
お前は今日から
俺様の専用カイロだ
■一見普通に見える女子・梓は、平熱が38℃という超高体温の持ち主。夏は地獄のアツさに苦しみ、冬はカイロ代わりに友達たちが群がる。そんな彼女に目をつけたのが、同じクラスの男子・本庄佐槻。彼は梓と正反対の、教室内でもコートにマフラーという超絶冷え性。「お前は今日から俺様の専用カイロだ」その日から、彼の専用カイロとしてベタベタ過ごす毎日。そして気がつけば…!?
体温が低かったり高かったりすると、こんなにもベタベタ触ってもらえるのか…。いや、ないだろ。触ってもらえるといえば、野球をやっていた頃は坊主頭だったので、よく触られていた記憶があります…というどうでもいい世間話。さてこの作品ですが、杉しっぽ先生のデビューコミックスになります。ちなみに杉しっぽでひとつの名前で、姓はないそうです、はい。
ヒロインは、平熱38℃(夏場は41℃)と、どう考えても変温動物な女の子・梓。そんな彼女がある日から、超絶冷え性の男子・佐槻の専用カイロになってしまうというところから、話は始まります。なんの交換条件もなしかよ…というツッコミもあるかもしれませんが、佐槻も梓にとっての冷えピタになるので、ある意味では抜群の相性。最初はそんな形で関係が始まりますが、気がつけばお互いに想いあっているという状況に。キライなのにくっついてなくちゃいけない…という想像通りの流れは1話で終わり。後半は怒濤のバカップル展開となります。

あぁ、バカップルだよ…という周りの視線があるため、鼻につかないのかも。
佐槻は少コミ男子スタンダードな俺様キャラでございます。加えてヒロインも若干バカと、このカップリングはいわば食傷気味。しかしこの作品、思いのほか面白い。もしかしたら今年の少コミ作品で1番笑ったかも。体温が高い&低いというワンアイデアを上手く使っている上に、超絶バカップル展開ということで、もうどうにでもなれ、という感じが妙にツボで。クライマックスは当然少コミラブコメ的な部分なのですが、他にも見所的な部分があり、上手いことこってり感を取り除いたな、という。バカップルというか、バカというか…。でもこれが1巻以上続くと飽き飽き…というかイライラするんだろうなぁ。だからこそこれで終わらせたのは良かったかも。
同時収録のお話も、同級生を宇宙人と勘違いする電波少女と、それを否定しないイタズラ少年のカップリングと、発走がヘンで面白いと思いました。ラブストーリーとしてはどうなのだろうと思いつつも、ぶっ飛び路線でいったらスゲー面白いかも、と思いました。次回作はどういう話でくるんでしょうね。ちょっと気になる。
【男性へのガイド】
→バカ漫画としてみれば読めるかも。基本は少コミのそれですが。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→さすがにオススメにはできないものの、個人的には十分楽しめました。いや、でもオススメはできないです、はい。
作品DATA
■著者:杉しっぽ
■出版社:小学館
■レーベル:Sho-comiフラワーコミックス
■掲載誌:sho-comi(2009年第3・4号合併号~第16号)
■全1巻
■価格:400円+税
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