
バカ言うな
いつ俺がお前をちゃんと守れたっていうんだ
それでも
逆転なんて されてたまるか
■亀の神様が住むという沼で、いじめられている亀を助けた、目つきも口も足癖も悪いけど、心はピュアな男の子・夜神健吾。そこに居合わせたのは、健吾の幼なじみで、笑顔がカワイイのんびり天然娘の昼岡蜜香。「亀さん、健ちゃんにお礼が言いたいって言ってるよ」そう笑顔で話す蜜香が心配になり、駆け寄ってみると、ホントに亀が話してる!その亀の正体は、なんと神様。突然の事に思わずその亀を蹴り上げた健吾だったが、それが神様の怒りを買ってしまった。気がついたら目の前に逆転ハニー。健吾と蜜香は、それぞれ体が入れ替わってしまい!?
「お兄ちゃんと一緒」(→レビュー)の時計野はり先生の、LaLaDXとLaLaスペシャルでの連載作品になります。設定はなんとなんと、男女入れ替わりもの。もはや定番を通り越して、使い古されているともいえる設定ですが、描ける人が描けば、しっかりと面白いです。主人公は、心はとってもピュアだけど、目つきと口と足癖が悪い男の子・健吾。その彼が、いじめられていた亀(の神様)を助けるも、思わず蹴り上げてしまったことがきっかけとなり、一緒に居た幼なじみと体を入れ替えられてしまいます。その入れ替えられた相手が、笑顔がかわいいおんびり天然の蜜香。その結果、健吾は目つきの悪い凶犬→ほんわか優しい好青年、そして蜜香はふんわりかわいい天然娘→口の悪い暴力女へと変貌。しかしそれが周囲の人間に「イイ!」と思われ、急激にモテだすように。すると自ずと事件も起こり…という形で話を展開。

蜜香は天然なので、多少のことでは動じない。一方の健吾は、ピュアすぎるために上手く立ち回れない。その対比が面白い。
この作品のツボは、キスによって元に戻るという設定があること。とにかくプラトニックな白泉社作品において、ここまでキスが頻発する作品も珍しいです。ピュアな健吾は当然蜜香を意識するのですが、当の蜜香は超絶ド天然なので、意に介さない様子。トイレも着替えも手こずる健吾に対し、余裕綽々で物事をこなしてしまう蜜香が、ホントに可愛くて仕方ないです。健吾もピュアな分、比較的感情移入しやすいですし、なかなかの組み合わせ。基本的にはその二人のやりとりを、にやにやしながら見守るというのがこの作品の楽しみ方かと。毎度毎度神様を蹴り上げてしまう辺も、敢えて「お約束」的なところに落としているので、無理は感じません。
また健吾版の蜜香に惚れてしまったプレイボーイなどを用意して、ストーリーにも展開を持たせます。まだこの秘密は他人にはバレていませんが、2巻以降ではバレ展開もあるんじゃないかと期待。まぁ私はキス絡みのニヤニヤだけでお腹いっぱいなんですけどね。というか蜜香の容姿と性格がツボに入りすぎているので、もう大満足。
【男性へのガイド】
→主人公は男の子。その分感情移入しやすいと思いますし、ニヤニヤ系統の作品が好きな方は、きっと満足するはず。読みやすいと思いますよ。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→定番シチュを、キャラ設定で生かす。ストーリー的な広がりは期待できないかもしれませんが、そういう読み方をする作品ではないのかな。なんだかんだで面白かったですし、何よりかわいかった。おすすめで。
作品DATA
■著者:時計野はり
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめCOMICS
■掲載誌:LaLaDX(平成21年7月号),LaLaスペシャル(平成20年6/10号,平成21年7/10号 )
■既刊1巻
■価格:400円+税
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