このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [続刊レビュー] 2009.09.24
作品紹介はこちら→鈴木ジュリエッタ「神様はじめました」


07227196.jpg鈴木ジュリエッタ「神様はじめました」(4)


神使にとって
お前以上に優先すべきことなどない
自覚しろ



■4巻裏表紙より…

巴衛が好きだと自覚した菜々生は…


 あ~、好きだと自覚しちゃうんだぁ。。。

学校帰りに巴衛を誘い水族館で初デートを敢行♡
巴衛のさりげない優しさにドキドキしながら勇気を出して告白するが…


 ああ~、さらに告白しちゃうんだぁ。。。

かえってきたのは予想外の反応で!?巴衛の過去が明らかにされる、大波乱の海編も収録した第4巻!!


   ということでのっけから、菜々生が巴衛を好きだと自覚しちゃうくだりと、告白へのドキドキの展開への楽しみが削がれたわけですが、いや~それでもスゴかったですよ!この4巻は!もうこれでもかっていうぐらいにラブでコメしちゃってます。花ゆめレーベルの作品は、そりゃ少女マンガですから恋愛要素はメインで扱われますが、ヒロインの恋心の発露の仕方というのが、どうにも控えめだったり回りくどかったりするんですよね。その「必要以上には伝えない」感じが一つの魅力でもあるのですが、そんな中にポンと、必要以上に想いを伝えちゃうヒロインが出てきたりすると、やけに輝いて見えちゃったりするわけですよ。まぁ何て言うか菜々生のことなんですけどね。とにかく彼女がいい意味で弾けまくった4巻。告白の下りではおもわずニヤニヤしてしまいました…
 

神様はじめました
告白するも、気の迷いだと巴衛に軽くあしらわれてしまう。しかしそれでもなお食い下がる菜々生。そして…


鈴木ジュリエッタ「神様はじめました」
私のこと、可愛いって一度も思ってくれたことなかったの……!?



 このシーンで菜々生に対して、スタンダードな白泉社系ヒロインとは、一線を画すような印象を受けたんですよね。この印象の差はなんなのだろうな、と。作品内の恋愛要素のウェイトで言えば、そこまで極端に恋愛志向というわけではないですし、寄り道もしっかりしています。でもやっぱり違う。
 
 ここで思ったのが、「相手に求めているか否か」という漠然とした答えでした。先ほど、「花ゆめレーベルのヒロインは、恋心の発露が控えめだったりまわりくどかったりする」と書いたのですが、これは単純に恋愛メインで描かれる事が少ないとか、言わずとも繋がっている感覚を堪能しているとかいうわけでもなく、ヒロインの恋愛のスタンスの違いなのかな、と。非常に漠然とした表現になってしまうのですが、白泉社スタンダードのヒロインたちは、相手に「求める」ということを極端にしないんですよね。何て言うか、「恋愛に対して、やけに節制している」というか。それに対し、菜々生は非常に恋愛に積極的(態度とかではなくね)。上の「巴衛は私のこと…好きじゃなかった…!?」「私のこと 可愛いって一度も思ってくれたことなかったの……?」なんてフレーズは、ある種の自惚れなわけですが、これも「節制」していれば出てこない発想で、また思っていたとしても、口にまでは出すことがない気がします。また相手との関係性に対する認識も、若干他のヒロインとは異なるかな…。そういった恋愛に対するスタンスは、むしろ小学館や講談社のヒロインに近い印象。なんだかまとまりのない文章になってしまいましたが、これだけは言える…花とゆめで一番ラブでコメしちゃってるのは、間違いなく『神様はじめました』だ!!
 
 4巻では先の裏表紙の内容紹介文にもある通り、巴衛の過去が明らかになります。多分見所的にはここが一番になるのかな。これは結構後に引きそうですね。また鞍馬に加えて瑞希もレギュラー化が決定。状況は完全にハーレムですが、菜々生の気持ちはそう簡単に揺るがなそうです。また本業である、恋愛成就の神としての仕事に関しては、5巻にて動きがありそう。こちらも広げればかなり面白そうなので、期待したいところです。とにかく4巻は、この作品における一つのハイライトになったことは間違いないと思うので、未読の方はぜひ是非手に取られることをオススメします。というかこの作品、今まであまりプッシュできずにいたんですよね。今度こそプッシュしたい!!と思っていたのですが、果たして魅力を伝えられたのだろうか…。


■購入する→Amazonbk1

カテゴリ「花とゆめ」コメント (0)トラックバック(0)TOP▲
コメント


管理者にだけ表示を許可する

この記事にトラックバック
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
タグカテゴリ
月別アーカイブ
リンク
プロフィール

Author:いづき
20代男、Macユーザー。野球はヤクルト、NBAはマジックが好きです。

文章のご依頼など、大事なお話は下記メールアドレスへお願い致します。


■Twitter
@k_iduki

■Mail
k.iduki1791@gmail.com
※クリックでメール作成
RSSフィード
▽最新記事のRSSを購読

a_m.jpg
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Power Push
2012年オススメはコチラ→2012年オススメ作品集


かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。