
くそ~っ
ダメだっ
超カワイくて怒れねェっ!!
■シワだらけの顔に、クリクリでうるゅうるゅのおめめ。正直言ってブサイク…けどかわいい!ぶちゃカワ黒パグの小春と、小春にメロメロな飼い主・耕之助が帰ってきた!ぱっと見コワいみんなだけど、じっくり覗けばあらかわいい。ほっこりでうるキュンなパグライフを、あなたもお楽しみあれ!
犬をフューチャーした作品というのはたくさんありますが、こちらもシリーズ累計7巻を誇る人気シリーズとなっています。お話の主人公は、ブサカワ犬として有名なパグの小春ちゃん。この小春、パグのブサカワという面をこれでもかと肥大させたようなワンちゃんで、食い意地ははってるわ、リアクションが大きいわ、自分勝手だわ…とにかく欲のかたまりのようなキャラクターになっています。パグってホントにこんな身勝手なんですか?そしてそんな小春ちゃんにメロメロな飼い主が、高校生の耕之助くん。無口で強面な彼は、その見ためから若干怖がられやすく、つるむ友達も見ための怖い人たちが多いのですが、内面は至って普通の心優しい青年。その彼が、小春ちゃんの暴走に慌てふためきつつも、最後は「カワイイ~」で片付けてしまう、その様子を楽しむようなお話しになってします。

可愛くないところがカワイイ。そんなパグの魅力を、存分に描き出す。
無口な耕之助くんですが、無口という説明が示す通り、まったく言葉を発しません。言葉を発さない者同士の、表情と行動だけのコミュニケーションが、面白さを増長。無声映画とは違うんだけど、それに通じるものはあるように思います。そんな2人、ないし耕之助くんの言葉を代弁するのが、仲の良い友人連中。彼らもまたコワモテなのですが、小春には弱いという。
わんぱくさや幼さなど、子犬の魅力を真っ正面から描いたのが「モモ缶」(→レビュー)だとしたら、こちらは意地汚さや不細工さをあえてカワイイと思わせる方式。いや、パグの魅力が本来そういうものである以上、内容もそうなってしまうわけですが。この魅力は犬好きというよりは、パグ好きにこそ通用するものであると思うので、その門戸は若干狭めなのかな、と。ただそこに個性的なキャラ達を配置し、てんやわんやさせることでパグだけで完結しない面白さを演出しています。この辺はしっかり工夫しているな、と感心。ただパグ飼おうとはまだ思えない、そんな中途半端な犬好きの私でした…。
【男性へのガイド】
→だから犬というか、パグが好きなら。女性向けとかそういうのはあまり関係ない気がします。
【私的お薦め度:☆☆ 】
→☆の数=パグへの理解度。私はパグがどうも苦手で…。ごめんなさい。
作品DATA
■著者:ひぐちにちほ
■出版社:講談社
■レーベル:KC別フレ
■掲載誌:別冊フレンド(2008年2月号~連載中)
■既刊1巻
■価格:495円+税
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