作品紹介はこちら→*新作レビュー*藤間麗「黎明のアルカナ」
藤間麗「黎明のアルカナ」(2)
おかしいのは…
歪んでいるのは
この世界です
■2巻発売でございます。
不機嫌な姫君・ナカバに不覚にも好意を示しつつある王子・シーザ。不器用ながらも少しずつ歩み寄ろうとするシーザに、ナカバは戸惑う。夫婦とはいえ、相手は敵国の、それも大事な母親を殺した男の息子…そう簡単に心を許すことは出来ない。また時を同じくして、ナカバの身に変化が…。その時その場所に居ずとも、そこで起こったことが分かる、千里眼の能力が開眼。そしてそれを見守るロキは?
異議あり!!
のっけからすみません。とりあえず表紙からですね。なぜロキなのか、と。ここはシーザじゃないんかい、と。これはロキルートフラグですか?物語の流れや伏線以上に、少女漫画の表紙というのは正直なんですよ。いや~、これはシーザ派の自分としては悩ましい…。とりあえず2巻での現状を述べておくと、ナカバは確実にシーザに惹かれています。なんとなく既視感…これは「絶対平和大作戦」(→レビュー)ですね。やっぱりこういう流れになったか。王子がやや強情になった感じで、非常に状況が似ています。ただこちらの方が濃密な物語を紡ぎそうなので、一筋縄ではいかないんだろうなぁ…。

「いいえ嫌い!!」この瞬間を待っていた。(・∀・) ニヤニヤ
2巻にて一番気になったキャラは、ロキでした。相手を理解しようと試みるシーザとナカバに比べ、ロキは徹底してベクルートに敵意を向けています。ナカバがシーザに惹かれつつあるのに…いや、惹かれつつあるからこそ、こういった態度になってしまう。完全な嫉妬です。それも、自分より能力的にも、ナカバと過ごした時間も劣っている、しかも敵の男に負けそうになっているのですから、そのイライラはより大きなものになるでしょう。ただここまで急に来るとは思わなかったです。1巻の決闘にて、シーザに勝ちナカバから祝福のキスを貰った際の余裕を見るとね。
この変化。それと「私がこの世界を変えてみせます」という発言にも違和感が。彼は亜人で、王族の家来のなかでも、より身分は低いはずです。そんな彼が、「世界を変えてみせる」とはこれいかに。この言葉をシーザが言うのであれば、しっくりくるんですよ。だって彼は王位継承のまっただ中にいるわけですから。感情が先走ったのか、自分の力を過信しているのか、はたまた…。俺様系統のキャラじゃないと思ってたのですが、その気はおおいにありそうです。うーむ、解せん。
大穴で、ロキは王族の血を引いてるとか?王族の証は、その黒髪にあるのですが、ロキもまた、亜人とはいえ黒髪(ややブルーがかっている)…いや、さすがにそれはないか…いや、でも。ただどちらにせよ、これから物語を動かしていく、一番の分子になりそうですね。
あともう一つ気になるのは、シーザの兄・カイン。彼は王族なのに、髪の毛が黒じゃないんですよ。たぶん頻繁にシーザの命を狙っているのは、彼なのではないかな、という気がするのですが、やっぱり妻の心がシーザに向いていたり、母親の身分がシーザの母親の身分よりも下だったり、黒髪でないってのは、結構なコンプレックスになるんでしょうかね。
また2巻では、もう1人の亜人の従者の少年・リトが登場。彼の登場が、なにやら彼らの運命を大きく変えていくようですが、果たして。多分この伏線は3巻で発動するんじゃないでしょうか。楽しみ。2巻終えた時点で、ファンタジーとしてもラブロマンスとしても、一定の水準で展開しており、失速するということは全く無いです。素晴らしい。この濃度を保ったまま、是非とも突っ走り続けて欲しいですね。この耽美さは、なかなか白泉社では出せないと思います。小学館ファンタジーの神髄、ここにあり…というのは言いすぎか。でもとりあえず、面白いことは間違いないです。
■購入する→Amazon
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bk1

