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Tag [続刊レビュー] 2009.12.01
作品紹介はこちら→*新作レビュー*田島みみ「君じゃなきゃダメなんだ」


07230847.jpg田島みみ「君じゃなきゃダメなんだ。」(2)


やさしく…してほしい…
朝あいさつしたら笑って返してほしい
少しずつでいいから
蒼くんの話聞かせてほしい…
心配してくれて…ありがとう



■2巻発売ですよ。
 蒼が本当に兄だと判明し、晴れて妹として一緒に住みはじめた菜花。家族ができて喜ぶ菜花だったけど、なぜか蒼は前にも増して冷たい態度をとってくる。一方紅はというと、菜花との同居が彼女である紫苑にも知られ、なんだか気まずい雰囲気に。一応当事者として二人の仲をとりもとうとする菜花だったけど…?
 
 前巻の表紙が菜花×蒼だったので、すでにルート確定かと思ったら、今度は菜花×紅ということで、一応まだどちらに転ぶかわからないという状況なのかな。2巻では主に紅に関しての話が描かれます。どうにも菜花が気になる紅と、それを敏感に察知する紫苑。紫苑と菜花は友達ですから、紫苑はその立場を利用して菜花に紅との仲を取り持ってもらうよう頼みます。まぁこの措置は、復縁というよりは菜花を紅に近付けさせないという思惑があるからだと思うのですが。
 
 しかしみんな自分勝手でございますです。ヒロインは自分が正しいと思うことをただただ信じて行動するし、蒼は菜花との距離の取り方がわからずに乱暴な態度になってしまうし、紫苑は紅を手放さないためにあれやこれや菜花にするし、紅は紅で菜花を好きだと自覚するや否やいきなりキスしちゃうし…素晴らしいです。青春ってのはこれくらい自分勝手でいいのですよ。それでもみんな精一杯で、どうしようもなくなってそういう行動に出てるわけですから。この身勝手さは良い身勝手さ。自重せずに全力でぶつかりあえば良いさ!
 
 しかしヒロインの菜花がかわいい。田島先生の絵が好みなのでしょう。ただ男の子はやや耽美な感じになりすぎる気も。そのバランス感が難しい…。
 
 面白いかは別として、とりあえず読みやすいわかりやすいってのはプラスなんでしょう。疲れた時とかでもすっと頭の中に入ってくるので、気楽に楽しむことができて良いですね。こういう作品てのは本棚に必要なんですよ、うん。


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