作品紹介はこちら→*新作レビュー* 山田デイジー「ボーイフレンド」
山田デイジー「ボーイフレンド」(2)
あとで見られるメールとちがって
アイスは
いま 一緒に食べないと
とけちゃうんだよ?
■2巻発売でございます。
クラスでも浮いていた男子・空木に告白した聖姫だったが、その返事はないまま。そんな中、転校の理由が前の学校でのいじめだったとバレ、それが優に優しくされている聖姫を良く思わない女子たちがそれをネタに彼女を攻撃。聖姫はまたしても学校に行けなくなってしまう。けれど空木の存在を支えに、もう一度立ち上がった…!そして夏、聖姫がもっぱら気になっているのは空木と親しげに話す、年上の女の人の存在。みんなで行った海で、昔空木が好きだった人を兄に取られたというウワサを聞いて…!?
2巻登場、1巻とは打って変わってヒロインには厳しいストーリーが続いていきます。ヒロイン・聖姫はもともといじめられっ子。心機一転転校したものの、その時に受けた心の傷は未だ癒えていません。新しい環境でもそう簡単には適応できない彼女でしたが、クラスのはぐれ者である空木が支えることで、なんとか挫けずに新たな学校生活をスタートできました。完全にはクラスに染まらない二人。当然お互いの距離も、少しづつ近づいていきます。そして聖姫の告白。流れとしては完璧に近いハズなのですが、空木はそれをスルー。それにはとある理由があり、彼にはフラレても未だに想いを断ち切れない女の人がいたのでした。自分への優しさは、気休めの優しさでしかない…。そのことを実感した聖姫は、深く傷つくものの、彼への想いはそう簡単に消えるはずもなく…という感じ。とにかく厳しい。
物語には、かならず主人公の壁になるものが登場するのですが、ここまで厳しいのはあまりないのではないかな、と。おそらくレベルとしては大したことがないのだけれど、設定及び1巻の流れからすると、この仕打ちはかなりきびしい。
支えてくれた大好きな彼は、自分のことなど見ていないし、転校先でもいじめまがいのことに遭うし、彼の憧れの女性はちょっと意地悪…。まずはじめに、ヒロインはいじめられっ子で心に傷を持っているという設定があり、そこに彼女を支える存在である空木が投入されることによって、一緒に傷を癒し次のステージへ進んでいくというような構造を、1巻の時点では予感させていました。言ってみれば空木は聖姫にとってまさにヒーローで、常に彼はヒロインの味方でいてくれる存在。イメージとして近いのは、「君に届け」(→レビュー)の風早くんですね。しかし告白以降、彼の想い人の登場によって、空木は常に聖姫を受け入れてくれるヒーローではなくなってしまいます。そして2巻、その傾向が顕著に現れるように。そんな中、まだ傷も癒えきらないヒロインが、たった一人で問題と向き合う姿は、非常に痛々しかったです。この1巻での流れとのギャップが、余計に厳しさを感じさせる要因になっているのかも。

こんな発言もこの状況だと全然許せちゃうし、むしろ自然にすら感じてしまう。
2巻ラストでは大どんでん返しなフラグも見えたので、さすがに3巻では2巻と同じ流れのようにはならないとは思うものの、果たしてどうなるのでしょうか。とりあえず2巻は、聖姫よく頑張ったと、その一言に尽きます。ほんと苦労性のイイ子やで。そんな彼女の愛に、空木はどう応えるのでしょうか。
ちなみに神様だ人生だとかやっているのは全然良いのです。中二病って言葉があるほどですから、中二に設定されているこの作品の登場人物たちは、それが全てとばかりに好き放題やれば。なまじ高校生とかにしちゃうと、逆に動きづらくなる。
■購入する→Amazon
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bk1

あとで見られるメールとちがって
アイスは
いま 一緒に食べないと
とけちゃうんだよ?
■2巻発売でございます。
クラスでも浮いていた男子・空木に告白した聖姫だったが、その返事はないまま。そんな中、転校の理由が前の学校でのいじめだったとバレ、それが優に優しくされている聖姫を良く思わない女子たちがそれをネタに彼女を攻撃。聖姫はまたしても学校に行けなくなってしまう。けれど空木の存在を支えに、もう一度立ち上がった…!そして夏、聖姫がもっぱら気になっているのは空木と親しげに話す、年上の女の人の存在。みんなで行った海で、昔空木が好きだった人を兄に取られたというウワサを聞いて…!?
2巻登場、1巻とは打って変わってヒロインには厳しいストーリーが続いていきます。ヒロイン・聖姫はもともといじめられっ子。心機一転転校したものの、その時に受けた心の傷は未だ癒えていません。新しい環境でもそう簡単には適応できない彼女でしたが、クラスのはぐれ者である空木が支えることで、なんとか挫けずに新たな学校生活をスタートできました。完全にはクラスに染まらない二人。当然お互いの距離も、少しづつ近づいていきます。そして聖姫の告白。流れとしては完璧に近いハズなのですが、空木はそれをスルー。それにはとある理由があり、彼にはフラレても未だに想いを断ち切れない女の人がいたのでした。自分への優しさは、気休めの優しさでしかない…。そのことを実感した聖姫は、深く傷つくものの、彼への想いはそう簡単に消えるはずもなく…という感じ。とにかく厳しい。
物語には、かならず主人公の壁になるものが登場するのですが、ここまで厳しいのはあまりないのではないかな、と。おそらくレベルとしては大したことがないのだけれど、設定及び1巻の流れからすると、この仕打ちはかなりきびしい。
支えてくれた大好きな彼は、自分のことなど見ていないし、転校先でもいじめまがいのことに遭うし、彼の憧れの女性はちょっと意地悪…。まずはじめに、ヒロインはいじめられっ子で心に傷を持っているという設定があり、そこに彼女を支える存在である空木が投入されることによって、一緒に傷を癒し次のステージへ進んでいくというような構造を、1巻の時点では予感させていました。言ってみれば空木は聖姫にとってまさにヒーローで、常に彼はヒロインの味方でいてくれる存在。イメージとして近いのは、「君に届け」(→レビュー)の風早くんですね。しかし告白以降、彼の想い人の登場によって、空木は常に聖姫を受け入れてくれるヒーローではなくなってしまいます。そして2巻、その傾向が顕著に現れるように。そんな中、まだ傷も癒えきらないヒロインが、たった一人で問題と向き合う姿は、非常に痛々しかったです。この1巻での流れとのギャップが、余計に厳しさを感じさせる要因になっているのかも。

こんな発言もこの状況だと全然許せちゃうし、むしろ自然にすら感じてしまう。
2巻ラストでは大どんでん返しなフラグも見えたので、さすがに3巻では2巻と同じ流れのようにはならないとは思うものの、果たしてどうなるのでしょうか。とりあえず2巻は、聖姫よく頑張ったと、その一言に尽きます。ほんと苦労性のイイ子やで。そんな彼女の愛に、空木はどう応えるのでしょうか。
ちなみに神様だ人生だとかやっているのは全然良いのです。中二病って言葉があるほどですから、中二に設定されているこの作品の登場人物たちは、それが全てとばかりに好き放題やれば。なまじ高校生とかにしちゃうと、逆に動きづらくなる。
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