作品紹介はこちら→水城せとな「黒薔薇アリス」
水城せとな「黒薔薇アリス」(3)
…おやすみ
アリス
さようなら
■3巻発売しました。
4人の吸血樹の中から、もっとも優れたものを選び、繁殖に協力することになったアリス。吸血樹と過ごし、彼らを観察する日々も、もう1年が過ぎようとしていた。人間だった頃とは違い、あっという間に流れる月日。しかし永遠にも等しい命を与えられている彼女は、焦るどころかむしろのんびり。そんな中、候補の一人でお兄さん的ポジションのレオの寿命が、残り僅かとなり…!?
~3巻はレオがメイン~
レオの寿命が残り僅か…。表紙からもわかるように、3巻は彼を中心に描かれていきます。彼の命が残り僅かだということは、アリス以外はみな把握していました。彼らの首周りに出来るヴァンパイアの証…それが首を一周し繋がったとき、彼らの命は尽きてしまうのです。2巻からも分かる通り、ディミトリはアリスとレオが結ばれることを望んでおり、そうなるように様々仕組んでいました。しかしなかなか決定打は出ず、レオの命はどんどん削られていきます。「ならば命が残り少ないことを武器にし、繁殖に持っていけば良い」そうディミトリは訴えますが、レオはそれを頑に拒みました。それは、決して優秀だと認められて繁殖を許してもらうことではないから、と。あくまで、種の繁栄>自分の繁殖だったのです。
~水城先生の考えから読み解く、レオのオスとしての欠落要因~
ここでひとつ注目したいのが、表紙織り込みの水城先生の言葉…
そう、自分の子孫を残すのではなく、あくまで種族全体を優先させたレオという存在は、先生自身が思い描く「オス」の姿ではなかったのです。レオの意思は、決して本能から来たものではなかったのかもしれませんが、本能に従えず身をひくものは、オスとしてはどうしても弱いのです。そして当然のように、アリスにオスとしては受け入れてもらえなかった。まだ本当のバトルは始まっていなかったのかもしれませんが、それ以前にオスとして弱い彼がふるい落されたという。シビアです。しかしそんな悲しい結末を辿った彼ですが、集団生活の中では非常に重要な役割を担っていました。
~レオの存在、レオの役割~
館の空気を和らげ、人間関係(人間いないけど)を円滑にする緩衝剤の役目を、彼は果たしていました。ディミトリは唯一心を許せる相手として、双子にとっては頼れる兄として、そしてアリスにとっても。そのことはアリスも認識していました…

レオが普通に笑っていてくれれば、街が世界が、普通になる
この作品では舞台である渋谷が描かれることが多いのですが、特にレオ編では渋谷の109を中心としたカットが頻繁に登場していました。「彼が笑うと、街が普通になる」とアリスが言っていたように、彼の内側の情景を、このカットを通してあらわしていたのかな、と。もしかしたら彼を見るアリスの心かも。どちらにせよこの情景がひとつのポイントになっていたわけですが、それが大ゴマとして現れるのが、レオ編のラスト。これには思わず鳥肌が立ちました。レオがいなくなったあと、アリスはあの渋谷の風景を、一体どんな気持ちで眺めたのでしょうか。
~レオはまだまだ爪痕を残す?~
さて、これでレオはもう登場しないのかと思いきや、しっかり伏線のこして去っていきましたよ。余命幾ばくもない小説家をつかまえて、僅かな延命とひきかえに何か「とてもおぞましいこと」を依頼したようで…。果たしてこれが発動するのはいつになるのでしょうか。楽しみです。
~水城先生の描く身勝手な女の子~
さらに話は変わるのですが、アリスかわいいよアリス。もうね、水城先生が描くふわふわな女の子ってのが大好きでして。元々は梓という音楽教師で、かなりストイックで真面目な性格だった彼女ですが、体はアニエスカのものになりしばらく経つと、気がつけば大人げないわがまま姫に大変身。「人は見ためが9割」なんて本がありましたが、外見というのは人を大きく変えるものなのでしょう。整形ってのは、顔の整形でありながら、心の整形でもある…私は何を言っているのでしょう。話を元に戻すと、水城先生の描く愛されタイプの女の子がやけにツボだ、と。身勝手と言うかワガママと言うか大人げないというか…愛されていることを前提に、相手の困るような要求や発言を悪びれた様子もなく無邪気にしちゃう女の子像が、やけにリアルというか…
♢アリス♢

