このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [オススメ] 2009.01.26
メンズ校和泉かねよし「メンズ校」


ウチの高校は生徒にアルカトラズ刑務所日本支店って呼ばれてる
理由?
さっき言ったように超ド僻地にあるのと
ここは花も枯れる全寮制男子校



■5巻発売です。
 海まで5分。最寄り駅から車で50分。一日二回のフェリー有。徒歩での脱出ほぼ不可能。生徒たちから、「アルカトラズ刑務所日本支店」と呼ばれる全寮制男子高校・私立栖鳳を舞台に繰り広げられる、やりたい盛りの男どもの、青春…いや、性春ボーイズライフ!

 高校時代、大抵の男は性欲を持て余しており、恋にHにやりたい盛り。そんな時期に、あろうことかド僻地の全寮制男子校に入学してしまった!そんな哀しき(?)男たちの学生生活を、「そんなんじゃねえよ」の和泉かねよしが描き上げます。
 
 男子校が舞台ですが、BL的な展開をみせるわけではなく、ストーリーごとに女キャラを登場させます。それは残してきた彼女であったり、家族であったりと、様々。キャラたちは固定ですが、話ごとにスポットライトをあてる人物を変え、読切り形式で展開。
 
 男子校ですから、普段は下世話な下ネタが繰り広げられる。それでも普段接することのない女性を相手にすると、途端に純情無垢な少年になってしまう。10代男子の有り余る性欲と、持ち合わせる純真さが上手に面白く描かれているんじゃないでしょうか。下世話なネタで笑いをとり、純情な面でトキメキと感動を。この使い分けの上手さはさすが和泉かねよしといったところ。男子寮経験がある者(私)からすると、この雰囲気は当たらずとも遠からずといった感じでしょうか。
 

【オトコ向け度:☆☆☆☆ 】
→「男だらけ!?じゃあいいや」なんて考えてる人は損している。これがなかなか読みやすい。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→ときに大げさだなぁという描写もありますが、余裕で目を瞑れる範囲。面白いです。というか好きです。


作品DATA
■著者:和泉かねよし
■出版社:小学館
■レーベル:ベツコミフラワーコミックス
■掲載誌:ベツコミ(2006年9月号~連載中)
■既刊5巻

Amazonで購入する
カテゴリ「ベツコミ」コメント (0)トラックバック(0)TOP▲
コメント


管理者にだけ表示を許可する

この記事にトラックバック
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
タグカテゴリ
月別アーカイブ
リンク
プロフィール

Author:いづき
20代男、Macユーザー。野球はヤクルト、NBAはマジックが好きです。

文章のご依頼など、大事なお話は下記メールアドレスへお願い致します。


■Twitter
@k_iduki

■Mail
k.iduki1791@gmail.com
※クリックでメール作成
RSSフィード
▽最新記事のRSSを購読

a_m.jpg
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Power Push
2012年オススメはコチラ→2012年オススメ作品集


かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。