
許してください
俺はどうしようもなく
深空が欲しいです
■母を亡くしてから、父親と二人暮らしをしている深空は、社長で多忙な父の代わりに家事を一手に引き受ける、しっかり者で漢前な女子高生。そんな彼女を悩ませる男が、最近2人いる。一人は同じ敷地内に住む、2歳年下で幼なじみの従弟・瑞基。変わり者だが天才的な絵画の才能を持っており、この歳ですでに売れっ子。そしてもう一人は、友達の告白に付き添った際に出会った、違う高校の男子・恵人。出会い頭にキスをしたり、かなり自己中だったりと、イライラさせられることは多いものの、一本筋が通っている人柄には、どこか惹かれるものがある。一緒に居て落ち着く瑞基に、一緒に居て落ち着かない恵人…恋心すらまだわからない、深空の気持ちの行く末は…!?
Maria先生もキャリア16年だそうですよ。そんな長いイメージなかったので、ちょっと驚き。ヒロインは、家事をバリバリこなし、言いたいことはしっかり言う漢前な社長令嬢・深空。そんな彼女が、幼なじみと男の子と、他校の男の子から想われ、その間で揺れるというラブロマンス。ポイントは、ヒロインが社長令嬢であるということ。母親はすでに亡く、一人っ子である彼女は、父親から溺愛されると共に、会社の将来を担う相手を見つけて欲しいという期待がかけられています。そんな中、彼女に想いを寄せる2人の男の子。一人は同じ敷地内に住む年下の従弟で、天才画家として名前の売れている瑞基。これだけだと申し分ない相手のように思われるかもしれませんが、彼の一家は一度破産の危機に陥り、そこを深空の父が助けたという過去があり、関係としてはイーヴンではありません。そのことを2人の両親は強く意識しており、くっつくことがないようにと、幼い頃からプレッシャーをかけられてきました。

社長令嬢ではあるが、おしとやかさとは無縁。言いたいことはハッキリ言う。
もう一人の相手が、他校の生徒である恵人。お嬢様学校に通う深空とは違い、彼の通う学校は地元でも有名なガラの悪い高校。クラスメイトが彼に告白した際、こっぴどくふったのですが、その態度を見かねた深空が食って掛かり、なぜかそれがきっかけで会うように。出会い頭にキスをするなど、かなり勝手な性格ではあるものの、父親のようなシェフになるため日々勉強中と、見所はなかなかあるという感じ。
社長令嬢の相手としてはどちらも難アリな2人。そんな2人の間で、まだ恋心すらしらない深空は、初めてこみ上げてくる感情に困惑します。背景は、完全なB級メロドラマ。そんな中に、一緒に居てドキドキする相手と、一緒に居てホッとする相手…どっちが恋心なの?というテーマを落とし込みます。どちらもそれほどウケる感じはしないのですが、どうなんでしょうか?また、絵に秀でた瑞基に、料理に打ち込む恵人。どちらもその魅力が充分に描き出されているのに対し、想われるヒロインの魅力の裏付けが乏しかったような。一本気な性格で、正しいと思ったことをやり通すといった「芯の強さ」みたいなものは感じられたのですが、これだけだとちょっと弱いかなぁ。独特の絵柄も相まって、時代設定の割にはやけに古めかしい印象を受けてしまいました。韓流ドラマとか、そっち系統みたいな。
【男性へのガイド】
→これはどうだろうか。一昔前のラブロマが好きな方は。
【私的お薦め度:☆☆ 】
→やろうとしていることはわかるのだけど、ワンパンチ足りない印象。個人的にこの手のお話が苦手ってのもありますけど。
作品DATA
■著者:Maria
■出版社:集英社
■レーベル:マーガレットコミックス
■掲載誌:ザマーガレット(平成21年7月号~連載中)
■既刊1巻
■価格:400円+税
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