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Tag [新作レビュー] 2010.01.08
boselove.jpgマツモトトモ「ボーズラブ!!!」


お寺にいるのに
煩悩がいっぱい



■二人暮らしだった祖父が亡くなり、家も抵当にとられ行くあてがなくなってしまった遙は、檀家の筋を頼って女人禁制の園・薬丸寺に居候することに。大学1年、遊びたい盛りであろう年頃にも関わらず、妙に落ち着き硬派に振る舞う遙だったが、どうにもペースが乱される。というのもそこには、節制第一で金融系オーラを放つイケメン住職・淳悟がいるから。なんとも坊主らしくない坊主に振り回されつつも、彼についていく遙には、彼に密かに憧れているという以上に、明かすことのできない秘密があって…!?

 ボーイズラブじゃないですよ、ボーズラブです。と、いきなりトンでもないタイトルですが、マツモト先生ならやりそうだよなぁとなんとなく納得してしまえるから不思議。というわけで、金融系イケメン住職と、居候大学生をメインに描いた煩悩全開ラブコメディのご紹介です。「え…ラブコメ!?」と思われたアナタ、ええ、ラブコメですとも。けどBLじゃありません。ということは、答えは一つ。そう、あらすじ説明にあった“遙の秘密”とは、実は遙は男ではなく女の子であるということ。高身長に美少年然とした顔立ち、広い背中に大きな足…男に生まれたならば、これ以上ないというくらいにモテたであろう彼女は、そんな身体で生まれたがために、男のように生きる道を選択してきました。それでも心は女の子、当然恋もします、憧れの存在もいます。そんな彼女にとって、憧れの存在だったのが、居候先の住職・淳悟。彼の素性も殆ど知らず、寺に押し掛けた遙でしたが、いざ共同生活をはじめて見てびっくり。彼は想像を超えた現金で変わり者の住職だったのです。…という感じのお話。


ボーズラブ
金融系ってのは、なにもローン云々とかのお仕事の匂いを感じさせるってだけではなく、金銭に厳しいって意味合いもあったり。


 ラブコメといってもドラマティックでロマンティックなストーリーが用意されているわけではありません。それはマツモトトモ作品に共通していて、淡々と一定のペースでボケやトキメキを投入し、独特の空気感を作り出す、いわゆる「オサレ漫画」を地でいくような感じ。タイトルで「ボーズラブ!!!」なんて言って落としてますが、話が進めばしっかりオシャレな雰囲気が。その空気感というのは、一歩横に逸らせばシュールだったりどこかズレた笑いにも繋がるわけで、しっかりとコメディ成分も盛り込んできております。どうも今作は先生自身、話を書くのに苦労したみたいなのですが、その影響もあってか後半に行くに連れて勢い系のネタが増えてくるようにも見えました。「オシャレで笑える」ってのは一見全く別のことをしているように思えるかもしれませんが、笑いの成分次第では、その二つは非常に近い位置にあったりするわけで、この作品はそのことをしっかりと見せつけてくれます。あー、でもラブ成分は薄めかな。もともと濃いわけではないですが、今回はよりコメディに力が入っているように思うので。
 
 本編も充分に楽しむことが出来るのですが、同時に面白かったのが、1/4スペースの作者さんコメント。なんとなくやさぐれてる感じもするのですが、その言い回しだったりリズム感だったりがやけにツボにはまります。Twitter始めてくんないかな…始めたら絶対面白と思うんですけど。


【男性へのガイド】
→BLだとか気張らないで、ぜんぜんBLじゃないですから。コメディとして楽しめる男性はsこそこいるんじゃなかろうかと思います。勢いはないですが、そういうのを重視しない人であったら。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→後半苦しくなった気もしますが、全体的には読みやすく、先生の作品独特の空気感も味わうことができて満足でした。険しい山や深い谷はないのは、お薦めするには難しい材料になるのですが、同時に嫌う要因にもならないとは思うので。


■作者他作品レビュー
マツモトトモ「ビューティーハニー」


作品DATA
■著者:マツモトトモ
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめCOMICS
■掲載誌:LaLa(平成21年4月号~10月号)
■前1巻
■価格:400円+税

■購入する→Amazonbk1

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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