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Tag [続刊レビュー] 2009.10.03
作品紹介はこちら→高山しのぶ「あまつき」



07227095.jpg高山しのぶ「あまつき」(10)


逃げません!
彼女も死なせません!



■陰陽寮編後半突入。黒鳶・紅が陰陽寮に所属するようになった理由とは…。そして時は戻り、鴇時と陰陽寮との話し合いの行く末は…。

 レビューって程でもないので、サクッと感想だけでも。とりあえず、あまつきサイドに関しては完全に「友情!勇気!冒険だ!」的な流れで解決に導いていくのかしらね、と。鴇時は「手伝ってください!」「だったら仲間だって、前代未聞でいいじゃないですか」なんて言っていて、この考えは変わりそうに見えないですし。えらく遠回りする割に、そこは今どき珍しいくらいにストレートでくるのだな、という。まぁまだ決まったわけじゃないんですけど。
 
 そして久々に朽葉,篠ノ女,鴇時の3人が集結します。やっぱりこの3人が集まってこそですよね。今回改めてそう思いました。篠ノ女も朽葉も記憶が書き換えられており、3人が築いてきた関係は一旦リセットされてしまいますが、それでも意識せずとも息ぴったりと、その奥深くにある絆の深さを伺わせます。記憶は戻るんですかね?どうなんだろう。とりあえず篠ノ女に関しては、なぜ白紙の者でなくなったのかがまだ明らかになっておらず、11巻に後を引く形で持ち越しとなりました。確かに彼岸の記憶がありながら白紙の者でないってのは不思議だったんですよね。だって修正加えるならば、そこから修正しません?天帝は。でも記憶を残した上で…って方がより残酷で“らしい”気もしますけど。だとしたらやっぱり自ら組み込まれていった…ということ?いや、わかんね。
 
 それと緋褪の回想時に、真朱が緋褪に話しかけるシーンが…
 
 「お前達はきたないの?」
 
 周囲の人間にそう教えられた真朱は、緋褪たちにそう話しかけます。それを受けた緋褪は、「私たちは妖に近いけれど別、あれらはお前をこんなふうに優しく撫でてくれないだろう?優しくしてくれる者にはそのように悲しい言葉をかけてはいけない。遊んでくれなくなりますよ?」と返します。その言葉を聞いた真朱は…
 
 「わかった!なら今度あっちにも話しかけてみる」
 
 と言って去っていきます。この「あっち」というのは、おそらく幼少時の梵天でしょうね。これが引き金になっているとはいやはや…。
 
 さて、なんやかんやであまり進んでいないストーリーですが、俄然気になるのは彼岸サイドでの動き。時間軸が早いところ鴇時達が不明になるところまで行かないかなぁ。ここ数巻でなんとなく影の薄かった篠ノ女の過去と考えが、俄然気になってきました。というかもし本当にあまつきサイドでの動きが「友情!勇気!冒険だ!」という方向に流れるのなら、もうあとは彼岸サイドに期待せざるを得ないんすよね。こちらはまだ全貌が見えない状況なので、ワクワク。


■購入する→高山しのぶ「あまつき」(10)bk1

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