
俺がいなくなってから
お前は何をやってきたんだ?
■東方第七法術院。現役合格率2割という超難関の名門校。ここに集まった少年少女達は、4年間で魔法を学ぶ。二十二の地の理法をカードとして象徴化し、使用することのできる魔法士として育成されるのだ。先天的に持ちたる象徴を活かし、最大限にそれを利用する。そんな中、二百年ぶりに現れたという貴重な象徴「大気」を宿す少年・七尾が入学してくるのだが…
カードに力を込めて操る学生魔法士を描いたファンタジー作品でございます。物語の舞台となるのは、魔法士を養成する名門学校・東方第七法術院。ここに新入生として入学してきた、やんちゃで奔放な性格の七尾が主人公となります。そんな彼と一緒に過ごすのは、彼のかつての幼なじみで優等生の季佐と、気弱な南天。七尾のその性格が災いしたのか幸いしたのか、入学早々対立グループと仲間できるという状況。そんな彼らが繰り広げる、賑やかで不思議な学園生活を、雰囲気のある絵で描いていきます。

突如現れた謎の少女。主人公の過去だけでなく、さらに謎を用意することで、一層読み手を物語に引きつける。学園の慌ただしい日常を描くような作品ではない。
魔法は22のタイプに分かれ、それぞれに向き不向きがあります。その中でも特に珍しいのが、土星と大気。特に大気は、全ての魔法を無効化するという能力を持ち、非常に重宝されます。そんなゼロ原理「大気」の持ち主が、問題児の七尾。授業態度は極めて不真面目で、素行も良いほうではない。そんな彼ですが、一度魔法の実技となると、新入生とは思えないような腕の良さを見せます。それは才能というよりは、彼の過去が大きく関わっているらしいのですが、それについては多くは語られず。後に大きな物語として明かされていくのでしょう。そのきっかけとなるのかはわかりませんが、1巻ラストでは謎の女の子が登場。物語が本格展開してくるのは2巻以降なのではないかと思われます。引きも良かったし、オススメするかは別として、続きが非常に気になりました。もしかしたら大化けもあるかも…
異世界での学園モノで、クラス内に対立構造が…というと「イルゲネス」(→レビュー)を思い出しますが、むしろ雰囲気として近いのは、「ハリー・ポッター」だったりする。魔法を使うからっていうのもそうなのですが、主人公がかなり行動的で、あらぬことにまで首を突っ込んでしまうあたりなども。ただ彼の場合、正義感が強いとかってわけではなく、単に好奇心旺盛なだけなのですが。
【男性へのガイド】
→男のみでの展開でもそれなりに楽しめるとは思うものの、ラスト付近で登場した少女にあらなる期待を。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→引きが良いだけに、おすすめにしようか非常に迷うところ。ただ現時点ではどちらにでも転ぶので、判断は次を読んでからでも良いかな、と。
作品DATA
■著者:瀬之たつね/高宮あや
■出版社:一迅社
■レーベル:ZERO-SUMコミックス
■掲載誌:ZERO-SUM(平成21年6月号~連載中)
■既刊1巻
■価格:552円+税
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