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Tag [続刊レビュー] 2009.10.10
作品紹介はこちら→槇村さとる「Real Clothes」
7巻レビュー→《気まぐれ続刊レビュー》槇村さとる「RealClothes」7巻



07228655.jpg槇村さとる「Real Clothes」(8)


自分の軸を持て
自分以外の人間に寄りかかったら
それを失ったとき倒れてしまう
自分の頭で考える
自分の心で感じる
それがお前のいいところだろーが



■8巻発売してました。
 越前屋と松越の合併の最中、精神的にも経営的にも婦人服部門の支柱であった神保美姫が、越前屋を去っていった。今の自分があるのは、彼女がいたからと言っても過言ではない。そんな存在が突然いなくなってしまったショックに打ちひしがれる絹恵。そんな彼女に課せられたのは、合併相手の老舗・松越百貨店の婦人服部門再生という新たな任務!早速松越を視察する絹恵たちだったが、婦人服フロアの空洞化と、強力な老舗イズムに呆然とする…
 
 今月2日に8巻が発売してました。全然気づかなかった…。ドラマ化の影響でしょうね。ドラマに関して言えば、香里奈さんじゃスペックが高す(ry..

 8巻のテーマは、伝統の良さと弊害に、どう対峙していくか。その象徴として描かれるのが、老舗百貨店・松越。格式を重んじる松越は、その伝統を誇りとした従業員教育などは行き届いているものの、同時に長い付き合いのあるメーカーにばかり目が行き、ニーズを見れていないという弊害が起きていました。状態が悪いのは分かっている、けれど変われない。伝統があるゆえの、鈍重さ。そこに経営改革メンバーとして送り込まれる、田畑一行。伝統に固執した松越に田畑は嫌悪感を抱き、早々に「赤字を抱える30社を切る」と明言。体面は穏やかですが、そこには静かな火花が散っていました。
 
 相変わらずアツいです。このアツさの源はなんなのだろうと読む度に思っていたのですが、たぶんそれは、常に対決の構図があるからなんじゃなかろーか、と。8巻でいえば、越前屋と松越のぶつかり合いがあり、絹恵と稲村さんのぶつかり合いがあった。戦いとは、なにも物理的なものだけではないのです。意見を戦わせるだけでも、十分アツいバトルが見られる。前に進むためには、自分の意見を持ち、それを闘わせなければならない。そういった一貫したメッセージが、この作品には込められているように感じます。自分の意見を持たなかったから、絹恵は恋人との関係をこじらせてしまいました。仕事でも最初は意見を持つことも出来なかった絹恵が、今では率先して意見を闘わせる。これこそが一番の成長の証。実生活でもそうなんだよなぁ…でもキャリアが上の人にはなかなか素直に意見を言えないというのが本音。抜粋した台詞と共に、もうひとつ絹恵が放った言葉を、しっかりと胸に刻み付けておこう。

 
黙ってたらやられっぱなしなんだよ?
何を思ってたって考えてたって
無いことと同じなんだよ?
外に出してあげなきゃ
自分で自分を殺したことと同じだよ!?



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