
ライターのお仕事をちょとずつ始めました
一人前には程遠いけど
ほんの少しの自信と
肉がつきました
■3巻発売でございます。
務めていた企業がつぶれ、再び就職活動を始めることになった麦田美苑。4年間働いたけど、潰れても何の未練もないってのはどうなのだろう…。そう思った美苑は、今度はやりがいのある仕事を!と、昔憧れたデザインの事務所に応募する。募集は経理だったが、社長(ベートーベン似)にデザインの勉強もしたい旨を伝えてみると、あっさりOK。個性派揃いの同僚たちにからかわれ支えられながら、美苑はライターとして新たな道を歩み始めた…!
「恋愛ラボ」(→レビュー),「となりのネネコさん」(→レビュー)も絶賛連載中の宮原るり先生の、もう一つの連載作です。先の2作がそれぞれ中学と高校が舞台であったのに対し、こちらは社会人がヒロインとなり、物語はデザイン事務所にて展開されます。ヒロインは、4年間の社会人生活を経た後、会社の倒産を機に憧れだったデザインの仕事を目指しはじめた麦田美苑。経理としての採用だったが、デザインの勉強も同時にさせてもらえることに。彼女の担当はライター業務。クールだけど熱血なデザイナー米原梨絵、体育会系のノリで場に元気を与える営業1年生・粟屋真琴、口の悪さと外面の良さが際立つ先輩営業・梶浦修平、超マイペースな自由人・棚橋裕也、キャリアウーマン臭漂う営業チーフ・大島真理子、笑顔の絶えないデザイン担当チーフ・松山宏、そしてベートーベンルックの変人社長・増田孝作など、個性派スタッフに囲まれながら、ライターとして成長していきます。

何気ない瞬間すら、ネタに変換。このキャラ、ステキです。いないんだけど、実際にいそうなんだよなぁ。
世界観を「恋愛ラボ」と共有しており、「恋愛ラボ」ファンはさらにこのお話を楽しめるかも。スタッフの棚橋さんは、恋愛ラボのレギュラーである鈴音の兄で、本作にもちょこっと登場したりします。あちらは夏緒という爆弾娘を中心に据えてはちゃめちゃなストーリーを展開しますが、こちらは社会人ですからそういった爆弾は用意できません。ヒロインである美苑がやや変度が高めで物語の展開を引っぱりますが、スタッフそれぞれが適度に変わっているので、どこからでもネタを展開できる面白さがあります。「恋愛ラボ」が夏緒という柱をど真ん中に据えて、それを生かす(邪魔しない)形で他のキャラが個性を伸ばしているのに対して、こちらはスター不在ながらも、非常にレベルの高い組織プレーをしているイメージ。どちらも全体として形が整っているので、面白いです。もうね、気がつけばニヤニヤしてるっていう。キャラに萌えてニヤニヤ…ではなく、キャラ同士の掛け合いの中から伝わってくる、恥ずかしさやバカらしさやクサさに起因するようなニヤニヤ。同時にしっかりと成長を感じられる作りになっていますので、マンネリ化せず、常に新鮮さも感じられるという。
私はどう考えても大島さんが好きなんですが、誰が一番人気なんでしょうか?やはりヒロインである美苑?それとも貧乳でツンデレっぽさ漂わせる米子?いや、この作品はキャラというよりも、その関係性が魅力なのか…。でも大島さんがいるからこそ、この作品はお仕事漫画(仕事場漫画)としての空気を保っているような気がしてならないんですよね。そういった所がステキ。ステキメガネです。
【男性へのガイド】
→芳文社だし、宮原るりだし。もう説明不要ですよね。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→もちろんオススメ。いい塩梅でそれぞれにキャラがたっている、そのバランス感が好き。
作品DATA
■著者:宮原るり
■出版社:芳文社
■レーベル:MANGA TIME COMICS
■掲載誌:まんがタイム(2007年7月号~連載中)
■既刊3巻
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