まずはアリス。「変わった」「大人げなくなった」などと言われる始末ですが、このワガママっぷりがらしくていいじゃないですか。大人げないというか、本当に子供になってしまったというか。愛されていることが明白だと、それだけ自由もきかせやすくなるのでしょう。むしろ変わらない方がおかしいのか。
♢藤島紅葉♢

「放課後保健室」(→レビュー)にももちろんいます。その筆頭が紅葉嬢。この容姿といい、アリスと被るものがあります。トラウマを抱えつつも、最後はもの凄く逞しい子になりました。放課後保健室では彼女が一番好きなキャラです。
♢一条真白♢

「放課後保健室」のヒロイン、真白も実は結構な身勝手ぶりを発揮しています。そのことは蒼からも指摘されているわけですが、水城作品の男子に苦労性が多いのも、この辺が要因なのかもしれませんね。自分のことでいっぱいいっぱいで、あまり人のことが考えられないキャラでした。
♢吉岡紗絵子♢

そして同時連載中の「失恋ショコラティエ」(→レビュー)からは、サエコ先輩を。もはやこの人は身勝手とか愛されてることをわかっててとか、そういうレベルで語れる人ではないのかもしれませんが、やっぱり愛されキャラではありますよね。実際こういう子がモテて、おいしいとことってっちゃったりするからさ。ダルビッ(ry
♢小動まつり♢

意外と爽太の妹のまつりもその気があるんじゃないかと思ったり。しかしオリヴィエのが一枚上手なのであった。ってこの兄妹は恋愛において不幸すぎる。このあとどういう展開になっていくのか、こちらも要注目というところですね。
さてさて、気になるのはそれっぽいキャラが軒並み金髪(白)だということ。いや、私が勝手に思ってるだけかもしれないけれど。なんとなく水城作品は、黒髪のキャラが貧乏くじ引いているイメージなんですよね。

果たして黒髪でストイックな薫子さんに、幸せは訪れるんでしょうか…。いや、幸せになって欲しいなぁ。ってあれ、これ「黒薔薇アリス」のレビューだったはずなのに…
■購入する→Amazon
/
bk1

…おやすみ
アリス
さようなら
■3巻発売しました。
4人の吸血樹の中から、もっとも優れたものを選び、繁殖に協力することになったアリス。吸血樹と過ごし、彼らを観察する日々も、もう1年が過ぎようとしていた。人間だった頃とは違い、あっという間に流れる月日。しかし永遠にも等しい命を与えられている彼女は、焦るどころかむしろのんびり。そんな中、候補の一人でお兄さん的ポジションのレオの寿命が、残り僅かとなり…!?
~3巻はレオがメイン~
レオの寿命が残り僅か…。表紙からもわかるように、3巻は彼を中心に描かれていきます。彼の命が残り僅かだということは、アリス以外はみな把握していました。彼らの首周りに出来るヴァンパイアの証…それが首を一周し繋がったとき、彼らの命は尽きてしまうのです。2巻からも分かる通り、ディミトリはアリスとレオが結ばれることを望んでおり、そうなるように様々仕組んでいました。しかしなかなか決定打は出ず、レオの命はどんどん削られていきます。「ならば命が残り少ないことを武器にし、繁殖に持っていけば良い」そうディミトリは訴えますが、レオはそれを頑に拒みました。それは、決して優秀だと認められて繁殖を許してもらうことではないから、と。あくまで、種の繁栄>自分の繁殖だったのです。
~水城先生の考えから読み解く、レオのオスとしての欠落要因~
ここでひとつ注目したいのが、表紙織り込みの水城先生の言葉…
男のサガの根本は「自分のDNAを残そうとする本能」
女のサガは「種族全体を存続させようとする本能」
のように思う
女のサガは「種族全体を存続させようとする本能」
のように思う
そう、自分の子孫を残すのではなく、あくまで種族全体を優先させたレオという存在は、先生自身が思い描く「オス」の姿ではなかったのです。レオの意思は、決して本能から来たものではなかったのかもしれませんが、本能に従えず身をひくものは、オスとしてはどうしても弱いのです。そして当然のように、アリスにオスとしては受け入れてもらえなかった。まだ本当のバトルは始まっていなかったのかもしれませんが、それ以前にオスとして弱い彼がふるい落されたという。シビアです。しかしそんな悲しい結末を辿った彼ですが、集団生活の中では非常に重要な役割を担っていました。
~レオの存在、レオの役割~
館の空気を和らげ、人間関係(人間いないけど)を円滑にする緩衝剤の役目を、彼は果たしていました。ディミトリは唯一心を許せる相手として、双子にとっては頼れる兄として、そしてアリスにとっても。そのことはアリスも認識していました…

