このエントリーをはてなブックマークに追加
--.--.--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
カテゴリスポンサー広告||TOP▲
このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [新作レビュー] 2009.11.26
07230981.jpg雪森さくら「王子様拾いました」


ある日
王子様拾いました。



■「極道のお姫様」と巷で恐れられている乃愛は、本当に極道の娘で、組の将来を背負う十代目。気質は極道だけど、それでもやっぱり中身は普通の女子高生。ひとつ上のボディーガードである奏に、絶賛片想い中。しかしその想いも空しく、彼からは「早く好きな男でも作れ」と躱される毎日。しかしそんな日々にもついに変化が。ある日街中を歩いていると、行き倒れた美少年を発見。助けを乞われたので思わず保護すると、なんと彼の正体はとある国の王子様で…!?

 雪森さくら先生の初コミックスでございます。おめでとうございます。ヒロインは極道の娘・乃愛。姫城組は代々女が頭を張るため、彼女はその後継者。当然扱いも丁重になるのですが、その彼女のボディーガードを務めるのが同じ高校に通うひとつ上の男の子・奏。彼はとある理由で姫城組に居候しており、常に彼女の側にいるという状況。そんな彼に、乃愛は絶賛片想い中。しかし身分の違いもあり、その想いは届くことはありません。そんな中現れた、とある国の王子様・橘ハルカ。日本人である母の意向で、単身日本に渡り嫁探し。その末に辿り着いたのが、乃愛だったというわけですが、それにはとある裏があり…という感じ。物腰柔らかに距離を詰めて、ごくごく自然にアプローチをしてくる王子・ハルカと、側で静かに身を守ってくれる奏。その二人の間で、ヒロインである乃愛は心を揺らし続けます。


王子様拾いました
心は奏にあるものの、タイトルが示しているとおり、絡みは王子との方が断然多い。


 同じ集英社でも、別冊マーガレットとマーガレットでは若干毛色が異なるという印象があります。別冊マーガレットは現実重視で、マーガレットはネタ重視みたいな。それゆえにマーガレットからは時折ぶっ飛んだような設定の作品が飛び出すことがあるのですが、この作品もそんなマーガレット色を強く出したような作品になっています。ヒロインは極道の娘で、ボディーガードに恋をする…という設定は、藤原規代先生の「アラクレ」(→レビュー)を思い出しますが、この物語はさらにそこに一国の王子様を投入。しかも彼は王子でありながら、ロシアンマフィアのボスでもあるというスゴい設定。当たり前のようにピストルが出てきて、当たり前のように発砲します。この辺は個々人のモノサシがあると思うのでどうこうは言いませんが、それすらも当たり前に組み込まれてしまう程に、次々と驚くべき展開が続くという。
 
 超展開…というのは普通の流れの中に突如としてスゴい展開が登場するから使われるので、これとは違うのか。とにかく場面場面の切り替わりがもの凄いハッキリしていて、勝つそのふれ幅がものすごく大きいという。こういう作品はさいきんのりぼんでも見られるように思うので、そこから持ち上がってきた読者たちを掴むのにはうってつけかも。まだまだ絵も話も改善の余地はあるものの、ジェットコースターのように展開されるこのノリは、使い方次第では大きな武器になるのかもしれません。


【男性へのガイド】
→男性には向かんかと思いますよー。
【私的お薦め度:☆☆   】
→個人的に合わなかったというのもありますが、まだまだ粗い感じが。とはいえまだ1作目ですし、これからいくらでも。


作品DATA
■著者:雪森さくら
■出版社:集英社
■レーベル:マーガレットコミックス
■掲載誌:マーガレット(平成21年No.13~No.19)
■全1巻
■価格400:円+税

■購入する→Amazonbk1

カテゴリ「マーガレット」コメント (1)トラックバック(0)TOP▲
コメント

雪森さくらせんせー最高!!
From: まい×2♡ * 2010/05/28 20:16 * URL * [Edit] *  top↑

管理者にだけ表示を許可する

この記事にトラックバック
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
タグカテゴリ
月別アーカイブ
リンク
プロフィール

Author:いづき
20代男、Macユーザー。野球はヤクルト、NBAはマジックが好きです。

文章のご依頼など、大事なお話は下記メールアドレスへお願い致します。


■Twitter
@k_iduki

■Mail
k.iduki1791@gmail.com
※クリックでメール作成
RSSフィード
▽最新記事のRSSを購読

a_m.jpg
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Power Push
2012年オススメはコチラ→2012年オススメ作品集


かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。