高河ゆん「LOVELESS」(1)
思いもしなかった
こんなに …
好きになるなんて■9巻発売です。
小学6年生の少年・青柳立夏は、2年前に唯一の理解者であった兄を殺されたことをきっかけに、心を閉ざしてしまっていた。そして転校。その初日、彼の前に亡くなった兄の友人だと名乗る青年・草灯が現れる。挨拶もほどほどに彼は、立夏に彼の新しい主人(サクリファイス)になってほしいと告げられる。状況もわからぬままに、めくるめく運命の波に呑まれていく立夏の行く先に待っているものとは…
ワケわかんねーだろう!?(ゴー★ジャス調)高河ゆん先生の一迅社での連載作になりますが、きっとあらまし紹介読んだだけじゃ全くわからなかったろうと思います。でもそれでいいのです。高河ゆん先生の作品というのは、常に難解で、それこそが魅力なのだと思うのです、きっと。それでも説明放棄するのはいかがなものかということなので、ざっくりと紹介すると、主人公の立夏が殺された兄の死の真相を、パートナーとの戦闘協力によって明かし、同時に彼自身の問題を解決していく…みたいな。あれ、ざっくりしすぎたな。しかし説明しすぎるとそれはそれでわけわかんなくなっちゃったり。

ほんのりBL風味。ご覧の通り、動物耳でございますよー。
まず主人公の立夏は、2年前に人格交代していて、記憶が最近2年分しかありません。母はそのことを気に病み、入れ替わった新しい立夏を忌み嫌うという状況。そんな彼の唯一の理解者だったのが、彼の兄なのですが、その兄は何者かによって惨殺されてしまい、以来立夏は完全に心を閉ざしてしまいます。そんな彼の前に現れたのが、兄のパートナーだったという草灯。ここの世界の戦闘は少し変わっていて、ダメージを一手に受ける主人・サクリファイスと、守備攻撃を担当する戦闘機の2人にわかれ、言葉を具現化(スペルバトル)して闘います。そのパートナーとなるのが、立夏と草灯。そして向かう先は、当然のことながら兄を殺した集団。
高河ゆん先生といえば、同人界で一時代を築いた作家さんですが、そのときから作品は独特の世界観で構築されており、読み手にとっては非常に難解。それがひとつの魅力になっているのでしょうが、それがだめだともう無理。Amazonのレビューも二分してますね。同人畑の大御所といえばCLAMP先生などもいますが、こちらもまた独特の世界観。この2組は一般的なジャンルというよりは、それぞれ“高河ゆん”“CLAMP”というジャンルを構築しているのでしょう。だからそれを強要することはできないし、読みたいと思った人だけが進んでいけばいいし、ハマった人だけでディープに展開するのが正しい姿かと。そもそも同人時代から絶大な支持があった作家さんですから、読むべく人はすでに読んでいるでしょうしね
【男性へのガイド】→若干BLっぽい匂いも漂わせつつ。ただショタに希望を見出そうかしら。キャラはみんなかわいいですよ。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】→1か100かの両極端という感じ。こういう作品はオススメしづらいし、そもそもオススメを必要としていないのでは。
作品DATA■著者:高河ゆん
■出版社:一迅社
■レーベル:ZERO-SUM
■掲載誌:ZERO-SUM
■既刊9巻
■価格:各552円+税
■購入する→
Amazon
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