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Tag [BL] 2009.12.27
naichaisouyo.jpgタカハシマコ「泣いちゃいそうよ。」


でもときどき
泣きたくなるのは何故だろう



■『ボクを拾ってください』
 10年前、公園で拾った男の子・岳。不安そうで、とっても頼りなかった彼は、今ではドキドキするほどカッコよく成長した。ずっと兄弟として過ごしてきたオレたちだったけど、最近、岳を見てると何だかとっても泣きたくなってきてしまう。この気持ちは一体なに!?「だって兄弟だし」「兄弟じゃない」そう友達に言われた葵は…!?
 
 ショタショタですよ、ショタショタ。というわけで、タカハシマコ先生のBL作品でございます。これずっと持ってたんですけど、全然読んでなかったんですよね。この度BL作品のレビューも一部開始したということで、年末の本棚の整理も兼ねてご紹介致します。初版発行は2002年11月…ということは7年前の作品。収録されているのはさらに前に掲載された作品で、大体2000年前後と、ほぼ10年前の作品群になります。けれども全然古く感じない。タカハシ先生比較でいけば、多少なりとも変化はしているのですが、少女漫画家さんとかで10年とかスパン開くと、もう別人のような絵になってることなんてざらなんですよね。それがないってことは、やっぱりこの先生は独特の絵の魅力を持っていらっしゃるのだな、と。


泣いちゃいそうよ
この耳当てといい、なんじゃこれ。かわいらしさを前面に打ち出す。


 読切り7編が収録。どれもショタショタな男の子が登場する、かわいさたっぷりのお話たちです。エロに関しては、書き下ろしでひとつセックスを匂わせるシーンがあるくらいで、他はせいぜいキス止まりと、比較的プラトニック。いやこれであられもない方向に流れてたら、ちょっとビビっちゃうのですけど。どれも前提として、「男の子が好きでもさほど抵抗がない」みたいなものが感じられて、「男相手なんて、絶対にありえない!!!!」的な必死さは全然出てきません。それがBLのパラダイム転換のミソでもあるわけで、この辺は実に上手いなぁと。加えてショタっぽさが、恋愛対象としての「好き」と、セックスを意識しない段階での「好き」の両方を感じさせ、よりスムーズな流れを作り出しているようにも映りました。そのぶんカワイさ先行で、恋愛からくる感動や切なさは削がれているのですが、そこまでそちらには期待していないでしょうし、これで十分なのかな、と。

 男としては、どうなんでしょう。読めなくはないけれど、別にこの作品をこぞって読む必要性は感じないというか。可愛いので、先生のファンの方はそれなりに満足なのでしょうが、そうでなければスルーしても構わないかな、という印象でした。というかAmazonでももうマーケットプレイスにしか置いてないし、手に入れるのが結構大変なんですかね?このレビューの意味は…!?


【男性へのガイド】
→タカハシ先生のファンの方は、作品をカバーするという意味で買いかも。あからさまな表現はないぶん、温かみのある話が多く読みやすいですが。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→お話だけみるならば、温かいけどひっかかりがあまりなかったという感じ。かわいいってだけで個人的には勝ちでもあるのですが。


■作者他作品レビュー
*新作レビュー*桜庭一樹/タカハシマコ「青年のための読書クラブ」
*新作レビュー*タカハシマコ「デビルくんとエンジェルちゃん」
*新作レビュー*タカハシマコ「乙女座・スピカ・真珠星」


作品DATA
■著者:タカハシマコ
■出版社:芳文社
■レーベル:花音コミックス
■掲載誌:花音(2000年5月号,2002年4月号),花音SPICE(1998年vol1,1999年vol4),スパイス(2000年vol.1),Bis(1998年②),MAXシリーズ(2002年vol.16)
■全1巻
■価格:562円+税

■購入する→Amazonbk1

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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