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Tag [続刊レビュー] 2009.12.22
作品紹介はこちら→*新作レビュー*福山リョウコ「モノクロ少年少女」



1102821337.jpg福山リョウコ「モノクロ少年少女」(2)


認めてくれるなら
頼ってくれるなら
応えたい
こんなキモチも
はじめて



■2巻発売です。
 予期せずにケダ高の生徒会長になってしまった呉羽。しかしあまりに突然の事態だったので、思わずそれを拒否。それが生徒たちの逆鱗に触れた。感謝は大好物だけど、情けは大嫌いな動物たち。結局右京たちに助けられ、なんとか会長職に収まる事になったけど、それからがまた大変。会長就任演説の後に待っていたのは、載冠式での儀式“副会長全員からのキス”!?茅と蝶々からのキスは我慢できた呉羽だったけど、右京のキスにはどうにも拒否反応が出てしまう。それに加え、生徒会補佐になった黒蘭は何やら怪しいし、生徒会運営行事の合宿の計画も立てなくちゃいけないし…もう大変!!


~現実世界に留まらないから、やりたい放題~
 もう2巻発売ですか、なんとなく早い気もします。さてお話の方ですが、相変わらずオリジナルの設定で好き放題やってます。無理して現実世界に踏み留めていないから、多少のぶっ飛んだ設定でも余裕で組み込みOK。もっと詰めればまた違った世界観を構築できたかもしれませんが、それをまるまる端折るから、逆にわかりやすさが際立つというわけですね。納得できないオトナがいるかもしれませんが、これはあくまでコドモへ向けたお話なわけで。


~ギフトの謎~
 しかしそれでもやっぱり「あれ?」と思う設定は出てくるわけで。例えば茅によって明らかにされた、トップ卒業のご褒美。「ケダ高をトップで卒業すると人間になれるギフトがある。ギフトは幼稚舎,初等部,中等部,高等部であり、だから学校に通っているのは後を継がない第2王子以下が多い。」そうなのですが、あれ右京と茅と蝶々は幼い頃からずっと成績トップの秀才だったのでは?きっとギフトが与えられるのは成人してからなんだ!とか、意外とみんな拒否してるんだ!とか、そんなところなのかもしれませんが、ナゾは深まります。このへんも後々明らかになったりしそう。だってこの舞台設定なら、いくらでも後付けできるんだもの。


~2巻でメインとなるのは~
 2巻でメインとなるのは右京の過去。オリエンテーリング合宿の行き先となったクロヒョウ国で、因縁の兄と再会。その辺は本編を読んでからのお楽しみとなるわけですが、しかしクロヒョウ国ってものすごい近代的。ビル群ですよ、ビル群。やっぱり計り知れねえぜ。そしてラストにて登場するのは、1巻からフラグが立ってたあの人。ここで一悶着ありそうですが、最終的に描きたいのはメイン4人の恋愛模様だそうで、結局は学校に戻ってまた色々やるんでしょうね。これはあくまで右京と呉羽の仲を盛り上げる余興に過ぎない…はず。てか伊織さん、意外なビジュアルすぎて驚いた。
 
 さて、話は変わりますが、早くもドラマCDが出るそうです。キャストは呉羽:釘宮理恵/右京:神谷浩史/茅:櫻井孝宏/蝶々:浅野真澄/黄苑:谷山紀章…ちょっと聞きたい。そう思った人は少なくないはず。ちなみにこれらは「花とゆめ」4月号(1/20発売)のふろくに付いてくるそうですよ。気になる方はチェックを。


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