
ふふ…
彼女は
どんな運命をたどるのかしらね…
■闇のように黒い蝶、瞳が世界が闇に染まる
こはく那音先生の新作でございます。少女たちの心の闇を描く問題提起ホラーで、1話読み切り形式で話が進行していきます。各話で主人公になるのは、何かしら悩みを抱えた少女たち。例えば好きな相手に想いを伝えようとしたら、友達に出し抜かれてしまった子であるとか、母親の監視の目が厳しすぎて友達と遊べない子であるとか、いじめられっ子であるとか。その子たちが自分の不幸を嘆き悲しんだ時、この神社が出現、彼女たちの願いを叶えます。前提として彼女たちはこの神社のことを噂で知っいるということがあり、神社につくとすぐに状況を理解、包帯に願いを書くという行動に移ります。そんな神社で、悩める少女たちを誘い、様子を監察して楽しんでいるのが、表紙に出てくる包帯少女というわけ。

少女たちには願いを叶えるアイテムが渡される。いつか壊れるものとして与えられるので、不思議な力の終りがはっきりと分かって良い。
簡単に言ってしまえば、ちゅちゅ版の「地獄少女」みたいなもの。ヒロインたちは願いを成就させると同時に、その力に溺れ身を滅ぼしてしまうというのが定番の流れになります。しかしヒロインたちはその力に溺れてしまったとはいえ、不幸から開放された後のたった一度の過ちで、永遠の苦しみを味わうことになるってのは、ちょっと残酷すぎやしないかい?というのが個人的な感想。でも問題提起ではなく、ホラーとして捉えるのならこれもありなのか…。問題は提起するけど、解決するとは言ってないもんね。この突きはなし具合が、「強欲になると痛い目みるよ」ではなく「結局は自分の力で解決しろよ」というラインにまで感じてしまうわけで、ある意味怖かったです。2巻では包帯少女に関する話が展開されるようなのですが、確かに気になりますね、いろいろな意味で。
作者のこはく那音先生はちゅちゅ生え抜きの作家さんで、ちゅちゅ休刊後の去就が注目される先生のひとり。まだ発表はありませんが、すでにちゃおDXにて読み切りを発表しているので、やはりちゃおが移籍先として濃厚なのでしょうか。このままの路線を維持するのだったら、なかよしで「新・地獄少女」(→レビュー)、りぼんで「絶叫学級」(→レビュー)あたりとホラーで三つ巴になって面白そうですね。
【男性へのガイド】
→女子同士のいざこざからの展開なので、まずそこをクリア出来るか。性別よりも対象年齢の問題かな。
【私的お薦め度:☆☆ 】
→結末がワンパターンなので、余計救いようがない感じに。それを怖くて良いと取るか、残酷すぎると取るか、良い教訓になるととるか…。
作品DATA
■著者:こはく那音
■出版社:小学館
■レーベル:ちゅちゅコミックス
■掲載誌:ちゅちゅ(2009年4月号~連載中)
■既刊1巻
■価格:400円+税
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