レオが普通に笑っていてくれれば、街が世界が、普通になる
この作品では舞台である渋谷が描かれることが多いのですが、特にレオ編では渋谷の109を中心としたカットが頻繁に登場していました。「彼が笑うと、街が普通になる」とアリスが言っていたように、彼の内側の情景を、このカットを通してあらわしていたのかな、と。もしかしたら彼を見るアリスの心かも。どちらにせよこの情景がひとつのポイントになっていたわけですが、それが大ゴマとして現れるのが、レオ編のラスト。これには思わず鳥肌が立ちました。レオがいなくなったあと、アリスはあの渋谷の風景を、一体どんな気持ちで眺めたのでしょうか。
~レオはまだまだ爪痕を残す?~
さて、これでレオはもう登場しないのかと思いきや、しっかり伏線のこして去っていきましたよ。余命幾ばくもない小説家をつかまえて、僅かな延命とひきかえに何か「とてもおぞましいこと」を依頼したようで…。果たしてこれが発動するのはいつになるのでしょうか。楽しみです。
~水城先生の描く身勝手な女の子~
さらに話は変わるのですが、アリスかわいいよアリス。もうね、水城先生が描くふわふわな女の子ってのが大好きでして。元々は梓という音楽教師で、かなりストイックで真面目な性格だった彼女ですが、体はアニエスカのものになりしばらく経つと、気がつけば大人げないわがまま姫に大変身。「人は見ためが9割」なんて本がありましたが、外見というのは人を大きく変えるものなのでしょう。整形ってのは、顔の整形でありながら、心の整形でもある…私は何を言っているのでしょう。話を元に戻すと、水城先生の描く愛されタイプの女の子がやけにツボだ、と。身勝手と言うかワガママと言うか大人げないというか…愛されていることを前提に、相手の困るような要求や発言を悪びれた様子もなく無邪気にしちゃう女の子像が、やけにリアルというか…
♢アリス♢

まずはアリス。「変わった」「大人げなくなった」などと言われる始末ですが、このワガママっぷりがらしくていいじゃないですか。大人げないというか、本当に子供になってしまったというか。愛されていることが明白だと、それだけ自由もきかせやすくなるのでしょう。むしろ変わらない方がおかしいのか。
♢藤島紅葉♢

「放課後保健室」(→レビュー)にももちろんいます。その筆頭が紅葉嬢。この容姿といい、アリスと被るものがあります。トラウマを抱えつつも、最後はもの凄く逞しい子になりました。放課後保健室では彼女が一番好きなキャラです。
♢一条真白♢

「放課後保健室」のヒロイン、真白も実は結構な身勝手ぶりを発揮しています。そのことは蒼からも指摘されているわけですが、水城作品の男子に苦労性が多いのも、この辺が要因なのかもしれませんね。自分のことでいっぱいいっぱいで、あまり人のことが考えられないキャラでした。
♢吉岡紗絵子♢

そして同時連載中の「失恋ショコラティエ」(→レビュー)からは、サエコ先輩を。もはやこの人は身勝手とか愛されてることをわかっててとか、そういうレベルで語れる人ではないのかもしれませんが、やっぱり愛されキャラではありますよね。実際こういう子がモテて、おいしいとことってっちゃったりするからさ。ダルビッ(ry
♢小動まつり♢

意外と爽太の妹のまつりもその気があるんじゃないかと思ったり。しかしオリヴィエのが一枚上手なのであった。ってこの兄妹は恋愛において不幸すぎる。このあとどういう展開になっていくのか、こちらも要注目というところですね。
さてさて、気になるのはそれっぽいキャラが軒並み金髪(白)だということ。いや、私が勝手に思ってるだけかもしれないけれど。なんとなく水城作品は、黒髪のキャラが貧乏くじ引いているイメージなんですよね。

果たして黒髪でストイックな薫子さんに、幸せは訪れるんでしょうか…。いや、幸せになって欲しいなぁ。ってあれ、これ「黒薔薇アリス」のレビューだったはずなのに…
■購入する→Amazon