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Tag [オススメ] 2009.11.22
07193085.jpgくらもちふさこ「駅から5分」(1)


そうか
ボクはきみを好きだったんだね



■3巻発売しました。
 東京都豊島区にある、駅から5分の花染町。事故によって記憶をなくした中学生、前世がオーロラ姫だと信じる変わり者の大学生、両親の不仲に心を痛める小学生、一人暮らしをはじめた高校生…。見知らぬもの同士、すれ違うこの町で、重なりあう景色とその想い…

 少女漫画界に燦然と輝く名作家の一人、くらもちふさこ先生の連載作品です。1巻が出るまでに2年を要した大作…というわけではなく、途中で入院してたからなのですが、それでもやっぱり名作でございます。話の舞台となるのは、東京都豊島区にあるとされる、花染町。そこに集まった人々の日々を、オムニバス形式で描いていきます。ちなみに花染町というのは実在しない町ですが、都会的な雰囲気にどこか懐かしさを残したアットホームな匂いをからめた、なんとも味のある町となっています。2話目にて、そのお話の主人公が降り立った駅を見ると、ツツジの植栽が特徴的ということから、駒込駅近辺あたりかと思われます。大学4年間で山手線に乗っており、駒込駅も通過してたのですが、1回も降りたことないや。


駅から5分
風景と暮らしを切り取るから、妙な安心感と味わい深さが生まれる。


 さて、オムニバス形式で話が進むということでしたが、登場人物はほぼ固定。だいたい5チームくらいに分かれてるのですが、それらが入れ替わり立ち替わり展開され、最終的には輪となり繋がるというような形。登場人物たちを数珠つなぎで線にしていくというのが、オムニバスの定番なのですが、そうではなく、イメージとしては三つ編みみたいな感じですかね?最近だといくえみ綾先生の「潔く柔く」(→レビュー)なんかがこれに当てはまるような気がします。まぁあそこまで人物を絞っているわけではないですが、絞り込まないからこその面白さと味わいがあるっていうね。そもそもいくえみ先生はくらもち先生から影響を受けているので、今こうしてこの2作を楽しめるってのは本当に幸せなことなのかもしれません。

 てかこういう形式で、年代もバラバラでも、しっかり少女漫画しちゃってるからスゴい。おとなもこどもも、おねーさんも…。オススメでございます。


【男性へのガイド】
→甘ったるさはない。少女漫画ではあるが、読みにくさはないはず。
【私的お薦め度:☆☆☆☆☆】
→上手いですよ、面白いですよ。単純にくらもちラインの作品が好きってのもあるのでしょうが、それを差し引いても。


作品DATA
■著者:くらもちふさこ
■出版社:集英社
■レーベル:クイーンズコミックス
■掲載誌:コーラス(2005年8月号~連載中)
■既刊3巻

■購入する→Amazonbk1

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
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王国の子
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レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




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レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




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いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
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BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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