
今日やっと…
あなたに一歩近づくことが出来る
名前も知らない
私の王子様
■11年前に出会った初恋の王子様に会うため、大学入学を機に青山にあるマンションへやってきた清宮雫。ところがマンションの住人は、たくさんの老人と、意地悪な先輩だけ!?叔母の管理するマンションで、管理人手伝いをするという話で来たはずなのに…。なんとここ、実はマンションではなく、自立型の老人ホーム。両親と叔母の差し金で、本当のことを聞かされずにやってきてしまったのだ。果たしてこんな所で、王子様は見つかるの!?王子様探しは前途多難の予感…!!
タレントの浜田翔子さん原案の「コスプリ!」(→レビュー)と同じく、こちらも芸能人が原案を担当した物語。こちらの原案者は、一時期メガネアイドルとして話題を集めた、時東ぁみさん。だから女性メインの連載媒体で、男性ファンが多いと思われるアイ(ry…。久々に時東ぁみさんの名前聞いたんですが、未だにつんく♂プロデュースなんですか?ま、それはさておき、作品のレビューを。お話は、過去に出会った王子様との再会を夢見るヒロインが、老人ホームのお手伝いをしながら、王子様探しに奔走するというもの。前述の「コスプリ!」が、少女マンガっぽさバリバリの内容だったので、「老人ホーム」が出てきた時は驚きました。時東ぁみ…侮れん。賑やかで変わり者揃いの入居者相手に、同じ大学に通う先輩の指導を仰ぎながら、老人ホームの一員として溶け込んでいく様子が描かれていきます。その結果として、メインである王子様への道筋が示されるという感じ。ちなみに舞台は老人ホームですが、自立型老人ホームであるので、介護云々といったお話は出てきません。

自立型老人ホームということで、皆さん健脚でとっても元気。そんな中にヒロインは飛び込んでいく。
王子様探し×老人ホームという組み合わせが非常に目新しい、面白い試みとなっているのですが、現時点では「バランスが上手く取れていないなぁ」という印象が強いです。多分この違和感は、入居している老人たちと、ヒロインの目線の高さによるものなのかも。序盤からヒロインは「王子様を探しているので協力してください!」と言い、紆余曲折ありながらも、事実上老人ホームでの“主役”の座に就き、さらにそんなヒロインと、同じレベルでやりあったり楽しんだりしている入居者たち…この流れに、違和感を感じざるを得ないというか。別にそういう感じでも良いのですが、老人ホームをせっかく舞台に選んだのだから、同じラインでやり合うのではなく、ヒロインたちを一段上から優しく見つめ、時に受け入れ、時に道筋を示してあげる…みたいな方が物語としては深みが出そうな気が。歳の差がありながら、やっていることは同居もの・学園ものとそう大差ない状況。設定が設定だけに、なんとももったいないという印象(あくまで私の好みの問題ですけど)。ただメインの“王子様探し”にはそれほど影響が出ているわけではないので、これでも全く問題ないのか。
【男性へのガイド】
→わからん。…けれど、これから王子様との再会という方向に持っていくのだとすれば、女性向けの感が強くなってくるのかな。ただ何かありそうな長髪の老人が、パワー炸裂させれば、色々な意味で万人向けの感じになるのかも。
【私的お薦め度:☆☆ 】
→もっと面白くなって良いはず…。少女マンガとしてなら「コスプリ!」で、もっと枠を広げたマンガとしてならこちらがオススメ。
作品DATA
■著者:時東ぁみ/唐花見コウ
■出版社:ソフトバンククリエイティブ
■レーベル:FlexComicsフレア
■掲載誌:フレア(2009年6月~連載中)
■既刊1巻
■価格:560円+税
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