このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [続刊レビュー] 2009.11.22
作品紹介はこちら→音久無「花と悪魔」


07230500.jpg音久無「花と悪魔」(6)


俺はお前と
ずっと一緒にいたいよ



■6巻発売です。
 家に招待した友達・田中蘭子がビビに迫るのを見て、初めて自分の恋心に気がついたはな。しかし気がついたのも束の間、蘭子が正体(大悪魔・モーリッツ)を現し、はなのビビへの恋心をモーリッツへのものに差し替えてしまった!しかも彼の趣味が影響したのか、のほほんキャラ→傍若無人・傲岸不遜の女王様“はな様”に生まれかわってしまって…ビビ大ピンチ!?

 リーチ入りました。「はなの恋心の自覚」ついにはなが女の子に…!しかしそうそう簡単に両思いにはさせません。魔界の王・ビビの差し金で、大悪魔・モーリッツがビビの元に派遣されることに。その彼が変身した田中蘭子によって、はなは恋心を自覚するものの、その恋心は魔法によって、ビビへの思いからモーリッツへの想いへとすり替えられてしまいます。そして出現する、新たな人格・はな様。はなを取り戻すために、ビビはあの手この手を使いますが、結果は芳しくなく…。そんなビビを見て、フェルテンが一言「言ってみたまえよ『お前が必要だ』『行かないでくれ』『愛してるよ』なんでもいいから」。最初は「言うか!」と言っていたビビでしたが、段々と焦りだし、そして…

 結局はなの人格は元に戻るのですが、同時にびびへの恋心の自覚も消えてしまいます。しかしお互いの想いは、両方通行。なんとなく思ったのですが、次に恋心を自覚した時が、ゴールなんじゃないでしょうか。お互いの想いが恋愛感情だとほぼ確定した時点で、それらを越えた領域での優しい関係を描くというのは、非常に難しいです。それはどちらかというと読み手の問題のような気がするけれど。とはいえ今は恋心に無自覚な状況。それが再び発露するまでは、白泉社らしくひっぱりまくるはず(時に褒め言葉、時に貶し言葉)。先生自身も柱のコメントにて…
 

 34話あたりまでで
 皆なんとなくあるべきところに落ち着いたかなと思います。
 なので35話あたりから
 自分の中では第2部だったりするのです

 
 とおっしゃってますし。6巻に収録されているのは、第30話~第35話。第35話では、ついにフェルテンに愛想を尽かし、新しい婚約候補とパーティーに行ってしまうというお話に。7巻はそこから展開されていくのですが、脇役メインの物語展開ということで、本編にはあまり関係のないお話でございます。これを良しとするかは個々人によって違うのですが、しっかりと白泉社のそれにのっかってきましたね。私はどちらかというと脇役のエピソードは好きなので(好きな作品ならなおさら)、こういった展開は嬉しいのですが、果たしていつアガるでしょうか。


■購入する→Amazonbk1

カテゴリ「花とゆめ」コメント (0)トラックバック(0)TOP▲
コメント


管理者にだけ表示を許可する

この記事にトラックバック
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
タグカテゴリ
月別アーカイブ
リンク
プロフィール

Author:いづき
20代男、Macユーザー。野球はヤクルト、NBAはマジックが好きです。

文章のご依頼など、大事なお話は下記メールアドレスへお願い致します。


■Twitter
@k_iduki

■Mail
k.iduki1791@gmail.com
※クリックでメール作成
RSSフィード
▽最新記事のRSSを購読

a_m.jpg
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Power Push
2012年オススメはコチラ→2012年オススメ作品集


かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。