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鈴木ジュリエッタ「神様はじめました」
鈴木ジュリエッタ「神様はじめました」(4)
神使にとって
お前以上に優先すべきことなどない
自覚しろ■4巻裏表紙より…
巴衛が好きだと自覚した菜々生は…
あ~、好きだと自覚しちゃうんだぁ。。。
学校帰りに巴衛を誘い水族館で初デートを敢行♡
巴衛のさりげない優しさにドキドキしながら勇気を出して告白するが…
ああ~、さらに告白しちゃうんだぁ。。。
かえってきたのは予想外の反応で!?巴衛の過去が明らかにされる、大波乱の海編も収録した第4巻!!
ということでのっけから、菜々生が巴衛を好きだと自覚しちゃうくだりと、告白へのドキドキの展開への楽しみが削がれたわけですが、いや~それでもスゴかったですよ!この4巻は!もう
これでもかっていうぐらいにラブでコメしちゃってます。花ゆめレーベルの作品は、そりゃ少女マンガですから恋愛要素はメインで扱われますが、ヒロインの恋心の発露の仕方というのが、どうにも控えめだったり回りくどかったりするんですよね。その「必要以上には伝えない」感じが一つの魅力でもあるのですが、そんな中にポンと、必要以上に想いを伝えちゃうヒロインが出てきたりすると、やけに輝いて見えちゃったりするわけですよ。まぁ何て言うか菜々生のことなんですけどね。とにかく彼女がいい意味で弾けまくった4巻。告白の下りではおもわずニヤニヤしてしまいました…

告白するも、気の迷いだと巴衛に軽くあしらわれてしまう。しかしそれでもなお食い下がる菜々生。そして…
私のこと、可愛いって一度も思ってくれたことなかったの……!? このシーンで菜々生に対して、スタンダードな白泉社系ヒロインとは、一線を画すような印象を受けたんですよね。この印象の差はなんなのだろうな、と。作品内の恋愛要素のウェイトで言えば、そこまで極端に恋愛志向というわけではないですし、寄り道もしっかりしています。でもやっぱり違う。
ここで思ったのが、「相手に求めているか否か」という漠然とした答えでした。先ほど、「花ゆめレーベルのヒロインは、恋心の発露が控えめだったりまわりくどかったりする」と書いたのですが、これは単純に恋愛メインで描かれる事が少ないとか、言わずとも繋がっている感覚を堪能しているとかいうわけでもなく、ヒロインの恋愛のスタンスの違いなのかな、と。非常に漠然とした表現になってしまうのですが、白泉社スタンダードのヒロインたちは、相手に「求める」ということを極端にしないんですよね。何て言うか、
「恋愛に対して、やけに節制している」というか。それに対し、菜々生は非常に恋愛に積極的(態度とかではなくね)。上の「巴衛は私のこと…好きじゃなかった…!?」「私のこと 可愛いって一度も思ってくれたことなかったの……?」なんてフレーズは、ある種の自惚れなわけですが、これも「節制」していれば出てこない発想で、また思っていたとしても、口にまでは出すことがない気がします。また相手との関係性に対する認識も、若干他のヒロインとは異なるかな…。そういった恋愛に対するスタンスは、むしろ小学館や講談社のヒロインに近い印象。なんだかまとまりのない文章になってしまいましたが、これだけは言える…
花とゆめで一番ラブでコメしちゃってるのは、間違いなく『神様はじめました』だ!! 4巻では先の裏表紙の内容紹介文にもある通り、巴衛の過去が明らかになります。多分見所的にはここが一番になるのかな。これは結構後に引きそうですね。また鞍馬に加えて瑞希もレギュラー化が決定。状況は完全にハーレムですが、菜々生の気持ちはそう簡単に揺るがなそうです。また本業である、恋愛成就の神としての仕事に関しては、5巻にて動きがありそう。こちらも広げればかなり面白そうなので、期待したいところです。とにかく4巻は、この作品における一つのハイライトになったことは間違いないと思うので、未読の方はぜひ是非手に取られることをオススメします。というかこの作品、今まであまりプッシュできずにいたんですよね。今度こそプッシュしたい!!と思っていたのですが、果たして魅力を伝えられたのだろうか…。
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