作品紹介はこちら→宮坂香帆「僕達は知ってしまった」
7巻レビュー→魅力再考…したかった《続刊レビュー》「僕達は知ってしまった」7巻
宮坂香帆「僕達は知ってしまった」(8)
うわっ 何これ
あたし 欲求不満!?
そうなの?
助平なの!?
助平なんだ!?
■8巻発売です。
雪斗と松嶋さんの仲を納得することができず、また雪斗も、ことりと兄・雅弥の出会いに焦る一方。どうにも自分の気持ちを素直に伝えられないまま、二人の気持ちはすれ違う一方。そしてついに、大げんかに発展。売り言葉に買い言葉で、二人は別れる所にまで言ってしまう。そうすると余計に謝れない…。その日を境に、雪斗は茶髪に戻り、ことりに対する態度も冷たくなってしまう。一方ことりは他校の生徒・設楽に告白され、とまどうばかり。そして気がつけば一か月。時折言葉を交わすくらいはあるものの、やはりどこかぎこちない。果たして二人の仲は戻るの…!?
~これは良い茶番~
戻ります。というか、けんか別れしてすれ違いを描いているのに、全然ハラハラしないんですよ。何これってぐらい、安心しながら見てますし、もはや茶番というか。とりあえず切なさが足りない。たぶんそれは、外部に敵を作れないからかなぁ、と。宮坂先生も、どちらかというと悪意を外部に用意して、それにメインの二人が立ち向かう…みたいな構図を使う方が得意だと思うんですけど、すれ違いに関してはなかなかそこで展開できない。あまりに悪意の塊みたいなものを用意すると、二人は離れる一方ですし、そういう存在がいないってことは、ある種戻す過程にあることが明白なのだなと、なんとなく受けとっているのかもしれません。しかしそれでも話に飽きが来ないのは、これが良い茶番だから。笑いがしっかりとちりばめられているので、全然楽しめちゃうんですよね。
~雅弥が全部持っていった件~
8巻で一番活躍したのは、何といっても雪斗の兄・雅弥でしょう。あべっちもバイトで二人を引き合わせるというファインプレーをしましたが、より読者を楽しませるという観点で考えると、やはり雅弥に軍配が上がります。まずはこのシュールなカットから…

お兄ちゃんは見た。
完全にネタキャラ化しておりますが、それゆえに何とも親しみの持てるキャラになりましたよね。今後色々な意味で輝きを増しそうです。しかし彼が動くほどに、周囲の人間はげんなりするんだろうなぁ。なんてカッコ悪くて迷惑…みたいな説明になっていまいましたが、その後が普通のネタキャラとは違う所。熱で倒れた雪斗の面倒を見て欲しいと、ことりを電話で呼び出し、関係修復に一役買っています。このさりげなさの欠片もなく、あからさまにサポートしちゃう感じが素敵すぎます。
さらにこんなシーンも…

オレは嫌がらせ
もはや悪役にすらなれない正直さとネタ臭。しかしこの後も、雪斗への弁当をことりに届けさせるというファインプレー。ふざけて笑いを持っていきながらも、最後はカッコいい役目まで持ってっちゃう。そしてそれに酔う姿を描くことで、読者に「雅弥素敵!」って思わせない、謙虚な姿勢。良いキャラです。
~次へ向けて~
さてさて、9巻ではそろそろよりを戻しそうな雰囲気もありますが、そうしたら最終回になっちゃうのでしょうか?いやでもえっちい方面も残っているし、Cheese!ならある程度それも可能なので、予測はできないですね。しかし脇役の恋愛模様を組み込まず、二人の関係だけに終始しながらここまで持ってくるってのは立派ですよね。すごいです。
■購入する→Amazon
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7巻レビュー→魅力再考…したかった《続刊レビュー》「僕達は知ってしまった」7巻

うわっ 何これ
あたし 欲求不満!?
そうなの?
助平なの!?
助平なんだ!?
■8巻発売です。
雪斗と松嶋さんの仲を納得することができず、また雪斗も、ことりと兄・雅弥の出会いに焦る一方。どうにも自分の気持ちを素直に伝えられないまま、二人の気持ちはすれ違う一方。そしてついに、大げんかに発展。売り言葉に買い言葉で、二人は別れる所にまで言ってしまう。そうすると余計に謝れない…。その日を境に、雪斗は茶髪に戻り、ことりに対する態度も冷たくなってしまう。一方ことりは他校の生徒・設楽に告白され、とまどうばかり。そして気がつけば一か月。時折言葉を交わすくらいはあるものの、やはりどこかぎこちない。果たして二人の仲は戻るの…!?
~これは良い茶番~
戻ります。というか、けんか別れしてすれ違いを描いているのに、全然ハラハラしないんですよ。何これってぐらい、安心しながら見てますし、もはや茶番というか。とりあえず切なさが足りない。たぶんそれは、外部に敵を作れないからかなぁ、と。宮坂先生も、どちらかというと悪意を外部に用意して、それにメインの二人が立ち向かう…みたいな構図を使う方が得意だと思うんですけど、すれ違いに関してはなかなかそこで展開できない。あまりに悪意の塊みたいなものを用意すると、二人は離れる一方ですし、そういう存在がいないってことは、ある種戻す過程にあることが明白なのだなと、なんとなく受けとっているのかもしれません。しかしそれでも話に飽きが来ないのは、これが良い茶番だから。笑いがしっかりとちりばめられているので、全然楽しめちゃうんですよね。
~雅弥が全部持っていった件~
8巻で一番活躍したのは、何といっても雪斗の兄・雅弥でしょう。あべっちもバイトで二人を引き合わせるというファインプレーをしましたが、より読者を楽しませるという観点で考えると、やはり雅弥に軍配が上がります。まずはこのシュールなカットから…

お兄ちゃんは見た。
完全にネタキャラ化しておりますが、それゆえに何とも親しみの持てるキャラになりましたよね。今後色々な意味で輝きを増しそうです。しかし彼が動くほどに、周囲の人間はげんなりするんだろうなぁ。なんてカッコ悪くて迷惑…みたいな説明になっていまいましたが、その後が普通のネタキャラとは違う所。熱で倒れた雪斗の面倒を見て欲しいと、ことりを電話で呼び出し、関係修復に一役買っています。このさりげなさの欠片もなく、あからさまにサポートしちゃう感じが素敵すぎます。
さらにこんなシーンも…

オレは嫌がらせ
もはや悪役にすらなれない正直さとネタ臭。しかしこの後も、雪斗への弁当をことりに届けさせるというファインプレー。ふざけて笑いを持っていきながらも、最後はカッコいい役目まで持ってっちゃう。そしてそれに酔う姿を描くことで、読者に「雅弥素敵!」って思わせない、謙虚な姿勢。良いキャラです。
~次へ向けて~
さてさて、9巻ではそろそろよりを戻しそうな雰囲気もありますが、そうしたら最終回になっちゃうのでしょうか?いやでもえっちい方面も残っているし、Cheese!ならある程度それも可能なので、予測はできないですね。しかし脇役の恋愛模様を組み込まず、二人の関係だけに終始しながらここまで持ってくるってのは立派ですよね。すごいです。
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