
隣の席
それしかないと思ってた接点が
左手でつながるなんて
■千葉コズエ先生の短編集です。
とりあえず表題作だけご紹介。ヒロインの西野さんはおとなしくて目立たない女の子。ひそかに隣の席の南くんに想いを寄せていたが、話すこともできない。ところがある日、西野さんの左手のメモを見た南くんが話しかけてきた。思いもよらないきっかけで、話すようになった二人。以降二人の距離はだんだん近くなっていくが…。
いかにも小学館らしい短編集。共通して男の子が積極的で、比較的ロマンチックな展開が多かった感じですね。とくに表題作「左手のラブレター」では思わず赤面。読んでるこっちが恥ずかしくなるほどクサい。ほかはまぁなんとなく見かけるモチーフだったのだけど、とにかく「左手のラブレター」の破壊力は強烈でした。開き直ってこの「クサさ」を売りにしていったら面白いと思うのだけどどうだろう。少コミですが、エロはほぼナシです。
この作品に限らず、小学館の短編はいまひとつボリューム感に欠けるというか、あっという間に流れていってしまうような作品が多いです。若手の修行の跡みたいなものだから良いのかもしれませんが、上手い作家さんはそれでもしっかり面白い話を描いてくるもんなぁ。緩急のつけ方が上手いというか…この違いはなんなのだろうか。
【オトコ向け度:☆ 】
→女の子の妄想チックなお話は、男の子の口には合わないと。でも小学館系はそれでこそですよ、ハイ。
【私的お薦め度:☆☆ 】
→ひっかかるモノがなかったというか、ボリューム、個性に欠けた印象。読みやすさはあるんですが。
作品DATA
■著者:千葉コズエ
■出版社:小学館
■レーベル:Sho-Comiフラワーコミックス
■掲載誌:少女コミック増刊(2007年10月15日号,2005年12月15日号,2004年10月15日号,2004年6月15日号),Sho-Comi(2008年19号)
■全1巻
■定価:400円+税
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