
わかったやろ?
アンタらが気づかないだけで
この世の中は不思議なモンでいっぱいなんやで
■耳が垂れてて丸々の体、しっぽは2本で関西弁を話す、ごくごく普通のどこにでもいる猫(自称)、タマさん。如月さん家のひとり娘で保育園児のふるるちゃんと、そのパパでイラストレーターの夕人、そして如月さん家に入り浸るお隣さんの女子高生・杏ちゃんと一緒に日々を過ごすタマさんの毎日は、平穏なようで実はとっても不思議でいっぱい。みんなの前に立ちふさがる、不思議生物たちに、タマさんたちはどう立ち向かう!?
ネコ漫画…ではありません。猫っぽい不思議生物を軸に描く、なんとも不思議な日常の風景を描いた、色モノ4コマでございます。物語の主人公となるのは、タイトルにもなっている猫(?)のタマさん。しっぽが2本で関西弁をしゃべる彼ですが、飼い主である如月夕人にはそのことは内緒。不思議耐性が極端にないのです。その代わり、娘のふるるちゃんと、お隣りの杏ちゃんには秘密はナシ。いつもいっしょにつるんでは、次々現れる不思議生物たちと戯れます。

いつどこに不思議生物があらわれるか分からない。油断は禁物。
不思議な存在であるタマさん。どんな存在が一番近いのかと考えると、おそらくそれは神さま。しかし関西弁であるが故に、どうにもうさんくさい。そんな彼を中心に、メインキャラ数名で話を進めるのかと思いきや、さらにそこに単発キャラとして不思議生物たちを投入。不思議さはより一層強くなっていきます。そんな不思議現象に驚き慌てるレギュラー陣に、冷静に対処するタマさん、そして何事にも動じないふるるちゃん。この誰も遠慮せず、自分の動きたいように動いている感じが、独特の作風を作り出していて、ひとつの魅力に。絵的には萌絵に近いのかもしれませんが、一応ファミリー要素があるからということでこっちのレーベルなのかな。杏ちゃんかわいいですよね。
タマさんのフォルムだけ見るならば、「夏目友人帳」(→レビュー)のニャンコ先生ですが、関西弁でより神的というところを見ると、むしろイメージとして近いのは、小説「夢をかなえるゾウ」のガネーシャだったりする。マイペースながらも、なんだかんだで良いこと言ったりやったりしているし。
【男性へのガイド】
→絵的に押す。ファミリー層がターゲットとは思えないものの、かといって萌えラインでもないという、扱いが難しい存在です。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→不思議生物で、自由に広げる4コマ。いわば何でもありの状態を、カオスで面白いと捉えるか、ちょっとまとまりがなさすぎるととらえるかの違い。全体的に可愛らしいです。
作品DATA
■著者:森ゆきなつ
■出版社:芳文社
■レーベル:MANGA TIME COMICS
■掲載誌:まんがタイム,まんがタイムオリジナル
■既刊3巻
■価格:各571円+税
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