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藤原ヒロ「会長はメイド様!」
藤原ヒロ「会長はメイド様!」(8)
なんでそんなに
可愛いの■祝!アニメ化!!ということで、8巻の発売ですよ~。正直「7巻終了時点で終わりにしちゃっても良かったんじゃね?」とも思ったのですが、まだまだ続くようで、それならばこちらもとことん追いかけてやろうじゃないか、と。
めでたく前巻にてカップルが成立したわけですが、嬉しい気持ちと同時にとある懸念が。それは、
「このままじゃ、会長がド直球ツンデレを繰り出すだけの、単なるニヤニヤ漫画になってしまうのではないか!?」というもの。カップル成立明けの第33話では、その予想を遥かに上回るようなニヤニヤ展開を用意してきました。

(・∀・)ニヤニヤ。33話この回だけで、美咲の赤面シーンが実に
27カットも描かれています。ニヤニヤが止まらない。
いやね、それでもいいんですよ、「素直になれない会長可愛いなぁ…」っていうだけでも。でもそれだけだと、ワンパターンにはまり込んで、結果としてストーリーが食傷気味になっちゃうんじゃないかという想いもあったりして。けどそこは藤原先生。しっかりと話を展開する種を用意してあります。それが、碓氷の本心と出自について。今までは、ただがむしゃらに走り続ける会長を、自らのペースにはめ込み、余裕を持って手のひらの上で転がすというような、いわば碓氷>美咲というようなパワーバランスだったわけですが、その関係性に、8巻では若干の変化が。
今までも、会長に不測の事態(物が倒れかかってきたり)が起きた時に、心の乱れを見せることはあったものの、それ以外では基本的に心は鉄壁ガード。そんな彼の余裕を崩したのが、鮎沢家の人々と、陽向でした。生活レベル的にはかなり恵まれた状況であると思われる碓氷ですが、その佇まいはどこか寂しげ。自ら望んでそういった状況になったのか、はたまた望まずしてそういった状況に陥ったのかはわかりませんが、鮎沢家にあるような、家族の温かさは、彼の心に何かしらの影響を与えたようです。そして、そんな鮎沢一家に溶け込む陽向を見て、さらに拓海の心は揺れ動かされます。

美咲の前で、ほぼ初めて余裕のなさをみせた拓海。果たしてこれからどんな展開が待っているのか…。
これから先、拓海がどんどん自分の弱さを見せ、ありえないぐらい日和っていくなんてことはさすがになさそうですが、それでもある程度の“弱さ”は見せていくことになるのでしょう。というか、そうじゃなきゃ困るし、それでこそ対等な関係が作られるんじゃないかな、と。というか、ここまで彼の出自についてはほぼ明らかになっておらず、どうしたって気になる事柄を、
「変態宇宙人」の一言で片付け続けてきた藤原先生って何気に凄いですよね。詰め方次第では、1巻でカップル成立まで持っていけなくもなかったお話を、ここまで引っぱったのですから、これからも引っぱること必至。8巻もちょいちょい横道に逸れて、
「一本道でなんていかせるか!!」という、編集さんだか作者さんだかの意思が見え隠れしてます。まだまだ二人が真のカップルになるのには、長い時間がかかりそうですね。ま、それでこそこの作品だと思うので、個人的にはバッチコイという感じでございます。適度にニヤニヤしつつ、適度にシリアスで、ちょいオーバーに横道に逸れる、「会長はメイド様!」をこれからも追いかけ続けますよ、私は!
ちなみに8巻は、陽向メインのお話が中心。彼の、真剣さに溢れた実に清々しい想いが、ひとつの見所になっています。また学校では選挙が開示。盤石の体勢を築く鮎沢政権に対抗してきたのは、思いもよらない人物で…?
また今回は3バカの番外編も収録。コレを読めば、あなたもきっと3バカがもっと好きになるはず。加えて鮎沢妹も登場。一発キャラの気がしなくもないですが、なかなか可愛らしいので、こちらも必見です。
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