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Tag [BL] 2009.12.20
BL作品のレビューでございます。そういった類いの作品が苦手な方はご注意ください。また普段BL作品を読まないような人間のレビューですので、着眼点等々が本筋の読者様とはかなり違うと思われますので、予めご了承くださいませませ。


07224082.jpg中村明日美子「ダブルミンツ」


壊したいと壊してもらいたいと
きっと俺はずっと思っていた そして
彼は現れたのだ 必然として



■「すぐこっちに来い。女を殺してしまった。」電話の向こうから聴こえてきた高飛車な声は、高校時代の同級生・市川光央だった。卒業以来の再会。同じ名前を持つ男・壱川光夫の胸中に、かつての隠微な記憶が蘇る。高校時代は虐める側と虐められる側、主従関係がはっきりしていた。忘れていた過去が、再び光夫を熱情の中に引き戻す。死体をトランクに載せ、二人は死体の処理に出るが…

 またとんでもない作品をオススメしてくれたものだ。しかし意外と読みやすかった。ということでご紹介です。今や押しも押されぬ人気作家となっている中村明日美子先生の、BL作品でございます。雰囲気で押す印象のあった「同級生」とは打って変わって、完全な非日常でややハードボイルドな空気感でおくるディープラブ。メインを構成するのは2人の男。システムエンジニアとして働く壱川光夫と、ヤクザの事務所に出入りするチンピラ・市川光央。高校の同級生だった二人は苛めっ子と苛められっ子の関係で、虐める側の光央が「女を殺したから来い」という電話をかけた事で再会、一緒に遺体を片付ける事になります。そこからめくるめく世界に二人は巻き込まれていくわけですが、その持っていき方がスゴい。


ダブルミンツ
殴られてニヤリ。いわゆるSM的な異常性愛のエッセンスが含まれているわけですが、本作はそんな想いを全肯定した上に成り立っている。BLだから当然と言えば当然なのだけど、故にブンガク的になっておらず、それが作品をより“魅せる”方向に作用している。


 BL作品で、かなりえげつないセックスシーンなどもふんだんに盛り込まれているのですが、それを見せ場としていないので、思いのほか自然に読み進める事ができました。エロシーン比率でいったら、自分にとっては確実にアウトのラインであるはずなのですが、不思議。というのも遺体処理からヤクザ絡みの事件という徹底した非日常の舞台に加え、性別というラインを超えたような場所でくり広げられる、SM的な表現がそれらのえげつない描写を食ってしまっているからで、改めてこの先生のストーリーテリング力の高さを見せつけられました。もの凄いBL作品ではあるのだけれど、別にBL作品としての枠でなくてもいいのではないかな、と。説明にDEEP LOVEとあるように、その辺の表現の方がしっくりくるのかも。ただそれだけ風呂敷を広げておきながらも、最後はしっかりとまとめあげ、爽快感すら感じさせるあたりはさすが。

 さすがにこれを男性にオススメするのは気が引けるわけですが、それでも物語の持つ力強さというのは確かに感じる事ができ、その辺は素直に評価してみたいなぁと思った次第。


【男性へのガイド】
→これは厳しい気がします。ある程度骨のある作品が好みな方は良いかもしれませんが、いかんせん帰結するところは個々人の関係性だったりするわけで。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→だからあくまでBL読まない人の感想ですからね。怒らないように。もう中村先生の作品だったら何でも読めるような気がしてきた。


作品DATA
■著者:中村明日美子
■出版社:茜新社
■レーベル:EDGE COMICS
■掲載誌:メロメロ(2007年Vol.1~2008年Vol.9)
■全1巻
■価格:619円+税

■購入する→Amazonbk1

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
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2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




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BEARBEAR
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かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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