
やっべーなんだ!?
山田のくせにかっけーんだけど!!
むかつく!!
■京橋あるじ、高3。父からの影響か、口が悪く育ち、好物はさきいか、普段はジャージで過ごすというちょいとオヤジ臭い女子高生。年頃にも関わらず、こんな性格・行動なものだから、彼氏はなかなかできない。いや、そもそも作る気がない。中学の時に少しだけ付き合ったことがあるのだが、どうにも面倒くさかった。もうこの先ずっと作らなくていい。そう言い放ってはばからないあるじだったが、ある夜コンビニで素敵な男の子に出会って…!?
読切り3編が収録されています。3編ということで、どのお話もそれなりにボリューム有り。ぶっきらぼうで素直じゃないヒロインが、とある出会いから恋愛に向かっていく表題作。親との不仲に悩む女子高生が、同い年のホームレス少年と出会うことで今一度自分の居場所を探っていく「Final HOME」。そして少女漫画ばかり読んでいる恋に恋するヒロインが、三次元にも興味を示せと合コンマスターの手に委ねられるという「愛だしまじで」。どれも不器用で、どこかにコンプレックスを女の子がヒロインとなっており、それが男の子と出会うことで、徐々に変化していく…という様子を描いたものになっています。

この今まで全然気にしてなかったことが、急に気になって恥ずかしがったり惨めな気持ちになったりする様子が個人的にツボ。カワイイです。
絵柄を見て、「なんかりぼんっぽいなぁ…」なんて思っていたら、作者さんりぼんでデビューしてらっしゃったんですね。マーガレットに移ってくる間に何があったのかはわかりませんが、まだ移って間もないせいか、未だにりぼんっぽさを強く感じさせるような絵柄・内容になっております。どれも特徴的なヒロインを据えて、そのコンプレックスや問題の克服・解決という方向に向かわせるわけですが、その話運びはかなりセオリーにのっとった形になっていて、ある程度の個性を演出しながらもしっかりと読みやすい作品に仕上げられています。
個人的に好きだったのはホームレス少年との話を描いた2話目かな。他の収録作に比べて地味めなヒロインを据えながらも、河川敷のホームレス少年という非日常的な要素を持ってきて話を盛り上げる感じがヒット。ちょっと恥ずかしくなるくらいの話が好きなんです。
【男性へのガイド】
→これといって特筆すべき要素はないのですが、ならば少女漫画好きなら普通に読めますよ、ということでもあるわけで。
【私的お薦め度:☆☆ 】
→マーガレットということでちょっと違和感が。もっと掲載誌にフィットすればさらに楽しめるのかな、と。ストーリーはやや薄味感がありますが、つくりはしっかりしてるので、ちゃんと楽しむことができます。
作品DATA
■著者:長谷瑠依
■出版社:集英社
■レーベル:マーガレットコミックス
■掲載誌:ザマーガレット(平成19年8月号,平成20年4月号,平成21年9月号)
■全1巻
■価格:400円+税
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