうなぁ…。恋愛締めではなく、嶋との別れで締めて欲しいと切に願う今日この頃。だってやっぱりこの作品は、バレーをしてこそ光るんだもの。しかも選手全員のドラマを、ちゃんとバレーの中で描いてくる辺り、何気に凄いですよ。だからこのまま、バレーメインで進んでください!それと桜坂さんの活躍の場を増やして欲しいです、はい。
■購入する→Amazon
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bk1

あたしの仕事は
偉大な姉を持つ
名センター神村蕾を止めることだ!
■16巻発売しました。15巻より多く刊行されている作品に関しては、基本的にレビューしない方針をとっているのですが、続刊レビューはいいかな、と。16巻はバレーシーン盛りだくさん。いよいよ盛り上がってまいりました!(もう16巻ですけど…)
ようやく身辺も落ち着き、盤石の体勢で冬季大会を目指せる事になったのばら達だったが、直前になって思わぬ事実を知らされる。鬼監督・嶋の退職。実家の母親の体調が思わしくなく、つきっきりで面倒を見るために、故郷に戻るのだとか。そうなると、バレーの指導はおろか、教師を続ける事も難しい。これが事実上の、教師生活最後のチームということになる。「教師生活最後のはなむけに、絶対に嶋を春高に連れて行く!」のばら達の、春高への挑戦が始まった…!!
当初は、桜坂さんの魅力について存分に語ってやろうかと思ったのですが、15~16巻は、とにかくカナコが素晴らしかった。ということで、今回はカナコと嶋の、素晴らしき師弟関係にクローズアップしてみたいと思います…
中学時代ハイジャンプの記録保持者だった野田加奈子。陸上を辞め、どの運動部からの誘いも断っていた彼女が、気まぐれにバレー部に入ったのは、全国出場によって一躍校内で時の人になった祐信に会えるという理由から。祐信への想いは、のばらの真剣な想いを知ることですぐにしぼんでしまうのですが、バレーはそのまま続けます。とはいえ練習熱心でないカナコは、そのポテンシャルの割に、いまひとつ力を発揮できずにいました。
そんなところにやってきたのが、鬼監督・嶋。彼女がもっとも指導に力を入れたのは、エースののばらでもなく、天才セッター・桜坂でもなく、練習嫌いで生意気なセンター・カナコでした。ハイジャンプ記録保持者で、そのポテンシャルは折り紙付き。しかし極度の気分屋で、少しでも上手くいかないと、すぐに投げ出してしまう問題児。そんなカナコに、嶋は人一倍厳しく当たります。

長所もあるが、同時に短所も多い選手であった。その穴を潰すために、基礎からみっちりトレーニングを積む。基本的に口調の厳しい嶋だが、カナコにはより厳しい態度で臨む。それが=期待の表れ。
何度も挫けそうになるも、根は負けずギライのカナコ。のばらとの張り合い・支えあいもあり、日々の厳しいしごきに耐え、急成長を遂げていきます。実力でいえば、のばらには遠く及ばないであろう彼女ですが、その姿勢は常に対等。ロッカーには、「のばらよりすげーアタッカーになる」という文字が書かれた紙が貼ってあります。幾度となくのばらの凄さを目の当たりにしてきた彼女が、それでもなお、のばらに並び、超えていこうという気持ちを保ち続けられるのは、彼女の図太い神経だけでなく、他でない、嶋の存在があったからと言えるでしょう。嶋のしごきによる成長の実感と、嶋に一目置かれているという自負(多分これは嶋が狙ってそういう雰囲気を出しているのだろうと思うのですが)があることで、ライバル関係のみだけでは到底続けることの出来ない張り合いを続けることができたのではないかな、と。たぶんのばらだけだったら、ここまで成長していないだろうし、そもそもここまでバレーを続けていなかったんじゃないかと思います。

ぼろぼろになったシューズとサポーターが、努力の証。カナコが大会までの間、誰よりも頑張ったというのは、部員全員が認めるところ。
最初は敵対していたものの、いつしか不思議な信頼関係で結ばれるようになった嶋とカナコ。これからどんどん上手くなっていく…そういう想いがあったであろう彼女にとって、嶋が教師を辞めるという知らせは、まさに晴天の霹靂でした。思わぬ知らせに、「無責任」と不満をぶちまけ、一層反抗的な態度をとるカナコ。嶋がいなくなるという不安感、辛さ、そして、辞めることを隠されていた怒り、不信感…様々な感情が、カナコをそういった態度にさせていました。しかしある日、嶋のデータノートを見ることで、嶋の気持ちを再確認。そして…

手のかかる選手の方が、後々愛着が湧くもの。スポーツものでは選手同士の関係ばかりが注目される作品というのがありますが、こういった師弟関係というのも、スポーツもののひとつの魅力。カナコは16巻で、嶋に恩返しをするように、次々とブロックを決めていきます。まだ大会は始まったばかりですが、これから一つの軸として、チームを支えていく存在になるはず。これからがますます楽しみだ~。ラストがどんな風になるかはわかりませんが、きっと号泣必死だろうなぁ…。恋愛締めではなく、嶋との別れで締めて欲しいと切に願う今日この頃。だってやっぱりこの作品は、バレーをしてこそ光るんだもの。しかも選手全員のドラマを、ちゃんとバレーの中で描いてくる辺り、何気に凄いですよ。だからこのまま、バレーメインで進んでください!それと桜坂さんの活躍の場を増やして欲しいです、はい。
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