作品紹介はこちら→末次由紀「ちはやふる」
5巻レビューはこちら→《気まぐれ続刊レビュー》末次由紀「ちはやふる」5巻
末次由紀「ちはやふる」(6)
運命戦?
ふざけんな
運命なんかに任せねぇ
■6巻発売しました。
千早に刻み込まれた、クイーン・若宮詩暢の圧倒的な強さ。より速く、より鋭く !更なる高みを目指して、練習に励む千早だったが、彼女に向けられた先生からのアドバイスは、あまりに意外なものだった。「速く取るのをやめなさい」 速さへの執着を捨てる事が、クイーンへと進んでいく道しるべになる。しかし、速さだけが信条の千早は思い悩む。そして迎える大会。初めてのA級の試合に、胸が高なる千早だったが…!?
何故かうちにクイーン・若宮詩暢嬢の名前を検索して辿り着かれる方が多いので、6巻でもチャンスがあれば特集でもしようかと思ったのですが、さすがに出ませんでした。彼女については7巻以降におあずけ。とりあえず5巻レビューで彼女のアスリートっぷりを説いてますので、ファンの方はそちらをお楽しみください。
6巻では、それぞれが個人戦に出場。千早は初のA級の試合に、太一と肉まんくん(西田)はA級昇格を賭けB級戦へ、そして机くん(駒野)と大江さんはC級昇格を目指しD級戦へそれぞれ出場します。A級の壁の高さを目の当たりにする千早に対し、残りの四人は順当に勝ち進み、なんと全員決勝へ。部員同士での決勝戦という、千早にとってはなんとも応援しづらい状況に。そんな中、千早が目を奪われるのは、A級の試合でもなくB級の試合でもなく、D級の試合。まだまだ駆け出しではあるものの、相手の特徴をつかみ、自分の長所を最大限に活かす戦い方をする机くんと大江さんに、千早の視線は釘付けになってしまいます。
この巻は、「千早の弱点」が浮き彫りになると同時に、「相手から学び取る」ということが一つテーマとして掲げられているように思います。それを補完するのが、データで弱点を示した机くん、文化面で千早に新たな視点を与えた大江さん、そして相手を観察することを教えてくれた、対戦相手の金井さん。そんな流れでふと思ったのが、「主要登場人物には、必ず何かしらの役割が与えられている」ということ。今回であれば、データの机に、文化の大江という感じでしょうか。そしてさらに思ったのが、「肉まんくんの役目は?」ということでした。先の二人は今巻でその存在感を見せつけましたし、太一も、常に千早をサポートし、部長としてチームをまとめる中心人物です。なんとなく千早との絡みが思いつかない西田くん。彼の役割とは、一体なんなのでしょうか?
西田くん。
■普通視点を保つ役目
視点的に、あくまで普通の人というラインで、良い意味で読者寄り。食いしん坊という以外、これといった特徴を持っておらず、また過去に挫折を味わっているなど、その存在が実に人間臭いというか。そんな色々な意味で身近な彼がいることで、私たちはより近い視点から、競技かるたとこの物語を見つめていくことができる…とか。完璧を求めがちな中、どこか適当だったり、いい加減だったりと、その辺もまた人間臭いし、そこが良い。なんていうか、超人化していくことへ、上手い具合に歯止めをかけてくれている気がするんですよね。
■太一のライバル
千早と詩暢、机くんと大江さんというように、競技ものではライバルは必須。そんな中、太一のライバルとなるのが、この西田くんなのかもしれません。本来であれば、太一のライバルとなるのは新であるはず。しかし、現時点での実力差は、思いのほか大きいのではないでしょうか?恐らくこれからもかるたで太一が新に勝つことは、ないんじゃないかなって気がします。あくまで新は恋のライバル、そんでもって競技でのライバルは、肉まんくん。そんな関係ってことなのかな。でも6巻ラストの再会は、かるたでのライバル化の感じがビンビンなんだよなぁ~。だとするとホントに肉まんくんって、なんなんだろう。千早をめぐる新と太一の三角関係も見物ですが、太一をめぐる新と西田の三角関係も、また見物ですよ、ということで。この課題は次巻以降に持ち越し。

これは良い関係。でもイーブンって感じではないんだよなぁ...
■なんか駄文を垂れ流すだけだったので、豆知識でも。
全日本かるた協会HPのかるたQ&Aのコーナーより。真面目なんだけど、質問内容や受け答えがどこかシュール。
■購入する→Amazon
/
bk1
5巻レビューはこちら→《気まぐれ続刊レビュー》末次由紀「ちはやふる」5巻

