
どうして人は
報われない恋をするんだろう
■読切り4編を収録。ということで1話目をご紹介。
金髪でいつも傷だらけの問題児、内海。中学のときクラス委員だった茉莉は、問題ばかり起こす彼をいつも注意する立場にいた。人一倍手がかかるため、ちょっと迷惑であると同時に、いつも友達から慕われているところが、ちょっと羨ましくもあった。そして迎えた卒業の日、彼は茉莉の卒業アルバムに意味深なメッセージを残す
期待の新人吉永ゆう先生、早くも3冊目でございますよー。ということで今回も短編集。今回は計4編の読切りが収録されています。中学時代、クラス委員長と問題児だった二人のその後を描いた「夏色メモリアル」。自分の親友に片想いしている男の子に片想いしてしまった女の子を描いた「君と私の片想い」。大嫌いだった生意気な後輩からの、不意打ちのキスに揺れる「スキよりもキライ」。受験を前に、遠くの大学へ進もうとしている彼を好きになってしまった「雪に願いを」。どれも高校生がヒロインで、彼女たちの揺れる想いをベツコミ的にセンシティブに描き出していきます。

誰にでもありそうなシチュエーションを描いた方が、より輝く気がします。
ベツコミはお試しの短期連載って少ないんですかね?3冊目も読切り集ということなのですが、相変わらず高いレベルで安定しています。ただ全体的に地味な印象は未だ拭えず、そうなると読切りだけで展開するのは、つまらなくはなくとも飽きが来てしまう気も…なんて思ったら連載決定ですってよ!これは楽しみです。何やらデビューほやほやで読者アンケ1位だったとか。やっぱりハマりましたか。
作品の感想を書くと、どれもヒロイン自身の想いのたけを少ない動きで表現する、考える恋愛を地でいくような作風が相変わらず心地よいです。新人として見てもレベルが高いと思うのですが、それ以上に連載誌にフィットしたというのが大きいのかな。たぶん話の引き出しはそんなに多くないと思うのですが、それでもしっかりと読める作品に仕上げるあたりはさすが。この辺は数勝負の読切りから、連載に移行することで多少は解消されるでしょうし、要するに連載楽しみだってことです。
【男性へのガイド】
→1対1の恋愛作品がスキな人には良いかもしれません。基本的には女性が読んでこそだと思いますけど、男の子のキャラが鼻にかからない辺とかはプラスに働くのかな。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→一定のクオリティを保ち続けたまま連載へ。楽しみですね~。ってあんまりこの作品の感想書いてねぇや。。
■作者他作品レビュー
*新作レビュー* 吉永ゆう「罪恋」
*新作レビュー*吉永ゆう「片想いの向こう側」
作品DATA
■著者:吉永ゆう
■出版社:小学館
■レーベル:ベツコミフラワーコミックス
■掲載誌:ベツコミ,デラックスベツコミ
■全1巻
■価格:400円+税
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