
ちっちゃくなって見えたものは
決してキレイなものばかりじゃなかった
これからも色々あるかもしれないけれど
だぶんきっと
大丈夫!!
■陸上部に所属し、食欲旺盛な中学生・ななきの日課は、お祖父ちゃんの蔵を漁ってがらくたを入手し、それを売って食べ物を買う資金にすること。仲のいい友達に、憧れの男子がいて、部活も順調…フツーの中学校生活を楽しく送っていたはずが、ある日蔵で見つけた梅干しを口にしてから、それが一変する。なんと、突然体が小さくなるようになってしまったのだ!この秘密を知っているのは、男友達の哉多だけ。果たしてななきの運命はーーー!?
先月発売でしたが、購入し忘れてたので遅れてのレビューになります。ヒロインは、食欲旺盛で元気いっぱいの中学生・ななき。その食い意地がたたり、蔵で口にした特殊な梅干しによって、空腹になると体が小さく(約7センチ)なってしまうという特異体質になってしまいます。その事を知っているのは、小さくなったところにたまたま居合わせた男友達の哉多だけ。何か食べると元に戻る&成長すれば体質改善されるという緩め設定のため、ななきは落ち込むどころかむしろその体質を利用して、色々なことをしようと画策します。とはいえ後先考えず突っ走る性格のため、完全無欠というわけにはいきません。時にはピンチに陥ることも。そんな時、彼女をフォローするのが哉多。

哉多もそれなりの性格なんですけどね、ななきがそれを上回るという。
一応、7時間以上元に戻らなかったら一生そのままという危険性もあるのですが、ヒロインはそれを自覚してない様子。とにかくその体質を利用しようと、突っ走りまくります。そしてそんな彼女のフォローに回される、哉多。この二人、細田版「時かけ」の、真琴と千昭っぽい。とりあえず、ななきは真琴に似てる。設定から、どちらかというと「南くんの恋人」的な雰囲気を予想していたのですが、こういうヒロインのほうが話は面白くなるよね、と。ただそれゆえに、ヒロインの身勝手さに苛つきを覚えるかもしれません。周囲の面々が、非常に「良い人・常識人」のラインにいるのに対し、ヒロインだけは勝手にハチャメチャ、しかも悪びれる様子もない。まぁ真琴が高校生だったのに対し、こちらは13歳ですからね、仕方ないっちゃ仕方ないか。
またこんな設定ですが、メインで描かれるのは、ファンタジーアドベンチャー的な大きな物語ではなく、小さくなったことで見えてくる、身近で等身大の、中学生たちの心情。少女マンガですから、当然恋愛方面のお話が多いのですが、その描写はとっても丁寧。もっと小さくなるという設定を活かしても良いとも思うのですが、全体的なバランスはそこまで悪くないと思います。テンポも非常に良く、終始楽しんで読めました。
【男性へのガイド】
→「時かけ」の名前を出しましたが、作風が似ているというわけではないので悪しからず。軸は少女マンガ的ですが、コミカルな掛け合い多めでテンポも良く、全体的に読みやすいと思います。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→後半伏線多かった気がするのですが、これ一本のラインで繋がるのか?最終的にどういう落とし方になるかはわからないものの、現時点ではそれなりに楽しめているので、このぐらいで。ちゅちゅらしさが出た楽しい作品です。
作品DATA
■著者:七島佳那
■出版社:小学館
■レーベル:ちゅちゅコミックス
■掲載誌:ちゅちゅ(2009年3月+4月合併号~連載中)
■既刊1巻
■価格:400円+税
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