
いきなり12人くらい弟できねーかなぁ……
■4巻発売です。完結。
私立轟高校図書委員会
ZERO-SUMの人気4コマ作品です。今知ったのですが、ゼロサム史上初の4コマ作品だそうです。気がつけば4巻まで刊行。すっかり定番の作品になってました。
舞台となるのはごく普通の私立高校・轟高校(通称ドロ高)の、普通でない図書委員会。何が普通でないかというと、そのメンバーたちがそろいも揃って変わり者ばかりなのです。自由奔放な委員長を筆頭に、それぞれが好きなことを好き放題やる。そんな感じ。一見するとまったく足並みが揃っていない彼らですが、実は結構いい塩梅に棲み分けが出来ていて、なんとも言えない不思議な絡みから笑いを引き起こしてくれます。

図書委員会のネタもしっかりカバー。抜かりないです。
最初から大量にキャラが登場し、しかも目的もなくバラバラにネタを繰り広げるものだから、序盤は整っていない感がものすごいです。ただその適度なバラバラ感は、キャラが定着して以降、高い安定感を持ってネタの質維持に貢献。ギャグ色の強い作品なのに、読み進めて飽きてきちゃった…ってことがあまりない、希有な作品となっています。こういう作品は、一回定着すると強いです。かれこれ5年程連載を続けているのが、その何よりの証拠。
個人的に一番好きなのが、成績優秀・スポーツ万能・美人で人当たりも良い…だけど重度の腐女子という黒田蝶子。クラスメイトで妄想し、「だってあたし、ホモ大好きだもん!!」と屈託のない笑顔で話す彼女が、この変人揃いの図書委員会のなかでもひと際輝いて見えるのです。「いきなり12人くらい弟できねーかなぁ……」とか、発想がすばらしいですよね。そして彼女がそこまで輝けるのも、暴走する彼女をつっこんだりあきれたりしてくれる周囲のキャラがいるから。特に副委員長・三村真亜子とのコンビは必見ですよ、はい。というか、全体的に女子キャラの方が生き生きしている印象があります。いや、青山あたりも好きだけど、でも女子キャラの面白さは、自らの恥ずかしさをそのままさらけ出して笑いに変換しているような、そんな捨て身感とリアルさが漂っているんですよね。委員長や久仁也あたりは、完全に物語用に作られたキャラという感じがするというか、リアルさがないというか…。
【男性へのガイド】
→男性もこれはイケルはず。基本的にギャグは読みやすいですし、これは男女比も丁度良いですし。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→序盤の壁を乗り越えられるかだと思うのですが、思いのほかその壁は高いように思えるのです。まずは1巻をガッツリ読んでから、それから決めていただければ…。
作品DATA
■著者:D.キッサン
■出版社:一迅社
■レーベル:ZERO-SUMコミックス
■掲載誌:ZERO-SUM(平成17年9月号~連載中)
■全4巻
■価格:552円+税
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