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Tag [新作レビュー] 2009.12.25
oujisama.jpgしがの夷織「王子様の言うとおりっ」(1)



こいつの婚約者だから



■「王室」と呼ばれる生徒会。会長の渉は財閥の御曹司で、女子の憧れの的。そんな彼に夢中で、日々彼を追い回し、「ストーカー」と呼ばれる少女が一人。補欠合格で一派な家庭に育ったちょいとおバカな女の子・美結。告白できずにつけ回していたら、ついにストーカーあつかいされてしまった美結だったけど、ひょんなことがきっかけで、渉のお祖父ちゃんに気に入られ、王室に入ることに。しかも渉の許嫁として…。けれど渉は、「俺は認めたわけじゃない」と冷たく言い放ち…!?

 しがの先生の新連載です。ヒロインは、「王室」と呼ばれる生徒会の会長に憧れる少女・美結。生徒会が王室と呼ばれる所以は、生徒会長を務める渉が財閥の御曹司であり、その権限も非常に大きいということから。同じ学校に通っているといっても、その距離は遠く、一般家庭に育ち、成績も最下位を争うようなヒロインは、普通に生活していてもなかなか近づくことはできません。そのため遠くから見守る形で、ヒロインはしつこく彼を追い回していたわけですが、そんなことしたら迷惑がられるのも当然。「気持ち悪いんだよ、ストーカー」とまで言い放たれ、完全にフラレてしまいます。しかしその後まさかの起死回生。帰り道にて手助けをしたご老人が渉の祖父で財閥の最高権力者であり、その彼に気に入られたヒロインは、まさかの許嫁として指名されるのでした。結果生徒会に入り、果ては一緒に暮らすようにまでなるという、「ありえない」を売りにしたラブコメとなっております。


王子様の言うとおりっ
ペースはヒロインが握っているので、ストーリーがある程度淀みなく流れてくれる。いいテンポです。


 この作品はちゅちゅ連載なのですが、レーベルはSho-Comi。しがの先生はもともとSho-Comiとのダブル在籍だったので、コチラのほうが都合が良いのでしょう。深く考えられないちょっとおバカなヒロインが、勢いのままに行動。そして巻き込まれる困った事態を、許嫁である相手役がなんだかんだで助けてくれる…という展開が基本パターン。口では嫌がってるけど、なんだかんだで愛されているよね!っていう、彼の素直じゃない部分を楽しむ作品かと。帯に「ありえなすぎッ!なミラクルLOVE」と書かれているように、基本的にはそのありえなさを売りにした内容で、「ありえねーよこんなの(笑)」などと言い放ってしまうのは実にナンセンス。ありえないならば、とことんありえない方向に…!と、生徒会にお金持ちに、さらに同居ものまで1作でカバーするというはじけっぷりは、なかなか爽快です。しかしどうして財閥の息子で成績優秀な相手役と、一般家庭に育ち勉強も全然できないヒロインが同じ学校にいるのでしょうか…という不思議さはあったりします。その辺含めて非日常を演出しているのか。


【男性へのガイド】
→「王子様」と付く作品は、男性に読みにくい作品が多いのが常。
【私的お薦め度:☆☆   】
→ちゅちゅ連載だということを考えると、こういう展開も納得ですが、このブログを見ていらっしゃる方々のことを考えるとちょっとズレるのかな。


作品DATA
■著者:しがの夷織
■出版社:小学館
■レーベル:Sho-Comiフラワーコミックス
■掲載誌:ちゅちゅ('09年3・4月号合併後~)
■既刊1巻
■価格:400円+税

■購入する→Amazonbk1

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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