運命戦?
ふざけんな
運命なんかに任せねぇ
■6巻発売しました。
千早に刻み込まれた、クイーン・若宮詩暢の圧倒的な強さ。より速く、より鋭く
何故かうちにクイーン・若宮詩暢嬢の名前を検索して辿り着かれる方が多いので、6巻でもチャンスがあれば特集でもしようかと思ったのですが、さすがに出ませんでした。彼女については7巻以降におあずけ。とりあえず5巻レビューで彼女のアスリートっぷりを説いてますので、ファンの方はそちらをお楽しみください。
6巻では、それぞれが個人戦に出場。千早は初のA級の試合に、太一と肉まんくん(西田)はA級昇格を賭けB級戦へ、そして机くん(駒野)と大江さんはC級昇格を目指しD級戦へそれぞれ出場します。A級の壁の高さを目の当たりにする千早に対し、残りの四人は順当に勝ち進み、なんと全員決勝へ。部員同士での決勝戦という、千早にとってはなんとも応援しづらい状況に。そんな中、千早が目を奪われるのは、A級の試合でもなくB級の試合でもなく、D級の試合。まだまだ駆け出しではあるものの、相手の特徴をつかみ、自分の長所を最大限に活かす戦い方をする机くんと大江さんに、千早の視線は釘付けになってしまいます。
この巻は、「千早の弱点」が浮き彫りになると同時に、「相手から学び取る」ということが一つテーマとして掲げられているように思います。それを補完するのが、データで弱点を示した机くん、文化面で千早に新たな視点を与えた大江さん、そして相手を観察することを教えてくれた、対戦相手の金井さん。そんな流れでふと思ったのが、「主要登場人物には、必ず何かしらの役割が与えられている」ということ。今回であれば、データの机に、文化の大江という感じでしょうか。そしてさらに思ったのが、「肉まんくんの役目は?」ということでした。先の二人は今巻でその存在感を見せつけましたし、太一も、常に千早をサポートし、部長としてチームをまとめる中心人物です。なんとなく千早との絡みが思いつかない西田くん。彼の役割とは、一体なんなのでしょうか?

■普通視点を保つ役目
視点的に、あくまで普通の人というラインで、良い意味で読者寄り。食いしん坊という以外、これといった特徴を持っておらず、また過去に挫折を味わっているなど、その存在が実に人間臭いというか。そんな色々な意味で身近な彼がいることで、私たちはより近い視点から、競技かるたとこの物語を見つめていくことができる…とか。完璧を求めがちな中、どこか適当だったり、いい加減だったりと、その辺もまた人間臭いし、そこが良い。なんていうか、超人化していくことへ、上手い具合に歯止めをかけてくれている気がするんですよね。
■太一のライバル
千早と詩暢、机くんと大江さんというように、競技ものではライバルは必須。そんな中、太一のライバルとなるのが、この西田くんなのかもしれません。本来であれば、太一のライバルとなるのは新であるはず。しかし、現時点での実力差は、思いのほか大きいのではないでしょうか?恐らくこれからもかるたで太一が新に勝つことは、ないんじゃないかなって気がします。あくまで新は恋のライバル、そんでもって競技でのライバルは、肉まんくん。そんな関係ってことなのかな。でも6巻ラストの再会は、かるたでのライバル化の感じがビンビンなんだよなぁ~。だとするとホントに肉まんくんって、なんなんだろう。千早をめぐる新と太一の三角関係も見物ですが、太一をめぐる新と西田の三角関係も、また見物ですよ、ということで。この課題は次巻以降に持ち越し。

これは良い関係。でもイーブンって感じではないんだよなぁ...
■なんか駄文を垂れ流すだけだったので、豆知識でも。
全日本かるた協会HPのかるたQ&Aのコーナーより。真面目なんだけど、質問内容や受け答えがどこかシュール。
Q;一度にたくさん札に触っているように見えるんですけど、お手付きではないんですか?
A;出た札がある陣地であれば、その陣地内のどこを触ってもお手付きにはならないんですよ。
Q;取ったとき、「はい」って言わなくていいんですか?
A;札を取る時に「はい」と言わなくても、その札に触るか、その札を陣地から出せば、取ったことになるんですよ。
A;出た札がある陣地であれば、その陣地内のどこを触ってもお手付きにはならないんですよ。
Q;取ったとき、「はい」って言わなくていいんですか?
A;札を取る時に「はい」と言わなくても、その札に触るか、その札を陣地から出せば、取ったことになるんですよ。
■購入する→Amazon