
どうしても
このドキドキを
ムダにしたくなかった
■カワイイものに目がなく、世界でいちばん大嫌いなものは男。そんな村瀬心奈は高校の入学式を控えたある日、頭の悪そうな男たちに絡まれているひとりの美少女を助ける。「みさき」と名乗ったその子と、その場ではすぐに別れたものの、なんと高校で再会。美少女とのまさかの再会に心躍らせる心奈だったが、あれ、スカートじゃなくてズボンはいてる…?なんと「みさきちゃん」は女ではなく男だった!男に触られると鳥肌が立つ心奈だったけど、なぜか岬にだけは拒絶反応が出なくって…!?
長山えい先生の初巻数付き作品です。おめでとうございます。とはいえこの作品、元は3回連載として掲載された作品で、連載終了した後に続編執筆が決定したという経緯があります。ヒロインは大の男嫌いで、男に触れられると鳥肌が立ち、挙げ句殴打などの報復にうって出てしまうという女子高生・心奈。そんな彼女が唯一触れられるのが、同じクラスの男子である岬宏夢。心奈だけでなく、多くの人が美少女と見紛う愛らしい容姿を持つ岬は、当たり前のように心奈と仲良くなっていきます。

“特別”を生み出した可愛らしさは、距離が縮んでいくごとに枷となっていく。
そこから「男慣れのためつき合ってみる?」という流れになり、さらに「ホントに好きだからつき合う」という流れになります。まぁ設定を考えれば当然。男前なヒロインと、カワイイ容姿の相手という、逆転カップル。ここでポイントになるのが、相手役である岬くんの心情です。道ばたで男たちに絡まれている所を助けてもらって以来、心奈のことが気になっている彼は、自分にだけ拒絶反応が出ないという特別なポジションを最大限生かして心奈をつき合うようになります。しかしいざつき合ってみると、心奈の「かわいい」という言葉が胸に刺さるように。特別な立場を最大限利用しながら、その立場に傷つくという矛盾。その矛盾を抱えたまま、岬は彼女と対峙していくことになります。そんな岬の心にヒロインも気づき、どう対処するべきか思い悩むのですが、果たしてどうなる…?という感じ。3話完結予定だったので話としてはすでに完成されており、これからどう展開させるのかが気になるところ。男嫌いを越えた“特別”を手に入れられるか、そこが話の的になりそうです。
なんでプッシュされるのかがわからないなど、色々言われているえいくんですが、なんとなく雰囲気がいいと、個人的には思います。絵柄やストーリー設定などとは別に、流れている雰囲気が、ベツコミの売れ線のソレに似ているというか。ガチャガチャしているけど、忙しすぎずゆったりしている。それぞれズレている要素が、修正されてカッチリハマれば、大化けするんじゃないか、と感じさせるというか。まぁ“その時”が来るかは分からないんですけど(笑)
■作者他作品レビュー
*新作レビュー*長山えい「恋してますから」
【男性へのガイド】
→どちらかというとはっちゃけた2人。オレ様キャラも登場せず、ストーリー的にクセのない作品に仕上がっているので、ラブストーリー好きにはオススメできるかもしれません。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→メインキャラたちはそれぞれ好きです。ヒロインと相手役の姉がカワイイ。連載決定も、ここから大化け…という感じはなさそうなので、このへんで。
作品DATA
■著者:長山えい
■出版社:小学館
■レーベル:ベツコミフラワーコミックス
■掲載誌:ベツコミ('09年5月号~連載中)
■既刊1巻
■価格:400円+税
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