
今まで「運命」だと感じた物は
全て
彼が作っていたのだと
改めて知った
■長山えい先生4冊目のコミックスです。短編5編を収録。
では表題作「恋してますから。」をご紹介。運命みたいな恋がしたい。そう思っているヒロイン・鈴は、電車でいつも見かける男の子・歩人くんが気になっていた。ある日、電車にケータイを忘れてしまったが、なんと歩人くんが拾ってくれていた。それがきっかけで、二人は急接近。付き合うことになる。すべてが理想通りだったが、歩人くんが隠している「ホントのこと」を知ってしまい…!?
高校生の恋愛を描いた短編集になっています。ムダにロマンティックにしようとはせず、あくまで設定のなかで等身大に。そんな意図が見て取れる作品たちでした。特に表題作「恋してますから。」や、男の子が主人公でファンタジー要素のある「雪中開花」などはなかなかの出来なんじゃないでしょうか。一方で「ん?こんなもんなのか」というようなお話も。発表時期が違うというのもあるとは思いますが、作品の出来にバラツキがあるような。とはいえどれもある程度の水準にはありますし、安定感なんてものは描けば描くほど増してくるはず。今後の作品が楽しみです。これからも追いかけたい作家さんですね。
【オトコ向け度:☆☆ 】
→「雪中開花」は男の人にも読みやすいはず。ただ全体的にはやっぱり少女マンガ。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→良作短編集。楽しく読めました。今後の作品に期待。
作品DATA
■著者:長山えい
■出版社:小学館
■レーベル:ベツコミフラワーコミックス
■掲載誌:ベツコミ(2008年1月号),デラックスベツコミ(2006年初夏の超!特大号,2006年秋の超!特大号,2007年冬の超!特大号,2008年秋の超!特大号)
■全1巻
■定価:400円+税
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