おかしいのは…
歪んでいるのは
この世界です
■2巻発売でございます。
不機嫌な姫君・ナカバに不覚にも好意を示しつつある王子・シーザ。不器用ながらも少しずつ歩み寄ろうとするシーザに、ナカバは戸惑う。夫婦とはいえ、相手は敵国の、それも大事な母親を殺した男の息子…そう簡単に心を許すことは出来ない。また時を同じくして、ナカバの身に変化が…。その時その場所に居ずとも、そこで起こったことが分かる、千里眼の能力が開眼。そしてそれを見守るロキは?
異議あり!!
のっけからすみません。とりあえず表紙からですね。なぜロキなのか、と。ここはシーザじゃないんかい、と。これはロキルートフラグですか?物語の流れや伏線以上に、少女漫画の表紙というのは正直なんですよ。いや~、これはシーザ派の自分としては悩ましい…。とりあえず2巻での現状を述べておくと、ナカバは確実にシーザに惹かれています。なんとなく既視感…これは「絶対平和大作戦」(→レビュー)ですね。やっぱりこういう流れになったか。王子がやや強情になった感じで、非常に状況が似ています。ただこちらの方が濃密な物語を紡ぎそうなので、一筋縄ではいかないんだろうなぁ…。

「いいえ嫌い!!」この瞬間を待っていた。(・∀・) ニヤニヤ
2巻にて一番気になったキャラは、ロキでした。相手を理解しようと試みるシーザとナカバに比べ、ロキは徹底してベクルートに敵意を向けています。ナカバがシーザに惹かれつつあるのに…いや、惹かれつつあるからこそ、こういった態度になってしまう。完全な嫉妬です。それも、自分より能力的にも、ナカバと過ごした時間も劣っている、しかも敵の男に負けそうになっているのですから、そのイライラはより大きなものになるでしょう。ただここまで急に来るとは思わなかったです。1巻の決闘にて、シーザに勝ちナカバから祝福のキスを貰った際の余裕を見るとね。
1巻決闘に優勝した際、キスの現場を目撃したシーザにむかい:
「そんな怖い顔をなさらないでくださいませ
先程はただナカバ様に『祝福のキス』をいただいただけ」 ニヤリ
↓
2巻シーザを心配したナカバにむかい:
「ナカバ様があの者の名前を呼び
あの者があなたの名を呼ぶたび
私は いっそ斬り殺してしまいたくなる」 ググッ
「そんな怖い顔をなさらないでくださいませ
先程はただナカバ様に『祝福のキス』をいただいただけ」 ニヤリ
↓
2巻シーザを心配したナカバにむかい:
「ナカバ様があの者の名前を呼び
あの者があなたの名を呼ぶたび
私は いっそ斬り殺してしまいたくなる」 ググッ
この変化。それと「私がこの世界を変えてみせます」という発言にも違和感が。彼は亜人で、王族の家来のなかでも、より身分は低いはずです。そんな彼が、「世界を変えてみせる」とはこれいかに。この言葉をシーザが言うのであれば、しっくりくるんですよ。だって彼は王位継承のまっただ中にいるわけですから。感情が先走ったのか、自分の力を過信しているのか、はたまた…。俺様系統のキャラじゃないと思ってたのですが、その気はおおいにありそうです。うーむ、解せん。
大穴で、ロキは王族の血を引いてるとか?王族の証は、その黒髪にあるのですが、ロキもまた、亜人とはいえ黒髪(ややブルーがかっている)…いや、さすがにそれはないか…いや、でも。ただどちらにせよ、これから物語を動かしていく、一番の分子になりそうですね。
あともう一つ気になるのは、シーザの兄・カイン。彼は王族なのに、髪の毛が黒じゃないんですよ。たぶん頻繁にシーザの命を狙っているのは、彼なのではないかな、という気がするのですが、やっぱり妻の心がシーザに向いていたり、母親の身分がシーザの母親の身分よりも下だったり、黒髪でないってのは、結構なコンプレックスになるんでしょうかね。
また2巻では、もう1人の亜人の従者の少年・リトが登場。彼の登場が、なにやら彼らの運命を大きく変えていくようですが、果たして。多分この伏線は3巻で発動するんじゃないでしょうか。楽しみ。2巻終えた時点で、ファンタジーとしてもラブロマンスとしても、一定の水準で展開しており、失速するということは全く無いです。素晴らしい。この濃度を保ったまま、是非とも突っ走り続けて欲しいですね。この耽美さは、なかなか白泉社では出せないと思います。小学館ファンタジーの神髄、ここにあり…というのは言いすぎか。でもとりあえず、面白いことは間違いないです。
■購入する→Amazon