作品紹介はこちら→緑川ゆき「夏目友人帳」
8巻レビュー→タキが何気にカワイイんですが… 《気まぐれ続刊レビュー》緑川ゆき「夏目友人帳」8巻
緑川ゆき「夏目友人帳」(9)
「夏目殿は
友人帳を使わずとも動いてくれる妖がいてくれるのですね」
「 はい
友人なんです」
■9巻発売です。
ある日、名を取り戻しに来た時に指輪を落としたという妖・アマナに襲われた夏目。指輪を見つけなければ、家を燃やしてしまうと脅された夏目は、ニャンコ先生やヒノエに協力してもらい、懸命に探すも…?また、夏目の元に友人帳を狙う妖の一団が出現。今までと違う“嫌な感じ”に、必死に逃げるも、彼らはしつこく追い回してくる。そして辿り着いた先にあったものとは…
~的場家当主は夏目にとっての悪を貫いて欲しい~
いい話だったり、面白い話だからって、感想が書けるわけじゃないんですよね。。。という言い訳。普通に楽しんで、「あー、面白かった!」で完結したっていいじゃないか!という逆ギレ。いや、出ないものは出ないんですよ、えへへ。なんて、9巻にしてついに的場一門が物語に積極介入してきます。怪しげで、どう考えても敵対する雰囲気プンプンだった彼らですが、その予感はズバリ的中します。とはいえ的場家の当主は夏目を敵だとは認識しておらず、あわよくば仲間にしてしまおうというスタンス。この「使えるものは何でも使う」という姿勢は、ビジネスライクな匂いを漂わせる資本主義者で、物語における大きな敵としての素養をこれでもかと詰め込んだ「いかにも」なキャラ描写。ラスボス不在になりがちな少女漫画で、しっかりとその役目を果たしてくれるのではと期待させる登場でございました。10巻でも絡んでくるのかはわかりませんが、彼なりのポリシーを貫くことが、物語とキャラの魅力を最大限引き出すことだと思うので、このままでいて欲しいですね。もしくはもっとダーティーに。決して主人公に感化とかされないで欲しい。
~夏目の人・妖との距離の取り方~
そんな彼が登場することで、夏目の意思もハッキリとしてきました。彼曰く、妖は友達なんだそうです。ただ決して妖全てが友達ということではなく、「彼のことを少しでも思ってくれたら」という条件が見え隠れ。これは人間でも同じで、彼のことを信じてくれる人こそ、彼にとって大切な存在になるのです。この頭ごなしに信じない彼の人付き合い・妖怪付き合いの姿勢がスゴく好きなんですよね。というか、人間だからいいとか、妖怪だから大丈夫とか、日本人だからいいとか、そういうカテゴリーで判断しちゃうキャラが嫌いってことなんですが。でもそういうキャラって結構多かったり、でそれで痛い目見なかったりってのがどうにも納得できないときがあったり。ってなんだか変な方向に。で、夏目の場合は人間にも妖にも苦しめられた過去があるから、頭ごなしに信用するって発想はないんですよね。それはある意味では哀しいことですが、だからこそそれを乗り越えて生まれる信頼関係ってのは、何よりも素敵だと思うんです。ここで仲間になっているキャラ達は、誰もが皆最初は夏目や人間に疑いや不信感を持って対峙していたわけで、だからこそより深い絆で結ばれているように見えたりします。この作品が持つ、独特の魅力の中には、こういった要因が少なからず含まれているのかもしれないな、と思ったのでした。
■購入する→Amazon
/
bk1
8巻レビュー→タキが何気にカワイイんですが… 《気まぐれ続刊レビュー》緑川ゆき「夏目友人帳」8巻

「夏目殿は
友人帳を使わずとも動いてくれる妖がいてくれるのですね」
「
友人なんです」
■9巻発売です。
ある日、名を取り戻しに来た時に指輪を落としたという妖・アマナに襲われた夏目。指輪を見つけなければ、家を燃やしてしまうと脅された夏目は、ニャンコ先生やヒノエに協力してもらい、懸命に探すも…?また、夏目の元に友人帳を狙う妖の一団が出現。今までと違う“嫌な感じ”に、必死に逃げるも、彼らはしつこく追い回してくる。そして辿り着いた先にあったものとは…
~的場家当主は夏目にとっての悪を貫いて欲しい~
いい話だったり、面白い話だからって、感想が書けるわけじゃないんですよね。。。という言い訳。普通に楽しんで、「あー、面白かった!」で完結したっていいじゃないか!という逆ギレ。いや、出ないものは出ないんですよ、えへへ。なんて、9巻にしてついに的場一門が物語に積極介入してきます。怪しげで、どう考えても敵対する雰囲気プンプンだった彼らですが、その予感はズバリ的中します。とはいえ的場家の当主は夏目を敵だとは認識しておらず、あわよくば仲間にしてしまおうというスタンス。この「使えるものは何でも使う」という姿勢は、ビジネスライクな匂いを漂わせる資本主義者で、物語における大きな敵としての素養をこれでもかと詰め込んだ「いかにも」なキャラ描写。ラスボス不在になりがちな少女漫画で、しっかりとその役目を果たしてくれるのではと期待させる登場でございました。10巻でも絡んでくるのかはわかりませんが、彼なりのポリシーを貫くことが、物語とキャラの魅力を最大限引き出すことだと思うので、このままでいて欲しいですね。もしくはもっとダーティーに。決して主人公に感化とかされないで欲しい。
~夏目の人・妖との距離の取り方~
そんな彼が登場することで、夏目の意思もハッキリとしてきました。彼曰く、妖は友達なんだそうです。ただ決して妖全てが友達ということではなく、「彼のことを少しでも思ってくれたら」という条件が見え隠れ。これは人間でも同じで、彼のことを信じてくれる人こそ、彼にとって大切な存在になるのです。この頭ごなしに信じない彼の人付き合い・妖怪付き合いの姿勢がスゴく好きなんですよね。というか、人間だからいいとか、妖怪だから大丈夫とか、日本人だからいいとか、そういうカテゴリーで判断しちゃうキャラが嫌いってことなんですが。でもそういうキャラって結構多かったり、でそれで痛い目見なかったりってのがどうにも納得できないときがあったり。ってなんだか変な方向に。で、夏目の場合は人間にも妖にも苦しめられた過去があるから、頭ごなしに信用するって発想はないんですよね。それはある意味では哀しいことですが、だからこそそれを乗り越えて生まれる信頼関係ってのは、何よりも素敵だと思うんです。ここで仲間になっているキャラ達は、誰もが皆最初は夏目や人間に疑いや不信感を持って対峙していたわけで、だからこそより深い絆で結ばれているように見えたりします。この作品が持つ、独特の魅力の中には、こういった要因が少なからず含まれているのかもしれないな、と思ったのでした。
■購入する→Amazon