
うちなんて家賃
バナナ196本だよ
■平凡な浪人生・西波一朗。平凡な彼の回りには、なぜか平凡でない人間、平凡でない社会が広がっている。正体不明のお隣さんに、チャレンジ精神旺盛な彼女、そして戦隊もののヒーローが、普通に街を歩いている。平凡に見えて、実は危険と隣り合わせ。一朗を取り巻く超個性的なメンバーが、次々と巻き起こす笑撃の嵐に接近注意!
クッキー連載のギャグ4コマが単行本化。とりあえず、連載期間を見てドびっくり。この作品、連載開始が平成15年と、実に6年も前から連載されているという長期作品になります。そしてこの度第1巻の発売。どんだけ生産性悪いんだと思ったら、第2巻は来年1月に発売と、かなり間隔が狭いです。そういうマーケティングなのかな?確かに1巻発売してから3年とか期間が開いちゃうと、その頃には忘れてそうですもんね。
さて、どんな内容かと申しますと、オーソドックスなギャグ4コマになってます。まぁオーソドックスギャグ4コマってのがどういうラインを突くのかはよくわからないんですが、適度にシュールで、適度にダイナミックで、適度にブラック。正攻法というか、正攻法に捻りを加えてダイナミックに見せるといった印象。

こちらはシュールなネタ。スケールの大小は問わないが、基本的にバカな感じ。それがたまらない。
ネタ的に「似てるな~」と思ったのは、誰もわからないのを承知で言うと、ギャグ王に連載されていたタイジャンホクト先生の「アクロバットバカ野郎」。あるあるネタや下ネタはほぼナシ。日常の一部をありえないモノや規模に変換したり、変人をそこら中に配置するなどしてネタを展開します。主人公は一応西波一朗君となっていますが、彼が全ての話に関わってくるわけではなく、それぞれのキャラごとに独立したシリーズとして存在しているという面が強いです。そういう意味ではにざかな先生の「B.B.Joker」(→レビュー)なんかは構成が似ているかもしれません。
この手のギャグは個人的に大好物。のっけからクスクス笑ってしまいました。しかし読み進めるうちに、毒が抜けたというか、破壊力は落ち気味に。これはいわばギャグ4コマの宿命とも言えるもので、同じようなテンポで似たようなテイストのネタが続くと、どうしても食べ飽きた感が出てきてしまうのです。また回を重ねるうちに、パターンが出来上がってしまったようにも。最初は結構シュールだったり、ぶっ飛んだネタもあったのですが、メンバーが固定化されてからはかなりネタが画一化してしまいました。そうした場合、今度はシリーズ化してストーリーを追いかける的な楽しみを見出していく事になるのですが、1巻ではまだその辺が不十分な気も。ただそれが本格化してきそうな2巻は結構楽しみ。だからこその発売期間の調整なのか?多分私は2巻買うと思います。
【男性へのガイド】
→これは絶対に読める。女性の描くギャグって結構クオリティ高いんですよ?
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→若干尻すぼみの感が。最初が強烈だった分、余計にハードルを高くしてしまった…。ただこれだけの量がつまってこの値段はお得。ギャグ好きは買うべし。
作品DATA
■著者:杉原涼子
■出版社:集英社
■レーベル:りぼんマスコットコミックス
■掲載誌:クッキー(平成15年6月号~連載中)
■既刊1巻
■価格:400円+税
■購入する→Amazon