
…じゃあ
オレが恋をおしえてあげる
■ここでじゃんけんグリコすると、運命の恋に出会える…そんな噂のある石段で、何気なくじゃんけんグリコをした小学6年生のちー。そしたら突然、男の子が上から落ちてきた!「好きな人いる?」そう聞いて、チョコだけ渡してその場を去った彼を、ちーは呆然と見送るも、なんと学校で再会。鈴と名乗るその転校生は、何かにつけてちーの心の内に触れてくる。出会ってたった1日だけど、これは確かに初恋だった
フクシマハルカ先生の新連載です。なんて言うんでしょう、なんとも形容しづらい作品となっております。ヒロインは、男勝りでなぎなた日本一の小学6年生・ちー。そんな彼女はある日、噂の石段で不思議な男の子と出会います。その子とは、後日学校で再会。何かにつけてちーの心に入ってくる彼は、「オレが恋を教えてあげる」と約束。しかし翌日、彼は帰らぬ人となってしまいます。そのことに傷つき落ち込むヒロインと、そんな彼女を見て同時に落ち込む幼なじみ。そして時は流れ、残された2人は中学生になります。

心の中に鈴という存在が強烈に印象づけられたちーは、たった1日の恋にも関わらず、これを「一生の恋」と位置づける。
説明がヘタってのもあるのですが、流れは大まかに捉えていると思います。それでもこれだけの断絶。ケータイ小説も驚きの展開の早さがあります。しかもそれがどれも不可解で、かつ大仰。出会って即運命の恋に落ち、しかし彼はちーへの想いを綴った日記のみを残しその翌日にかえらぬ人となる…そして傷心のままに中学へ入学すると、そこには亡くなったはずの鈴に瓜二つの少年がいて…という。これだけの展開が、2話目まで悪い意味で淀みなく進みます。さらにその少年は、過去の記憶を失っていて…という伏線的な設定を用意。それらの過去と、これからを、どう乗り越え関係を築いていくかというところに焦点が当てられます。
とりあえずの準備は全部しましたよ、という段階で1巻は終了。それ故に慌ただしさばかりが目立ったのでしょうが、2巻以降はそれもだいぶ解消されるかな。とはいえ対象年齢でないとこの作品を読み進めるのはしんどい気がします。小学生の割にいちいち大仰すぎる…と思ったらアウトだし。展開早すぎるだろ…と思ってもアウト。これはハードル高いっす。
【男性へのガイド】
→これは厳しいんじゃなかろうか。
【私的お薦め度:☆ 】
→正直「なんじゃこりゃ」というのが素直な感想。基本的には対象年齢の女子児童がおもいきり浸って楽しむような作品ですので、私みたいなのには向かなくて当然でございますね、すみません。
作品DATA
■著者:フクシマハルカ
■出版社:講談社
■レーベル:KCなかよし
■掲載誌:なかよし(2009年7月号~連載中)
■既刊1巻
■価格:419円+税
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