
たったひとり…
わたしだけの…
小さな奇跡を…
■2巻発売です。
すれ違う人との出会い、ふとしたきっかけで取った行動…人生って実は、ちょっとした偶然の積み重ねなのかもしれない。あのときとった、何気ない行動。あのとき言った、何気ない言葉。あの時手に取った、何気ない物…そんな何気ないことが、人生を大きく変えることだって、ある。そんな日常の中の小さな奇跡を描いた、珠玉の短編集を、あなたにお届け!
先の雑記で矢沢あい先生と並んで無双状態だった大和和紀先生の、日常に溢れる小さな奇跡を描いた読切りシリーズです。自暴自棄に陥っていた時に、光り輝くガラス片を見つけ、もう一度生きてみようと思ったり、たまたま手に取ったものが、多くの人の命を救う結果になったとか、そういった「奇跡」とも言えないような「小さな奇跡」が題材となっています。中には、「奇跡というよりも、気のもちようじゃない?」なんて思えるような話もあるのですが、いや、たぶんそんなものなんだろうな、ホントに。それを奇跡と思うかどうかはその人次第なわけで、でもそういうことを奇跡だと思ったほうが、人生素敵に感じられるよね、という。

主人公たちは、こころに何かしらの傷を抱えている。小さな奇跡によって、そこから再生していく課程を描く。
基本的にはハッピーエンドで、出来過ぎとまでは言わないまでも、非常にキレイな終わり方をします。ありえないっちゃありえないんですが、それもまた「奇跡」。そこから否定したら、元も子もないですし。ヘタな人が描いたら、ただの安っぽい物語で終わってしまうのですが、そこは実力派、しっかり「読める」作品に仕上げてきています。奇跡と言いつつも、決して神頼みというわけではないですし、その辺は読んでいて気持ちが良いです。捻りや大どんでん返しはないものの、逆に言えばそれだけ真っ直ぐな作品を楽しめる希有な作品とも言えるわけで、そういった類いのお話が好きな方は、ぜひ。
【男性へのガイド】
→男女というか、その人の気質なのかな。偶然を奇跡と思えるか。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→人によって感想に差がありそう。いや、でもこういう考えって大切ですよね。
作品DATA
■著者:大和和紀
■出版社:講談社
■レーベル:KC KISS
■掲載誌:Kiss
■既刊2巻
■各419円+税
■購入する→Amazon